三宅雪子の検索結果

2020年01月07日 (火曜日)

三宅雪子氏の自殺とツィッターの社会病理

三宅雪子氏の死をメディアが報じた。自殺だという。自殺の原因を特定することほど困難を極める作業はなく、たとえそれを試みたところで他界した本人に真実性を確認することはかなわないので、所詮、自殺についての論考は推論ということになってしまう。しかも、原因が重なっていることもある。

わたしは彼女の自殺の背景には、明らかにネット社会の病理があると考えている。彼女が熱心なツィッターのユーザーであったことは周知の事実である。それが引き金となって、三宅氏と元支援者らが相互に批判を繰り返したこともよく知られている。ネット上の言動が原因で法的係争も次々に起きた。

「炎上」現象の火花は、当事者ではないわたしにも及んできた。三宅氏の投稿に便乗するかたちで熱心な支援者が、「黒薮」が逮捕されたという嘘の情報を流したのである。わたしは「ネットの闇」の取材者だったので、痛痒を感じるどころか、むしろ好奇心を刺激された。ツィッターはここまで人を狂わせるのかと。

「ネット戦争」の中で三宅氏に最も打撃を与えていたのは、みずからが起こした虚偽告訴事件である。これは三宅氏が、5人の元支援者に対して、名誉毀損で告訴した旨をツィートしたことに端を発する。その結果、5人は耐え難い恐怖心に見舞われる日々を送ることになる。

Aさんは、電話の受話器が取れなくなった。呼び出し音に反応して、警察からの呼び出しではないかという想像が脳裏をよぎるからだ。Bさんは精神科へ駆け込んだ。

5人は2年近く苦悩したあげく、弁護士の支援を得て真実を突き止めた。その結果、「告訴」したというのはすべて嘘だったことが判明した。5人は、それぞれのツィッターでこの事実を公表した。プロフィールの欄に、次の声明文を貼り付けたのである。タイトルは、「私たちは元衆議院議員・三宅雪子の虚言で生活を破壊されました」。

「私たちは元衆議院議員・三宅雪子の虚言で生活を破壊されました」

 

この文書が延々とネット上にさらされることになった。それは想像以上に重い意味を持っていた。この声明文がある限り、三宅氏を公認する政党は現れないからだ。

三宅氏が自殺したことが判明すると、この声明文も削除された。それは故人に配慮した正しい措置だろう。しかし、重要な事実関係は正確に記録しておかなければならい。

ネット社会の闇は想像以上に深い。

 

三宅雪子氏関連の全記事

2019年10月20日 (日曜日)

三宅雪子氏をめぐる「炎上」は何だったのか、小沢グループ内の「紅白戦」?

インターネット上で、三宅雪子氏が2017年5月、5人の元支援者に対して名誉毀損容疑で刑事告訴したと告知したのち、いわゆる「炎上」現象が起こった。三宅氏による告知から2年が過ぎたころ、「告訴」された側が、弁護士に依頼して真相を調査し、「告訴」がまったくの嘘であったことを警視庁高輪署で確認した。

このニュースはメディア黒書でも取りあげた。

【参考記事】5人の元支援者に対する三宅雪子氏の「刑事告訴」は真っ赤な嘘、弁護士が高輪署で刑事に確認、日本の政治家の劣化を象徴

 

告訴したという告知が嘘だったことが確定したあと、わたしは被害者ら5人が三宅氏に対して逆に恫喝容疑などで刑事告訴するものと思っていた。ところが現在のところ法的な対抗措置が取られた形跡はない。これは実に不思議なことではないか?

「炎上」の中で、双方が互いに法的措置も辞さないといわんばかりの意思表明を繰り返していたからだ。が、わたしが知る限り、5人は刑事告訴も民事裁判も提起していない。

◆◆
わたしはむやみに法的対抗措置を取ることを推奨する者ではない。しかし、法的措置が必要な場合は、熟慮した上で必要であれば、それを断行すべきだろう。特に三宅氏のケースは、三宅氏が高いモラルが求められる国会議員(小沢グループ)だったという経歴もあり、刑事告訴か民事裁判を提起することで責任を問うのが妥当だとわたしは考えている。

 法的措置に踏み切らなければ、「炎上」そのものがネット上の単なるゲームだったことになりかねない。5人がメディアに支援を求めた当初から、そもそも理不尽なことを正そうという気持などなかったのかも知れない。自分の実名を名乗る勇気もなかった。5人は、「炎上」そのものに快楽を感じていたのではないかと疑いたくなる。

◆◆◆
一般論になるが、ツイッターによる個人攻撃は、ストレス発散が目的の場合がままある。だから敵対する登場人物が本当に表舞台から消えると、かえって拍子抜けして残念がったりする。ストレス発散の的を失うからだ。

ツイッター中毒になっている人は、必ずしもITに通じた若い世代とは限らない。わたしが知る限り、むしろ高齢者に多い。これは社会病理だろう。しかも、こまったことに彼らが野党勢力の支持増の一部を形成していて、選挙活動を展開する上でもツイッターを重用なツールにしてきた。当然、イメージダウンの原因になる。

たとえばネット中毒のカウンターグループ。わたしもこの種の人々による評価では、レイシスト(人種差別者)のリストに入っている。わたしは人種も国籍も学歴もまったく重視しない主義である。

ツィッターという媒体が社会に及す負の影響について検証するときが来ている。

2019年08月22日 (木曜日)

5人の元支援者に対する三宅雪子氏の「刑事告訴」は真っ赤な嘘、弁護士が高輪署で刑事に確認、日本の政治家の劣化を象徴

三宅雪子氏による嘘の刑事告訴が明らかになった。2年以上もの間、ツイッター上で話題になってきた不可解な事件に決着が着いた。

◆事件の発端
2017年5月10日、元衆議院議員の三宅雪子氏が、ツイッターで7人の元支援者を刑事告訴したことを公表した。「本日、以下のアカウントに対して名誉毀損で告訴状を提出致しました」で、はじまるこのツイッターは、次に披告訴人にされた5人のアカウントを公開している。そして、「ほか2名 私の名前を出してのツィート 家族、知人 仕事先への接触を強くお断りします」と結んでいる。(上写真参照)

このツィートに続いて、三宅氏の支援者が口汚く5人を罵るようになる。

5人の中には、電話に出られなくなった人もいる。警察からの電話ではないかという恐怖が頭をよぎるからだ。体調を崩した人もいる。

ところが警察からの連絡はない。刑事告発された場合、受理されれば、遅くても1年ぐらいで起訴か不起訴の判断が下されるが、5人に対して警察からは何の連絡もない。

「刑事告訴」から1年が過ぎたころ、わたしはこの事件を知った。刑事告訴したというのはウソだったのではないかという噂が流れはじめたころである。そこで警視庁に情報公開するなどして、調査したところ、告訴は行われていないことがほぼ確定した。しかし、刑事の口から説明がないので、断定はできなかった。そのまま時間が過ぎていたのだ。

が、その後も三宅氏は依然として、告訴状は受理されていると説明した。

◆高輪署で弁護士が事実を確認
今年になって5人は新たな行動にでた。塩川泰子弁護士を伴って高輪署へ足を運び、本当に三宅氏が告訴状を提出していたかどうかを確認するために刑事と面談したのだ。その結果、告訴状は提出されていなかったことが刑事の口から明かされたのである。


この事実を受けて、5人は8月21日、ツイッターで「すべて嘘だった」と題する声明を発表した。その一部を引用してみよう。

刑事さんからは 「三宅雪子元議員からの刑事告訴の事実はない」   という、驚くべき事実を知ることができました。冒頭のツイート以外にも三宅雪子氏(卑劣な行為が明らかになったので「元国会議員」の呼称は以後使いません)は「(私たちの)刑事告訴を行った」、「落合洋司弁護士が代理人で告訴状は受理された」、「現在捜査中」などと Twitter 、 ツイキャスで、数多く告知してきましたが、それらはすべてが虚偽であったことになります。ちなみに 三宅雪子氏本人、ならびに落合洋司弁護士以外の弁護士を伴っての「告訴」もなかったと警察の方は明言されました。声明の全文

事件の発端から2年3カ月が過ぎていた。

 

◆嘘をついて、解決金としての慰謝料を請求

支援者が「被告人になりたくなければ、莫大な慰謝料を提示して・・(右上の写真を参照)」と述べており、どう喝の疑惑もある。単なる虚偽の告訴ではない。告訴したと嘘をついて、解決金としての慰謝料を請求しているのである。

 

◆5人が三宅氏を刑事告訴する高い可能性

5人は、三宅氏を刑事告訴することを検討しているという。三宅氏は過去にも刑事告訴され、2度にわたり起訴猶予の処分を受けている。今回の嘘の告訴で、5人に被害を与えているうえに、過去に2度の起訴猶予処分があるので、5人が三宅氏を刑事告訴した場合、起訴される可能性が高い。

日本の政治家の劣化を象徴する事件である。

 

三宅雪子氏に関連するメディア黒書の全記事

 

2018年12月13日 (木曜日)

高輪署と目黒署から情報公開資料を入手、三宅雪子・元議員が7人を刑事告訴したとされる件、

三宅雪子(元衆議院議員)氏は、本当に7人の元支援者を刑事告訴したのか?

筆者は、この事件を解明する鍵となるひとつの資料を、情報公開制度を利用して警視庁から入手した。警視庁が開示したのは「告訴(発)事件受理・処理状況一覧」という文書の平成29年4月分と5月分のうち、高輪署と目黒署における刑事告訴・刑事告発の処理件数を示す文書である。

その詳細を紹介する前に、事件の概要を簡単に説明しておこう。

 

◇事件の経緯

2017年5月10日、三宅氏はみずからのツイッターに次の投稿をした。

「本日、以下のアカウントに対して名誉毀損で告訴状を提出致しました。@gachktmama0113,@torch2012,@nanachan77,@makimakiia,@him_beereほか二名 私の名前を出してのツイート、家族知人、仕事先への接触を固くお断りします」

5人のアカウントを公開し、2人を匿名とした。原因はツィター上の「炎上」である。
告訴から1年半が過ぎたが、捜査機関から「被疑者」に対してなんの接触もない。そのために、告訴したという三宅氏のツィートは真っ赤なウソではないかという噂が広がった。そこで真相を解明するために、筆者が警視庁に対して上記の情報公開請求を行ったのだ。

情報公開の対象を警視庁の高輪署と目黒署に絞ったのは次の理由による。

【詳しい事件概要】三宅雪子元衆議院の支援者「告訴」騒動にみるTwitterの社会病理

 

◇高輪署のデータを入手した理由

通常、警察へ告訴する場合は、告訴人が在住する地域の最寄り警察署に相談するのが原則だ。それ以外の警察署で告訴の手続が出来ないわけではないが、筆者の取材を通じた経験則からすると、「被疑者」の最寄り警察に相談しても、告訴人の最寄り警察署に相談するようにアドバイスを受ける。特別な事情がない限りは、告発人の最寄り警察が窓口になる。

窓口が高輪署になった可能性が高いもうひつとの理由は、「被疑者」の在住地が関東から関西まで広域にまたがっており、たった1日で7つの警察署に足を運ぶことがむつかしいからだ。書面を郵送したというのなら、この限りではないが。

こうした理由で筆者は、まず、三宅氏の地元である高輪署を情報公開の対象にしたのである。ちなみに三宅氏の裁判で代理人を務めている落合洋二弁護士の最寄り警察署も港区・高輪署である。

目黒署を調査対象に加えたのは、「被疑者」の1人の最寄り警察が目黒署であるからだ。他の6人の「被疑者」の最寄り警察は、警視庁(東京都のみの管轄)の管轄外なので、情報公開請求する場合は、それぞれが在住する府県警察本部に相談しなければならない。そこで今回は、高輪署と目黒署だけになったのだ。

告訴の窓口としては、他に都府県の検察があるが、公的な要素が薄い今回の事件を検察が受理する可能性は極めて低いと判断して、これも対象から外した。

以上のような経緯を念頭において、次に紹介する情報開示結果を理解いただきたい。

 

◇高輪署における受理件数は0件

結論を先にいえば、高輪署に関しては、2017年5月中に1件の受理も行われていない。たとえ告訴状が提出されていても、その月のうちに不受理の決定が行われた可能性が濃厚だ。

目黒署に関しては、1件の事件が受理されている。しかし、それが三宅氏によるものかどうかは不明だ。

【高輪署】
   4月末時点(5月末時点)
受理:12件 (12件)
処理:2件 (2件)
相談:8件 (10件)
未処理:10件(10件)

【目黒署】
  4月末時点(5月末時点)
受理:10件 (11件)
処理:2件 (2件)
相談:30件 (32件)
未処理:8件(9件)

表の見方:データは今年に入ってからの累積件数である。たとえば高輪署の受理件数は、4月末までに12件発生している。5月末でもやはり12件なので、5月中の受理は0件ということになる。

一方、未処理(書類は受け取ったが受理・不受理の判断がペンディング)にも注目してほしい。4月末と5月末では数字に変化はない。それぞれ10件である。と、いうことは5月に何者かが告訴して、その受理・不受理の判断が5月中に下せずに、次月に持ち越した案件は0件ということになる。もし、告訴状は受け取ったがその月のうちに判断が下せないケースが発生していれば、5月末の「未処理」が11件になるはずだからだ。

さらに5月の処理件数も0件である。

つまり高輪署に関していえば、告訴状すらも受け取ってもらえなかったことになる。あるいは元々提出しなかったか。

目黒署に関しては、1件の告訴が受理されている。その告訴が三宅氏によるものかどうかは分からない。

今後、念のために「被疑者」が在住する府県警察本部と検察に対しても情報公開請求をする必要があるかも知れない。真相が解明されるのも時間の問題だろう。来年の夏までには調査を完了したい。

2018年12月03日 (月曜日)

黒薮のツイッターをロック、三宅雪子元衆院議員の「告訴」をめぐる記事に対する妨害

このところ言論を抑圧する動きが浮上している。12月1日(土曜日)の午前2:27に、筆者のツイッターがロックされた。

ロックとは、何者かがツイッター社に、特定のツィートの削除を申告して、それが認められた結果、投稿ができなくなる状態を意味する。再開の条件として、当該のツィートを削除することが求められる。削除要求に対して異議を申し立てることもできるが、この場合、ツイッター社による判断が下されるまで、数日を要するので、その間は、ツイッターが使えない。

ロックの原因となったのは、次の投稿である。

 【バックナンバー】三宅雪子元衆議院の支援者「告訴」騒動にみるTwitterの社会病理 | MEDIA KOKUSYO http://www.kokusyo.jp/justice/13280/

※このウエブサイトから上記URLで記事にアクセスできる。

 この記事は、元衆議院議員の三宅雪子氏が2017年5月10日に、自らのツイッターに投稿したある告知をテーマとした記事で、『紙の爆弾』に掲載したものを、ウエブ用に短くリライトしたものである。

概要は、次とうりだ。三宅氏は、5人のアカウント(ツイッター上のペンネーム)をさらして、名誉毀損の刑事告訴に踏み切った旨を告知した。しかし、その原因も捜査機関名も明かされなかった。そのために名指しにされた5人は精神的なストレスを蓄積させていった。ストレスで病気になった人もいる。

もちろん「告訴」から1年半が過ぎた現在も、捜査機関から5人に対する連絡はない。

5人は東京の弁護士にも相談し、事件を担当してもらった。当然、弁護士費用も発生している。「被疑者」は関西にも在住しており、東京までの交通費だけでも高額になっている。

しかし、それでも三宅氏は告訴の中身を一切公表しない。そのうちに、告訴は真っ赤なウソではないかという噂が広がりはじめた。

そこで筆者がこの問題を取材した。結果、三宅氏が過去に言論の問題で元支援者から2件の刑事告訴を受け、2回の「起訴猶予処分」を受けていたことが判明した。三宅氏と5人の間で、ツイッター上の「炎上」が起きていたことも分かった。告訴が事実かどうかは、現時点では分からない。

既に述べたように、記事は最初『紙の爆弾』に掲載した。それからそれをリライトして、メディア黒書に掲載し、同時にツイッターで記事を紹介した。それが9月である。

今回、ロックの対象になったのは、上記ツィートのリツィートである。

◇「被告人になりたくなければ・・」

誰がツイッター社にロックを申し立てたのか、部分的な証拠は入手しているが、絶対的な確証はない。そんなわけで、この件は、今後調査することになる。

ちなみに、三宅氏の支援者のひとりは、三宅氏が刑事告訴をツイッターで告知した直後に、みずからのツイッターで「あなた方は今日から被疑者となりましたが、ご感想はいかがでしょうか?」などと述べており、この日に告訴が受理されたことを物語っている。さらに「被告人になりたくなければ、彼女に莫大な慰謝料を提示して」などと金銭要求もしている。次のツィートである。

2018年11月08日 (木曜日)

三宅雪子氏による刑事告訴から1年半、捜査機関の動きが見えない、ついに「告訴は虚偽では」との声も

2017年5月10日は、元衆議院議員の三宅雪子氏が、みずからが起こしたある刑事告訴をツイッターで「告知」した日である。それから1年半。その後の経過は報告されていない。筆者が7月に三宅氏を取材したさいには、捜査中とのことだった。

ちなみに三宅氏による告知は、次のようなものだった。

「本日、以下のアカウントに対して名誉毀損で告訴状を提出致しました。@gachktmama0113,@torch2012,@nanachan77,@makimakiia,@him_beereほか二名 私の名前を出してのツイート、家族知人、仕事先への接触を固くお断りします」

ツイッターによる言葉の応戦の中で、5人の言葉が三宅氏の逆鱗にふれたのか、刑事告訴というドラスチックな対抗手段に突っ走ったようだ。ツイッターの世界では、感情の露呈や罵とうがはびこっていて、「議論」に参加する側も、過激な言語が飛びかう世界という大前提で、言葉を発信しているので、殺人などを告知しない限り、警察や検察が告訴を受理する可能性はかなり低いが、三宅氏によると「捜査中」とのことだから、筆者も並々ならぬ興味を感じている。

言論の自由を抑制するための法整備が進む状況下で、5人が起訴され、牢獄に閉じこめられる可能性がまったくないわけではない。小窓からメシの配膳を受ける生活を強いられることになるかも知れない。こうした想像で5人の精神的苦痛は、すでに頂点に達しているのではないか。中には病気になった人もいると聞いている。

その一方で、そもそも三宅氏による刑事告訴は虚偽だったのではないかという推測も広がっている。その根拠は、告訴から1年半が過ぎて、捜査機関から当事者へのコンタクトがないからだ。筆者は、刑事告訴や刑事告発のさまざまなケースを取材したり、告発の当事者になった経験があるが、1年半にも渡って捜査機関が何の動きも示さない事件は1件もない。

三宅氏は、ツイッターで不特定多数の人々に刑事告訴を「告知」したわけだから、「中間報告」をすべきではないか。筆者に対して「捜査中」と話したわけだから、捜査状況の一部は知っていることになる。せめて告訴状を提出した捜査機関を明らかにすべきだろう。

仮に「告知」が嘘だったとすれば、逆に5人から刑事告訴されかねない立場に追い込まれる。告訴から2年になる来年の初夏あたりが忍耐の限度だろう。

2018年09月14日 (金曜日)

三宅雪子元衆議院の支援者「告訴」騒動にみるTwitterの社会病理

(本稿は、『紙の爆弾』(9月号)に掲載したルポ、「三宅雪子元衆議院の支援者「告訴」騒動にみるTwitterの社会病理」をウエブサイト用に修正したものである。)

 

「心理作戦」という戦法がある。相手に精神的なゆさぶりをかけて、自分に有利な状況を作る戦術のことである。たとえば仮病で同情を惹く。暴力団員を装って交渉を優位に進める。その中でも最近、とりわけ増えているのが、裁判提起など法的措置をほのめかして、相手を恫喝する手口である。それは著名人についても例外ではない。

2017年5月10日、1件の「告知」がインターネット上のツイッターに投稿された。

「本日、以下のアカウントに対して名誉毀損で告訴状を提出致しました。@gachktmama0113,@torch2012,@nanachan77,@makimakiia,@him_beereほか二名 私の名前を出してのツイート、家族知人、仕事先への接触を固くお断りします」

これを投稿したのは、元衆院議員の三宅雪子である。刑事告訴が事実であるにしろ、単なる「心理作戦」であるにしろ、告知に自分のアカウントがあった5人は動揺した。

三宅のツイッターのフォロワーは、約5万8000人。ツィートの拡散が繰り返されると少なくとも15万人ぐらいの人の目に「告知」が知れるだろう。

 

◆刑事告訴は事実なのか?

5人のうちのひとり主婦の新垣里美が当時の心境を打ち明ける。

「電話が鳴るたびに、警察からの連絡ではないかと緊張しました。取り調べを受けるときにそなえて、資料を準備し、説明の順序も頭の中で整理していました。たまらない心理状態でした。告知を受けた5人の中には、緊張で体調がおかしくなった人もいます」

が、警察からも検察からも連絡はなかった。2018年8月で、「告知」から15カ月になるが、告訴の真相を知る手がかりはない。新垣が続ける。

「果たして三宅さんは本当にわたしたちを警察に刑事告訴したのか、単なる脅しだったのか、今でもわかりません。」

筆者は三宅に対して、5人を告訴した理由をツイッターのDMで問い合わせた。すると夫の会社に対する嫌がらせが原因で、証拠もあるという趣旨の返信があった。しかし、「捜査中」なので取材には応じられない旨も伝えてきた。

結局、DMによる取材は受け入れられないとして、DMの公表も断ってきた。DMで筆者に伝えた内容も公式の回答ではないと言っている。

そこで7月13日、筆者は通常のメールで公開質問状を送ったが、これにも返答はなかった。筆者が質問したのは、5人に対する①告訴は事実なのか、②告訴先の捜査機関はどこか、③告訴の容疑は何か、という三点だった。

なぜ、三宅はツイッターで5人に対する刑事告訴を公表したのか?本人からは明確な回答はない。そこで筆者は、それを推測するために取材で集めた資料を再読・整理した。その結果、三宅と支援者の間にさまざまなトラブルが発生していたことが分かった。5人に対する刑事告訴は、三宅サイトからの対抗措置ではないかと疑い始めたのである。

最初に紹介するトラブルは、会社社長・山川博之が巻き込まれた例である。新垣らは、後に山川に同情を寄せるようになる。そのことを三宅はどう感じたのだろうか?

◆三宅雪子を支える会

2012年12月4日、衆院選が公示された。この日、千葉県船橋市の三宅事務所には、100人を超える三宅の支援者が顔を揃えた。その多くはツイッターでの呼びかけに応じて集まってきたボランティアの人々だった。小沢一郎の熱心な支援者でもある。三宅は2009年の衆院選では群馬4区から立候補して初当選していたが、今回は千葉4区から立候補したのである。対立候補は、首相の野田佳彦だった。

山川は公約を反故にして消費税を導入した野田を落選させたいという気持ちで、野田の対立候補だった三宅を支援することにしたのである。しかし、三宅の人間性はよく知らなかった。選挙期間中にも、三宅と言葉を交わしたことはなかった。

もちろん、後日、三宅とのトラブルに巻き込まれるとは夢にも思わなかった。
そんなこともあって三宅が落選すると、支援活動からも身を引いた。

ところが、2013年の参議院選挙の公示が近づくと、山川は三宅事務所から連絡を受けた。参院選に出馬するので選挙を支援してほしいというのだった。山川は承知して、街宣車を運転するなど、選挙運動を手伝った。

この選挙でも三宅は落選した。しかし、その後、10名ほどのボランティアで

「三宅雪子を支える会」が結成されたので、山川も引き続き応援することにした。こうして三宅との親交を深め、三宅の母が亡くなったときには、葬儀記録のカメラマンを務めるなど、熱心な支持者となったのだ。

 

◆支持者をストーカーよばわり

このころまでは、山川は三宅との関係もよかった。しかし、一方で三宅に対し不可解なものを感じていた。三宅はツイッターに熱中していて、投稿数が尋常ではなかった。そのうえツィートの内容にも首をかしげたくなるものが時々あった。山川は、これでは支援者が離れてしまうのではないかと危惧した。

実際、山川自身も三宅を支援する気持ちが急激に失っていった。そして2014年の暮れには、「三宅雪子を支える会」からも脱退した。山川と前後して会を脱退したメンバーも数人いた。

三宅がツイッターで山川を批判しはじめたのは、15年になってからだった。たとえば次のツィートは、8月20日のものである。

「(アカウントは略)葬儀でqmei99(山川のアカウント)が私の家族に興味を持ち立ち入ってきたのがストーカー行為の始まり。他人の家に土足で入ってはいけないんです。何回も何回もやめてくれと言いました」

最初は匿名だったが、qmei99をみればそれが「山川」のアカウントであることを知る人は多かった。そのうちに三宅は、「山川」という実名を名指しにしてツィートを投稿するようになった。そのため小沢支持者の間で、「山川」の知名度が一気に高まったのである。もちろん山川自身も三宅に対してツイッターで「反撃」している。不穏当な投稿もあった。

三宅から刑事告訴の告知を受けた新垣ら5人が、ネット上で山川の存在を知ったのは両者の「炎上」始まってからだった。5人は山川に同情して、山川に肩入れしたツィートを投稿するようになる。5人とも熱心な三宅支持者だったが、支援からも遠ざかった。三宅に対する認識を改めたのだ。

◆勤務先に送付された怪文書

山川がトラブルに巻き込まれた2015年、三宅を柱としたもうひとつの「炎上」がネット上で同時進行していた。会社員・長谷川洋一が巻き込まれた事件である。この事件にも、新垣ら5人が巻き込まれており、三宅に悪感情を抱かせる一因になったかも知れない。刑事告発の根底にある第2のトラブルかも知れない。

東京地裁に保管されている長谷川が三宅に対して起こした裁判の記録によると、長谷川は2012年の衆院選で、ボランティアとして三宅の選挙運動に参加した。長谷川はその後も、三宅の支援団体「支えあう社会を実現する会」の代表を務めるなど、熱心に三宅を支援した。

ところが、その長谷川も前出の山川と同様に三宅と決別することになる。長谷川の陳述書によると、長谷川は三宅と山川の「炎上」を円満に解決するために、生活の党の仲介を求めるなど、山川を救援する行動を取った。それが原因だったのかどうかは不明だが、三宅は長谷川のツイッターをブロックしてしまった。

三宅に対する支援活動は、2013年の参院選で三宅が落選した後、終了していたが、これにより長谷川は、三宅のツイートさえ見られなくなったのだ。そこで三宅と決別したのである。

しかし、それで長谷川が平穏な生活を取り戻したわけではない。事件は新たな展開をみせる。インターネット上の火花だけではすまなくなったのだ。
長谷川の勤務先であるKKM株式会社(仮名)に、三宅の支援者である乾信二という男性から、一通の怪文書が送付されたのである。

◆「非通知でお電話してくださいませんか?」

この怪文書は、長谷川ら複数の者が「徒党を組んで毎日欠かさず」三宅を誹謗中傷していると述べていた。

長谷川については、

「元々は三宅雪子氏の熱烈な支援者でありました」、

「今年のある時期を以て、長谷川氏は態度を豹変させ、三宅雪子氏を攻撃する人物に変身してしまいました。その原因については、部外者の私には分かれかねます」、

「長谷川氏のようなチンピラまがいの社員が在籍することは、■(文字不明)に残念でなりません」

などと述べている。さらに乾は、KKM株式会社が長谷川本人を事情聴取することや、長谷川を懲戒することを要求している。

この事件を調べる中で筆者は、ある人物から貴重な情報を入手した。北海道に在住する衣笠毅である。衣笠は、一貫した小沢支持者で70才を超えたいまも、その信念にゆるぎはない。衣笠は年金の中から、三宅に個人献金をしていた。と、言うのも、ツイッター上の「炎上」を見ていて三宅の方がむしろバッシングされていると感じたからだ。

その衣笠の所へ、三宅からツイッターのDMが届いた。

「お願いがあります。KKM株式会社に偽名、非通知でお電話してくださいませんか?近く、長谷川氏、謝罪に追い込めそうです。もう会社は、把握しています。番号、03-■■33-0■2■(代)総務ヤギ(仮名)さん。ただ、長谷川洋一マネージャーの嫌がらせをやめさせて欲しいというだけ」

もちろん衣笠は電話しなかった。衣笠も三宅から距離を置き始めた。すると三宅は、ツイッターで衣笠の実名を暴露して罵倒するようになった。次のような調子だ。

「衣笠さんに、精神的にレイプされたんですよ。何回も何回も、名前呼び捨て、事実未婚(ママ)のデマ。精神的にレイプされたんです。何の弁明もさせてもらえなかった」

◆2件の起訴猶予

実は、ここに登場した山川、長谷川、それに衣笠の3人の男性は、いずれも三宅に対して堪忍袋の緒が切れて、法的措置を取っている。このうち山川と衣笠は、刑事告訴に踏みきり、いずれも起訴猶予を勝ち取っている。「猶予」であるから、起訴すれば、三宅が有罪になる可能性が高い。

山川は、刑事告訴に加えて民事訴訟も起こしている。三宅が山川に対して民事訴訟を起こしたのに対抗した提訴である。

一方、長谷川は、三宅と彼女の支援者である乾に対して民事裁判を起こした。勤務先に怪文書を送付されたり、ツイッターで名誉を毀損されたというのが、長谷川の主張である。三宅は、法律がらみのさまざまなトラブルに巻き込まれたのである。しかも、三宅を提訴したり告訴したのは、熱心な元支援者だった。

長谷川が起こした裁判が始まってまもなく新垣里美らは、乾から相談を受けた。乾は、裁判の経験がなく激しく動揺していた。新垣は、乾が気の毒になった。そこで対策に乗りだした。

新垣は数人の仲間を誘って、長谷川に乾と和解するように説得しはじめた。その結果、乾が長谷川に30万円の解決金を支払うことなどで、両社間の和解が成立した。こうして乾は裁判の舞台から降りて、三宅とも決別したのだ。アカウントも閉じた。三宅は、熱心な支援者をまたひとり失ったのである。

◆ツイッターの社会病理

2017年5月10日に、三宅からネット上で刑事告訴を「告知」された5人は、三宅の「敵」である山川に加勢したり、乾を救済するために、やはり三宅の「敵」である長谷川と接触したメンバーなのである。

こうした新垣らの「支援活動」に対抗して、三宅も5人を刑事告訴し、ツイッターで告知したという推測は、一応、成り立つ。

ただ、その刑事告訴そのものが事実かどうかは分からない。告訴から15カ月が過ぎても、捜査機関から新垣らに連絡がないという異常事態が続いている。

双方のツィートの名誉毀損性をどう評価するかは、多様な見方があり単純に白黒を付けるわけにはいかないが、筆者が問題にしているのは、むしろ「議論」がネットの枠を超えて、事件にエスカレートしている事実である。怪文書の送付から非通知の偽電話の工作依頼まで尋常ではない行動に出ていることだ。

5人は、今後も捜査機関からの呼び出しに備えなければならない。それは残忍な心理的拷問にほかならない。仮に三宅による刑事告訴が虚偽であれば、元国会議員による前代未聞の恫喝事件になるが、その答えが出る日は見通せない。

キーボードを弾くだけで頭に閃いた言葉が文字になり、不特定多数の人々にあっという間に発信されてしまう。それがどんな展開になるのかを想像できない。感情の先行。熟慮の欠落。言葉のハンマーが繰り返し振り下ろされ、人間関係を破壊していく。これがネット社会が生み出した闇と社会病理ではないだろうか。

2018年08月13日 (月曜日)

広がる訴権の濫用、三宅雪子氏による刑事告訴には十分な根拠があったのか?

裁判や告訴などの法的手段の提起をほのめかして相手を「恫喝」する行為が増えている。こうした行為を広義には、スラップと呼んでいるが、厳密には、訴権の濫用である。

ちなみに、スラップ(Strategic Lawsuit Against Public Participation)とは「公的参加に対する戦略的な訴訟」のことである。公害など公共性のある問題に取り組んでいる個人やグループなどに対して、対抗措置として提起される訴訟のことだ。

それゆえに私的な問題を理由に「嫌がらせ裁判」を起こす行為(訴権の濫用)とは区別しなければならない。

最近、急増しているのが、その「嫌がらせ裁判」である。しかも、弁護士に依頼するのではなく、本人訴訟で起こすケースが増えている。筆者は、この問題を数年前から取材しているが、提訴の根拠が希薄なものが非常に多い。権利を回復するために裁判を起こしているというよりも、裁判そのものをゲーム感覚で楽しんでいるのも特徴だ。自分が弁護士にでもなったような気分に浸っているのである。

しかも、名誉毀損裁判の場合、原告が圧倒的に有利な法理になっているので、簡易裁判所で提訴すると、ほんの数回の審理で判決が下り、原告が10万円、20万円といった「こずかい」を手にしたりする。カジノよりも、こちらの方が勝率が高い。

もちろん多忙な人は、こうした訴訟を起こす余裕などない。この種の裁判の原告になっているのは、たいてい法律家を自称する老人や、仕事がないフリーランスの人である。

筆者も、国際派の歌手で作家の八木啓代氏から、本人訴訟を起こされたことがある。結果として仕事を妨害された。

歌手・八木啓代氏が起こした裁判、黒薮・志岐が勝訴、訴権の濫用を視野に損害賠償請求の反訴へ

◇刑事事件のハードルは高い

日本は訴権が重視される国なので、恫喝裁判に対して訴権の濫用で反訴しても、裁判所が提訴自体を違法と判断することはほとんどない。筆者が調べたところでは、訴権の濫用が認められたケースは過去に3件しかない。幸福の科学事件、武富士事件、ソーラーパネル設置事件の3件だ。

これらのケースで、訴権の濫用が認められたのは、提訴の根拠が不十分だったからである。あるいは勝訴できる見込みがまったくないのに、提訴に及んでいたからである。

三宅雪子氏が5人の元支援者を刑事告訴した事件がネット上で話題になっているが、筆者は、この事件は重大な問題を孕んでいると考えている。5人(匿名の人を含めると7人)の起訴を求めるだけの十分な根拠があったのかどうかという点である。

刑事事件の受理・起訴のハードルは極めて高い。常に冤罪の恐れがあるからだ。当然、弁護士も告訴には慎重だ。冤罪事件を起こせば、懲戒請求を受けて、自分が失職するリスクもあるからだろう。

三宅雪子氏は訴権の濫用が広がる時代の空気の中で、今回の刑事告訴に及んだようだ。この事件で、落合洋司弁護士が、本当に三宅氏の代理人を務めているのか、筆者は強い疑いを持っている。

2018年08月09日 (木曜日)

「紙の爆弾」9月号に三宅雪子に対する批判記事を掲載、「三宅雪子元参院議員“告訴”騒動にみるツイッターの社会病理」

7日に発売された『紙の爆弾』(9月号)に黒薮が執筆したルポが掲載された。タイトルは、「三宅雪子元参院議員“告訴”騒動にみるツイッターの社会病理」。これはツイッターの社会病理を考える記事の第一弾である。

 このルポで取りあげている刑事告訴が虚偽であれば、大変な恫喝事件ということになるだろう。たとえ告訴そのものが事実であるにしろ、告訴の十分な根拠があったのかどうかが問われる。

 冒頭の部分を紹介しよう。

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「心理作戦」という戦法がある。相手に精神的なゆさぶりをかけて、自分に有利な状況を作る戦術のことである。たとえば仮病で同情を惹く。暴力団員を装って交渉を優位に進める。その中でも最近、とりわけ増えているのが、裁判の提起など法的措置をほのめかして、相手を恫喝する手口である。それは著名人についても例外ではない。

2017年5月10日、一件の「告知」がインターネット上のツイッターに投稿された。

「本日、以下のアカウントに対して名誉毀損で告訴状を提出致しました。@gacktmama0113,@torch2012,@nanachan77,@makimakiia,@him_beereほか2名 私の名前を出してのツイート、家族知人、仕事先への接触を固くお断りします」

これを投稿したのは、元衆院議員の三宅雪子である。刑事告訴が事実であるにしろ、単なる「心理作戦」であるにしろ、告知に自分のアカウントがあった5人は動揺した。

三宅のツイッターのフォロワーは、約5万8000人。ツィートの拡散が繰り返されると少なくとも15万人ぐらいの人の目に「告知」が知れるだろう。

5人のうちのひとり主婦の新垣里美(仮名)が当時の心境を打ち明ける。

「電話が鳴るたびに、警察からの連絡ではないかと緊張しました。取り調べを受けるときにそなえて、資料を準備し、説明の順序も頭の中で整理していました。たまらない心理状態でした。告知を受けた5人の中には、緊張で体調がおかしくなった人もいます」

が、警察からも検察からも連絡はなかった。2018年8月で、「告知」から15カ月になるが、告訴の真相を知る手がかりはない。新垣が続ける。【続きは、『紙の爆弾』】

 

【参考記事】三宅雪子・元衆議院議員のツィキャスでの言動について、事実とは著しく異なる情報をふりまく、訂正放送を要求

2018年07月17日 (火曜日)

三宅雪子・元衆議院議員のツィキャスでの言動について、事実とは著しく異なる情報をふりまく、訂正放送を要求

三宅雪子という元衆議院議員をご存じだろうか。彼女のツイッターによると、次のような経歴である。

 反原発・富の再分配・福祉の充実・困窮者救済 ・食の安保・表現規制反対・国民投票に備える!穏健派リベラル。デマ&パクツイ研究家 非正式引用(スクショ)お断り。ネット無料相談中。■出典

◇事件の概要

筆者が取材している三宅氏関連の事件の概要を説明しておこう。

2017年5月10日、午後5時59分、三宅氏は次のような「告知」をインターネット上のツィッターに投稿した。

「本日、以下のアカウントに対して名誉毀損で告訴状を提出致しました。@gachktmama0113,@torch2012,nanachan77,@makimakiia,@him_beereほか二名 私の名前を出してのツイート、家族知人、仕事先への接触を固くお断りします」

「告訴状」とあるから、刑事事件である。名誉毀損の刑事事件で5人を告訴したのである。告訴先は記されていないが、警察か検察である。

これら5人は、かつては三宅氏の熱心な支援者だった。ツィッターなどネット上で、三宅氏と「議論」していた。

5人は、捜査機関から呼びだされることを覚悟して、不安な日々を送っていた。籠池夫妻が長期拘留されていた時期とも重なり、豚箱に入った自分を想像して精神的な苦痛を強いられ、体調を崩す人も出た。

しかし、告訴からまもなく15カ月になる現在も、捜査機関からの5人に対する出頭要請はない。どの捜査機関がこの事件を扱っているのかも分からない。

筆者は、第3者を介してこの事件を知り、取材をはじめた。当然、三宅氏も取材の対象になる。そこで最初にツイッターのDMを使って三宅氏に接触した。

これに対して三宅氏は、7月11日の深夜にみずからが主宰するツィキャスで、わたしの取材申込みの件に言及した。

そのツィキャスの内容と事実が大きく異なっている。

また、この件に関して、三宅氏は事実とは異なる内容のツィートを繰り返している。

三宅氏は、数日にわたり自分のツィッターのタイトルを「三宅雪子(黒薮哲哉氏の掲載ありきのやり方に抗議します)に変更して、あたかも筆者が取材せずに記事を書こうとしているかのような印象を拡散した。

さらに別のツィッターでは、「『こわいものしらず』黒薮哲哉氏の掲載ありきの取材に抗議します」というタイトルを付し、事実とは異なる情報を拡散している。次のツィッターである。

  ■「こわいものしらず」黒薮哲哉氏の掲載ありきの取材に抗議します」

三宅氏のフォロアーは、約5万8000人。これを拡散すると少なくとも、15万人から、20万人の読者に、筆者が取材しないライターであるような印象を与えている可能性がある。

◇何が事実と異なるのか?

三宅氏のツィキャス上での発言と事実はどう異なるのか、何点か例を上げてみたい。

筆者は三宅氏とは面識がなく、最初の手段として、ツィターのDMを使った。その中で、対面取材も申し入れている。DMだけで取材しようとしたわけではない。

これに対して、三宅氏は、落合洋司弁護士と同伴でもいいかと、尋ねてきた。結構だと答えると、落合弁護士とは連絡がつかない、と逃げの姿勢に入った。
そこで筆者は、自分の携帯電話の番号を教え、落合弁護士に知らせるようにお願いした。三宅氏は、これを拒否した。

そこで筆者は、11日に落合弁護士に電話した。留守だったので、要件を伝えた。内容は、取材に応じていただきたいこと、落合氏が三宅氏の代理人でないのであればこの伝言は無視してもらってもかまわないことの2点。落合弁護士からは、連絡がなかった。

三宅氏は、MDでの取材は認めないとの事だったので、三宅事務所宛に次のようなメールを送付した。

 黒薮哲哉です。
 取材の件です。三宅さんは、DMメールでの回答は認めないという立場のようなので、普通のメールで再度
質問させていただきます。

 【質問】5人の元支援者を刑事告訴された件につきお尋ねします。
     告訴の原因は何でしょうか。どのような内容なのでしょうか?

このメールは、念のために同日に再送している。

さらに、15日には、公開質問状を三宅事務所宛に送付している。

 三宅様

 たびたびすみません。三宅さんの本日のツイッターを見ました。誤解があるので、お伝えしておきます。記事は「紙の爆弾」の次号に掲載されます。従って、わたしとしては、取材を希望しています。少なくとも次の3点についてだけでも、教えていただけないでしょうか。

①5人を刑事告訴したのは事実か。

②本当に告訴したのであれば、どこの警察署、あるいは地検なのか。

③何を根拠とした告訴なのか?

質問状は、公開を前提にしております。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こうした取材の手続を踏んでも、三宅氏は、ツイッター上で、わたしの取材に関して、事実とは異なるツィートを続けた。たとえば15日には、次のような投稿をしている。

自分で取材を拒否していながら、「取材しろ」と言っているのだ。

◇せめて告訴先の捜査機関だけでも分かれば・・・

取材せずに記事を書いているという誤った情報が拡散されると、今後、取材活動そのものが出来なくなる。ライターにとっては致命傷である。その意味で、今後、三宅氏には、訂正放送と訂正ツィート、それに謝罪を要求することになる。

なお、事件そのものは調査中なので、現時点では言及しない。内部告発も次々と寄せられ、その中には、三宅氏が過去に少なくとも2度、刑事事件で起訴猶予の処分を受けているとの情報がある。これに関しては事実の確認が取れた。

起訴猶予処分とは、罪は認定するが、起訴しないという処置である。

メディア黒書は、裏付けが取れないことは報じない。

刑事告発された5人のかたの心痛は、頂点に達しているようだ。通常、告訴人は、事件が重大なものであれば、記者会見を開いて告訴内容を公開するものだが、この事件では告訴人は、取材を拒否している。守秘義務があるのは、捜査機関であって、当事者ではない。

せめて告訴先の捜査機関だけでも分かれば、5人の方は、自分でそこへ問い合わせ、弁護士を介して進捗を知ることができるのだが、その手段も断たれているのだ。

かりに刑事告訴がまっかな嘘であれば、三宅氏は恫喝事件を起こしたことになる。国会への復帰は難しくなるだろう。日本の政治家のレベルを知るためにツィキャスの一部ではなく、全部を見てほしい。

■問題のツィキャス

※リンクしていたツィッターがロックされたので、暫定的に削除しました。

 

【写真】ツィキャス中の三宅雪子氏