1. 「押し紙」の実態

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2018年12月06日 (木曜日)

「押し紙」問題最前線、活発化する「押し紙」報道、増える「押し紙」裁判

「押し紙」問題の近況を報告しておこう。新しい動きがいくつか現われている。

11月1日に、国会の衆議院議員会館で「押し紙を考える勉強会」を開催した。この集会には、報道関係者を含めて50人あまりが集まった。「押し紙」をテーマとした集会を国会内で開催したのは初めてだ。1980年度の前半に、新聞販売の諸問題が国会質問の場で繰り返し取り上げられたことはあるが、集会を開いたことはなかった。

この集会の報道を含めて、その後、「押し紙」報道は活発化している。【続きはここをクリック】

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2018年12月04日 (火曜日)

「紙」新聞が崩壊へのカウントダウン、年間で読売41万部減、朝日は36万部減、毎日は31万部減、中央紙だけで京都新聞社3社分の部数が消えた、最新のABC部数

新聞の没落傾向に歯止めがかからない。新聞の発行部数を示すABC部数(2018年10月度)によると、朝日新聞は前年同月比で約36万部減、読売新聞は約41万部、日経新聞は約30万部減、毎日新聞は約31万部減、産経新聞は約11万部減となった。

中央紙5紙のABC部数は次の通りである。()は前年同月比である。

朝日 5,763,923(-357,682)
毎日 2,646,202(-314,076)
読売 8,328,646(-406,279)
日経 2,398,162(-297,093)
産経 1,465,842(-112,190)
合計 20,602,775(-1,487,320)

これら5紙で、総計約149万部が減ったことになる。これは京都新聞(発行部数約43万部)クラスの地方紙が、3社消えたに等しい。新聞業界の深刻な内情が改めて浮彫になった。

◇「押し紙」と折込広告の水増し

ちなみにABC部数には、「押し紙」が含まれている。「押し紙」とは、新聞社がノルマとして新聞販売店に買い取りを強要する新聞のことで、昔から業界内で大きな問題になってきた。新聞ばなれが進み、販売店の経営が悪化してくると、「押し紙」の負担が重くなる。そこで新聞社は、販売網を維持するためにやむなく「押し紙」を減らすことがある。その結果、ABC部数も減る。

このところの極端な部数減の背景には、単に新聞ばなれだけではなく、新聞社が「押し紙」を減らさざるを得なくなっている事情もあるようだ。それだけ経営悪化が深刻になっているのだ。

なお、折込広告の販売店への割り当て枚数は、ABC部数に準じる基本原則がある。従ってABC部数の中に「押し紙」が含まれていれば、それとセットになっている折込広告も、配達されないまま「押し紙」と一緒に廃棄されている可能性が高い。

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2018年11月27日 (火曜日)

東京都足立区でも「押し紙」が発覚、ABC部数が約270万部の毎日新聞、実配部数は推定で135万部

毎日新聞の元販売店主を取材した。この人は東京都足立区で2店舗を経営していたが、数年前に「押し紙」の負担に耐えられなくなって廃業した。当時の商取引の記録を見せてもらった。

それによると2店に対して総計で約3000部の新聞が搬入されている。このうち読者に対して発行された領収書は約1500枚(発証数)。差異にあたるおおよそ50%が「押し紙」になっていたことになる。

 

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2018年11月22日 (木曜日)

新聞「ABC部数」はこうして改ざんされる――実行者が手口を証言、本社販売局の指示でデュプロ(株)が偽の領収書を発行、入金一覧表なども偽造し数字を整合させる

新聞の発行部数を公式に示す「ABC部数」。ABC協会は2年に1度、「公査」を実施し、販売店の現場を調査している。ところがこの公査の直前に、新聞の購読者数を証拠づけるデジタル書類を改ざんしていることが分かった。

この問題を告発したのは、毎日新聞の元販売店主・板見英樹氏。板見氏は、現役販売店主だった2016年9月、改ざんの「実行者」である折込チラシ丁合機メーカー・デュプロ(株)社員から一部始終を聞き出した。

その録音によると、手口は、新聞拡販の対象者として販売店が保存している「過去の新聞購読者データ」を、現在の読者に改ざんして領収書を発行、そのバーコードを読み込み、入金一覧表なども自動的に改ざんすることで全体を整合させる、というもの。

改ざん現場には、毎日新聞の販売局員が立ち会い、指示を出していたという。(※文尾で、全音声9分21秒を公開)

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2018年11月15日 (木曜日)

「押し紙を考える学習会」の動画が完成、11月1日、衆議院第2議員会館で収録

11月1日に衆議院第2議員開会で、「NO残紙キャンペーン」が開催した「押し紙を考える勉強会」の動画が完成した。「NO残紙キャンペーン」は、新聞販売店から「押し紙」をなくす運動を展開している集まりで、弁護士、議員、それにジャーナリストなどから構成されている。思想的・信条は異なるが、販売予定のない新聞を買い取らせる新聞社のビジネスモデルに異議を申し立てるという点で合意を形成している。

発言は次の順番。

①黒薮哲哉(フリーランスライター)

②幸田泉(作家)

③寺崎昭博(佐賀新聞「押し紙」裁判原告)

④木原稔(衆院議員)

⑤小坪慎也(行橋市議)

⑥会場からの発言

どの発言も内容が濃いが、個人的には、木原稔衆院議員の発言に強い印象を感銘けた。折込広告の水増し行為が刑法上の詐欺にあたることを国会議員が、国会での集まりの中で指摘したのは初めてではないか。

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2018年11月14日 (水曜日)

水面下で広がっている「押し紙」をめぐる裁判、筆者も網羅できない規模か?

「押し紙」をめぐる訴訟が、筆者だけでは網羅できない規模で広がっているようだ。かつては販売店が新聞社を相手に裁判を起こしても、まず勝てないというのが常識だった。新聞社の担当員は、「押し紙」をめぐるトラブルが起きると、自信満々に、

「あなたがたが裁判を起こしても、絶対に勝てないですよ」

と、断言していた。残念ながら、それは事実だった。帳簿上では、新聞販売店が自分で希望する部数を注文したことになっているので、裁判所は残紙を「押し紙」とは認定しなかったのだ。帳簿上の事実関係だけで判断していたのである。

裁判所の見解に変化の兆しが現れはじめたのは、2005年だった。岐阜新聞の元店主が起こした「押し紙」裁判の控訴審判決で、名古屋高裁が残紙を「押し紙」と認定したのである。損害賠償は認めなかったが、残紙を「押し紙」 と判断した。

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2018年11月12日 (月曜日)

人件費のカットで新聞配達員に大きな負担、投函ミスが急増し、購読中止を招くケースが続出

新聞販売店からの情報によると、新聞の実配部数が大幅に減っている背景に、紙媒体からインターネットへの移行が進んでいる事情だけではなく、販売店の経営そのものが困難に追い込まれている事情があるようだ。

「人件費をカットせざるを得ない状況になり、その結果、ひとりの従業員の負担が大きくなったり、士気が低下して、配達が大幅に遅れたり、投函ミスが増えているのです」(都内店主)

投函ミスというのは、新聞を届けるポストを間違えたり、「不着」といって、投函そのものを忘れる事故を意味する。店によっては、1日に4件から7件ぐらいの投函ミスが発生するという。

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