1. 「押し紙」の実態

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東京23区の広報紙を対象にした折込チラシ水増しの実態調査、目黒区など12の区で「水増しの強い疑惑」

折込チラシの水増し実態を、東京23区の広報紙(2019年度分)を対象に調査した結果、16の区で新聞折込がおこなわれ、そのうち12の区で水増し詐欺がおこなわれている強い疑惑が浮上した。ただし、今回の調査は予備調査なので、今後、当事者に取材を重ねることで、データの信憑性や特殊な事情がないかなど、さらに検証する必要がある。

【新聞折込を実施していない区】
次の7区では、広報紙の配布に際して、新聞折込は行われていない。

足立区、葛飾区、北区、江東区、中野区、渋谷区、台東区

【新聞折込を実施している区】
新聞折込を実施している区は、次の16区である。

荒川区、文京区、千代田区 、中央区、江戸川区 、板橋区 、目黒区、港区、練馬区、大田区 、世田谷区、品川区、新宿区、杉並区、墨田区、豊島区

【水増しが強く疑われる区】
水増しが強く疑われる区は12区あった。新聞社が新聞販売店に「押し紙」を多量に搬入している状況下では、新聞折込を実施している区のすべてで、広報紙が水増し状態になっている可能性が高いが、今回の調査で、「強く疑われる区」として区別した根拠は、次に述べる事情による。

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裁判所が折込チラシの水増し詐欺に強い関心を示す、折込広告会社のサンケイアイの社員が出廷へ 、産経の「押し紙」裁判

産経新聞の元店主が、産経本社を相手に起こしている「押し紙」裁判(東京地裁)の尋問が(2020年)3月10日に開かれ、証人として折込広告会社の(株)サンケイアイの社員が出廷することになった。裁判所が折込チラシの水増し行為にメスを入れる可能性が高い。

この裁判で原告の元店主は、折込チラシの水増し詐欺をしていたことを認めた上で、その責任は産経本社にあると主張している。裁判所に対して、サンケイアイの社員の証人申請を申してたところ裁判長も、

「裁判所としても確かめたいことがある」

と、言って申請を認めたという。

折込チラシの水増し問題が、法廷に持ち込まれ新聞社の社員が尋問されたケースは、佐賀新聞の例など過去にもあるが、折込広告会社の社員本人が法廷で直接尋問されたケースはない。その意味で、3月10日の尋問で、「押し紙」問題は新しい段階に入るとみて間違いない。

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2019年11月22日 (金曜日)

崩壊する新聞、朝日・読売が年間で約40万部減、『広報えどがわ』の水増し問題にはサンケイ広伸社が関与、選挙公報も大幅に水増し

明らかな詐欺を延々と続けても、誰からも注意されない。業界団体に対策を求めると、「事務局員は何もできません」、あるいは「犯罪が確定すれば対処します」という答えが返ってきた。

取材を申し入れても拒否。これではいつまでだっても「折込チラシの水増し詐欺」問題は解決しない。事実、水面下の問題になって半世紀を超える。

新聞業界がますますブラックボックスのふたを堅く閉ざすようになっている。新聞のビジネスモデルの崩壊がカウントダウンの段階に入っていて、ジャーナリズムに対する警戒感が強まっているからだろう。

最近の新聞業界に関するデータをいくつか紹介しよう。

◆最新のABC部数

2019年10月度のABC部数は、次の通りである。()は前年同月比。

朝日:5,379,640(-384,283)
毎日:2,317,522(-328,680)
読売:7,933,596(-395,050)
日経:2,292,118(-106,044)
産経:1,363,010(-102,832)

前年同月比で、朝日と読売は約40万部減っている。毎日は、約30万部減。1年のあいだに中央紙5紙で、京都新聞社規模の新聞社が3社消えたことになる。この流れは止まらない。さらに加速するだろう。折込チラシの需要が下降線をたどっていて、「押し紙」で販売店が被る損害を、チラシの水増し詐欺だけでは相殺できなくなっているからだ。【続きはウェブマガジン】

 

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2019年11月14日 (木曜日)

佐賀新聞の原正則販売局員がABC公査の対策を店主らに講義、「押し紙」隠しが目的か、裏付け資料の存在も判明

佐賀新聞社の原正則販売局員(当時)が、2015年2月、新聞販売店主の集まりで、「ABC公査対策」について講義していたことが分かった。

ABC公査というのは、新聞の発行部数を調査している日本ABC協会が、新聞販売店に対して抜き打ち的に行う部数調査のことである。新聞発行本社は、定期的に日本ABC協会へ新聞の発行部数を申告するのだが、その申告部数と販売店に実際に搬入している部数に乖離がないか、あるいは申告部数と販売店が実際に配達している部数(実配部数)に乖離がないかを調査するのが目的だ。

ABC公査が正しく行われていれば、新聞販売店の「押し紙」の実態が明らかになる。ところが多くの新聞社が、「押し紙」を隠すために、「ABC公査対策」を取ってきた。佐賀新聞社もその例外ではないことが、今回、判明したのである。

原販売局員は、講義の際に「ABCの公査にあたり」と題する文書を店主らに配布していた。

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2019年11月11日 (月曜日)

「『押し紙』さえなければ・・」、新聞販売店の経営が危機的に、預金を切り崩して新聞の卸代金を上納

筆者のところに新聞販売店からの相談が相次いでいる。「押し紙」が原因で、預金を切り崩して新聞社へ新聞の卸代金を納入しているが、それも限界に来ているという主旨のものが多い。「押し紙」 さえなければ、経営を持続できるが、新聞社は「押し紙」を排除してくれないという。

預金を切り崩して支払っている「押し紙」代金の額は、店によって異なるが、なかには月々100万円近く支払っている店もあるようだ。新聞発行本社から年間の部数拡販目標を提示され、達成できない場合は、改廃すると恫喝された店主もいるようだ。

新聞社が年間の増紙目標を一方的に提示して、それに準じた新聞部数を一方的に搬入する手口は共通している。「押し紙」がない新聞社は、極めて限定されている。(熊本日日新聞など)

「押し紙」の規模は、地方紙よりも中央紙の方が多い傾向がある。

「うちの系統では、どの店も1000部はあります」

と、話す店主さんもいる。また、次のような声も。

「搬入される新聞の半分は『押し紙』です」

「3500部のうち、配達しているのは1300部」

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2019年11月04日 (月曜日)

佐賀新聞の「押し紙」裁判、原告が証人尋問でABC部数の問題を追及

11月1日に佐賀地裁で行われた佐賀新聞社を被告とする「押し紙」裁判の証人尋問が行われた。その中で、佐賀新聞の元販売局員が、販売店主らの集まりで講演し、予備紙数を減らす方法を教示していたことが明らかになった。原告の江上武幸弁護士による追及で明らかになった。ただ、その目的について元販売局員は明確な回答を避けた。

予備紙を減らす方法とは、残紙を有代紙のように見せかける方法を意味している可能性が高い。つまり「押し紙」を隠して、ABC考査で不正を指摘される事態を回避することが目的だと思われる。

講演の内容は文書としても残っている。詳細については、尋問調書を閲覧したうえで論評するが、ABC部数の問題が法廷へ持ち込まれたのである。

1日の尋問には、40人を超える人々が傍聴に訪れた。この中には、鹿児島県の南日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の原告店主らの姿もあった。

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4月と10月になると「押し紙」が増える理由、折込広告の水増し行為と表裏関係に

産経新聞の元店主が言う。

「折込広告の水増し問題を指摘されると、新聞社は異常に神経質になります。『押し紙』問題の比ではありません。折込広告の水増し問題は、『押し紙』問題とは異なり、新聞業界の外にいる広告主が憤慨する問題であるからです。折込広告の問題が浮上すると、新聞各社が情報を共有しているとも聞いています。新聞業界全体の運命に関わる大問題であるからです」

そのオリコメ詐欺がいま急激に問題視されるようになってきた。

11月1日に行われる佐賀新聞を被告とする「押し紙」裁判の尋問(佐賀地裁・10時~16時半)でも、ABC部数の中身が検証されるものと見られる。

また、折込広告の水増し問題について、ある市民が筆者に公益通報したところ、しぶや総和法律事務所の鈴木裕二弁護士が、公益通報者に対して提訴などをほのめかしながら、情報源を明かすように求めてきた。その「恫喝文書」の一部を紹介しよう。

 本来であれば、貴殿に対し、直ちに民事上および刑事上の責任を追及するところですが、通知人としては、まず上記記事を投稿した経緯や上記画像の入手方法等について貴殿から事情を伺い、そのうえで今後の対応について検討しようと考えております。つきましては、本書面を受領してから7日以内に、弁護士鈴木宛て(03ー6416ー1933)にご連絡くださるようにお願いいたします。

しかし、公益通報者はひるまなかった。さらにオリコミ詐欺の実態を公益通報したところ、弁護士から音沙汰がなくなった。この問題を暴露されるのが恐いのだろう。新聞業界の決定的な問題点を突いているからだ。係争に広告主を巻き込まれたら、収集がつかなくなるからだろう。

公益通報者を支援している筆者としては、その後、オリコミ詐欺に関する新しい情報を入手した。それを根拠に攻勢をかける予定だ。

弁護士に依頼して、公益通報者にプレッシャをかけた人物の素姓や職業、経歴もすべて把握している。ある団体の役員を務める公人である。

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2019年10月22日 (火曜日)

折込広告の水増し問題(オリコメ詐欺)が法廷へ、佐賀新聞の「押し紙」裁判、11月1日と15日に証人尋問

佐賀新聞を被告とする「押し紙」裁判の証人尋問が、11月1日と11月15日に、佐賀地裁で開かれるのを前に、「押し紙」弁護団の江上武幸弁護士が「裁判傍聴のご案内」と題する文書を公表した。

既報したように、現在、佐賀地裁では佐賀新聞を被告とした2件の「押し紙」裁判が審理されている。吉野ヶ里販売店を原告とするものと、小城販売店を原告とするものである。

裁判の中で、折込広告の水増し問題が重要な検証点になっており、証人尋問の中でも、新聞社販売局の関与など事実の検証がおこなわれる可能性が高い。

法廷は、3階の1号法廷である。

「裁判傍聴のご案内」(抜粋)は次の通りである。

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選挙公報の配布、岐阜県土岐市や御嵩町などが新たに新聞折込を採用、背景に新聞関係者による「営業」か?

埼玉県で参議院議員の補欠選挙が行われている。前知事の上田きよし氏とN国党の立花孝士氏の2人が立候補して、両氏による一騎打ちになっている。2人の政策が記された選挙公報は16日にポスティングで全戸配布された。

選挙公報の配布方法は、ポスティング、新聞折込、郵送などがあるが、歴史的にみると、主流を占めていた新聞折込が激減して、ポスティングが増えている。理由は、新聞の公称部数が実配部数を大きく上回っているので、配達されずに廃棄される選挙公報が大量に発生することが発覚したからだ。

ところが最近、奇妙な現象が見られる。従来は、ポスティングで配布していたが、新聞折込に切り替える自治体が現れたことだ。おそらく新聞関係者が「営業」をした結果だと思うが、情報公開制度などを利用して配布方法が変更になった背景を調査する必要がありそうだ。

新聞の購読者が激減しているにもかかわらず、配布方法として新たに新聞折込を採用する選択が無知の最たるものであることは論を待たない。

参考までに、新たに新聞折込を採用した自治体を紹介しておこう。

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15日から新聞週間、日本新聞協会は今年も「押し紙」問題・折込広告の水増し問題を避ける

日本新聞協会は、10月15日から21日の日程で、第72回新聞週間をスタートさせた。共同通信によると、今年は、「人工知能(AI)の進化や、AIを活用した社会の課題などについて語るパネルディスカッション」を開くらしい。

同協会は、毎年、新聞週間になると、なにかテーマを決めて討論しているが、わたしの知る限り、「押し紙」や折込広告の水増しについて、討論したことは一度もない。実は、表裏関係をなすこれらの問題こそが、新聞業界が早急にメスを入れなければならない部分なのだが、当事者たちは隠蔽に終始してきた。

いまだに「知らぬ」、「存ぜぬ」という態度を貫いているのだ。そのこと自体が新聞経営者(新聞人)としての資質が欠落していることを示している。鈍感というよりも、知りながら逃げているのだ。ジャーナリズムよりも、金銭の損得(ビジネス)を優先しているのだ。

これでは日本のジャーナリズムに責任が持てるはずがない。

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