1. 大手広告代理店

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2017年05月08日 (月曜日)

内閣府の「昭和の八百屋」レベルの手作り請求書、黒塗りになった政府広告の掲載費を全国73の新聞社に問い合わせたが・・

先月27日に、全国の新聞社73社に対して、筆者はある問い合わせを行った。問い合わせの内容は、内閣府が昨年、黒塗りにして開示した博報堂からの請求書(政府広告の掲載料を請求したもの)の金額明細のうち、自社に該当する部分を開示するようにお願いするものだった。

しかし、5月8日の段階でどの新聞社からも回答がない。国会予算の受取額を開示できないということらしい。

発端は、昨年の夏だった。筆者は、内閣府に対してある情報公開請求を行った。請求内容は、2015年度に広告代理店が内閣府に送付した見積書、契約書、それに請求書の3点の全部を開示するように求めたものである。

内閣府は開示に応じた。そこで開示されたものを精査したところ、内閣府が博報堂との間で交わした「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広報テーマの広報実施業務等」と題するプロジェクトの契約書と請求書に次の疑問点があることが分かった。

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2017年05月07日 (日曜日)

NHKの電通・高橋まつりさん報道の裏面、公共放送としての「公正・中立」の看板に要注意

TBSテレビ の出身で参議院議員の杉生秀哉氏が、2月7日に日本ジャーナリスト会議などが主催した講演で、NHKについて次のように述べている。

「NHKニュースについては、国会審議もその日の主なテーマが憲法問題であっても、NHKは憲法問題は取りあげずに、どうでもいいニュースをしている。しかも、質問者の音声は放映せず、答弁者のみです。
 安倍首相が余裕しゃくしゃくと答弁しているように編集されています。」

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2017年05月02日 (火曜日)

テレビ局の不正にメスを入れない総務省・高市総務大臣の弱腰、金銭がらみ・ビジネス上の不正に対しては処罰が当然

電波政策を担当しているのは総務省である。その総務省に放送局を監督する能力はあるのだろうか?

2016年2月8日の衆議院予算委員会で、民主党の奥野総一郎議員の質問に答えるかたちで、総務省の高市早苗大臣は、次のように発言している。放送事業で不正行為が行われていた場合、総務省が「行政指導」することもありうるといのである。

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2017年04月28日 (金曜日)

安倍昭恵・晋三夫妻が環境省の広報ポスターにみずから登場、博報堂が制作、背景にクールビズの巨大な企業利権

安倍晋三夫妻が地球温暖化防止の政府広報ポスターにみずから登場していたことを、読者はご存じだろうか。制作したのは博報堂で、制作を依頼したのは環境省である。地球温暖化防止のPR活動の一端である。

筆者がこれを知ったのは、民進党(旧民主党)の末松義規議員の国会質問を過去にさかのぼって調べていた時である。2007年ごろ環境省が3年間で約90億円のPR業務を博報堂に発注していた問題などを追及した国会質問の議事録のなかで、首相夫妻が登場したポスターの存在を知ったのである。

末松議員の質問に答えて、政府参考人は次のように答弁している。

「ポスターにつきましては、総理が先頭に立ってやっていただくわけですが、今回のアイデアが、特に家庭における省エネで電球等の買いかえでございます。そういった観点から、主婦の方にご理解いただきたいということで、私どもから官邸にお願いして、ご婦人にも御出演いただいたわけでございます」

■末松議員の国会質問議事録(2ページ目の後半部分)

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2017年04月26日 (水曜日)

博報堂発行のインボイスナンバー不在の請求書、内閣府から中央省庁へ拡大、会計監査を受けているのかを博報堂へ質問

博報堂が内閣府と中央省庁に対して発行してきたPR業務に関する請求書にインボイスナンバー(コンピューター制御により、見積書や請求書に印字されるナンバー)が欠落している問題の続報である。既にのべたように、インボイスナンバーが付番されていない事実は、コンピューター制御の下で経理処理が行われていない可能性を示唆する。

会計システム監査の専門家によると、インボイスナンバーの不在は不正の温床にはなるが、違法行為ではないし、不在になっていても経理処理はできるという。

しかし、インボイスナンバーを付番して経理処理した方がはるかに合理的であることはいうまでもない。事実、個人業者は別として、大企業はほぼ全面的にインボイスナンバーを使って経理処理している。わざわざそれを不在にして、経理処理する合理的な理由がまったくないからだ。

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2017年04月24日 (月曜日)

内閣府の黒塗り請求書問題、「国家予算」を受け取った全新聞社・テレビ局へ質問状送付

内閣府が博報堂と契約したプロジェクト「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広報テーマの広報実施業務等」の請求書がほとんど「黒塗り」で開示された件は、メディア黒書で繰り返し報じてきたとおりである。

■黒塗りの請求書

「黒塗り」が原因で、各新聞社や各テレビ局が受け取った広告費、あるいは放送料の金額が分からない。つまり国家予算の使い方が不明瞭になっている問題がある。

しかも、請求書にはインボイス・ナンバーが付番されておらず、会計監査やシステム監査の対象外になっている可能性もあるのだ。個人事業者がインボイス・ナンバーが付番されていない請求書を発行することはあっても、博報堂のような大企業がインボイス・ナンバーのない請求書を発行するのは尋常ではない。その理由も説明されていない。博報堂の監査法人であるあずさ監査法人も取材を拒否している。

この件についてこれまで何度か内閣府と話し合ったが、やはり内閣府の方針は変わらない。黒塗り部分の開示は行わない方針だ。インボイス・ナンバーが付番されていない明確な説明もしていない。

そこで筆者は次の取材戦略を採用することにしたので、読者にお知らせしたい。博報堂を通じて「国家予算」を受け取ったすべての新聞社とテレビ局に対して、「黒塗り」部分の金額を開示するように求めるのである。近々に請求書の実物と質問状、それにプレスリリースを送付する。

回答につてはメディア黒書で随時公開していきたい。

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2017年04月17日 (月曜日)

博報堂、国勢調査告知で「間引き」疑惑…国から受注の契約回数満たさぬまま満額請求か

 ビジネスジャーナルが博報堂と総務省の癒着を示す記事を掲載した。タイトルは、「博報堂、国勢調査告知で『間引き』疑惑…国から受注の契約回数満たさぬまま満額請求か」。

  国勢調査の政府広告(新聞広告による告知)の半分以上を掲載せずにお金(国家予算)を取っていた疑惑について書いたものである。以下、ビジネスジャーナルの記事である。

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国勢調査は、国のもっとも大がかりな統計作成のための全数調査で、原則として5年に1度行われる。調査対象は国内の人口、世帯、産業構造などである。

この国勢調査に絶対に欠くことができないのが全戸に向けた告知なのだが、これを担当していた大手広告代理店の博報堂が、新聞広告(政府広報)による告知を大幅に「間引き」していた疑惑が浮上している。

2015年4月1日、総務省統計局長(当時)・井波哲尚氏は、博報堂の戸田裕一社長との間で「平成27年国勢調査の広報に関する総合企画」というタイトルの契約を交わした。それによると、一式(延べ回数にして25本)の新聞広告を制作・配信する取り決めになっていたが、博報堂が制作・配信したのは、12本だけだった。にもかかわらず、博報堂は25本分に当たる全額を請求していた。【続きはビジネスジャーナルで】

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2017年04月07日 (金曜日)

博報堂が防衛省へ送付していた「手作り」の請求書、請求書番号が欠落、振込み先銀行も秘密

防衛省に対して博報堂が発行している請求書の中には、極めてずさんなものが見受けられる。

通常、博報堂ぐらいの大企業になると、社のロゴが入った請求書の書式を使うものだが、ワードで作成されたとしか思えない請求書があるのだ。不思議なことに肝心の請求書番号(インボイス・ナンバー)も刻印されていない。

従ってコンピューターを使った正規の会計システムから除外されたところで、経理処理されている可能性が高い。これが筆者のように「個人業者」が発行した請求書ならわかるが、大企業のレベルになると普通ではない。

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2017年04月06日 (木曜日)

週刊新潮が共産党・清水隆史議員の国会での「押し紙」追及を記事に

本日発売(6日)の『週刊新潮』が、3月30日に共産党の清水忠史議員が衆議院・消費者問題特別委員会で取り上げた新聞社の「押し紙」問題についての質問を記事にしている。筆者(黒薮)もコメントを出している。

記事のタイトルは、「国会で白日の下に晒された『朝日新聞』押し紙は何割か?」。朝日の他にも、佐賀新聞や毎日新聞のケースも取り上げられている。

清水議員が指摘した朝日新聞販売店の「押し紙」は、約30%である。筆者が入手している複数の資料でも3割程度なので、この数字は朝日の「押し紙」の規模を推測する一応の目安になるだろう。

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2017年04月05日 (水曜日)

社印が欠落した放送確認書の存在が明らかに、テレビCM「間引き」の未熟な防止策

博報堂事件の原点は、博報堂とアスカコーポレーションの係争を取材したことだった。昨年の秋から、筆者の取材対象は、博報堂と内閣府を含む中央省庁のPR業務に移っているが、依然として、前者についての情報も寄せられている。特にテレビCMの中抜き疑惑に関する情報が多い。

テレビCMが放送されるとコンピューターシステムが作動して、自動的に放送確認書に10桁CMコードが記録される。これがテレビCMを放送したことを立証する唯一の証明書になっている。

1990年代にテレビCMの間引きが多発して問題になった。そこで民放連や広告主協会などの業界団体が共同で対策に乗りだし、2000年からコンピューターシステムによる監視体制を導入したのである。

その後、CMの中抜きは皆無ではないにしろ、ほとんど無くなったといわれている。ところが博報堂とアスカコーポレーションの係争の中で、10桁CMコードが放送確認書に印字されていないものが、1505件も発覚したのである。そのうちの879件は、博報堂が50%の株式を有するスーパーネットワークという衛星放送局のものだった。

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2017年04月03日 (月曜日)

『ZAITEN』と『ジャーナリスト』が請求書に見る博報堂の不正経理疑惑を報道

3月の後半から4月にかけて発表された博報堂と内閣府の公共事業に関する記事を2件、紹介しよう。いずれも不正経理疑惑がテーマとなっている。

◇『ZAITEN』

『ZAITEN』(財界展望、4月1日) は、「博報堂が内閣府に差し出す『有り得ない請求書』」と題するレポートを掲載している。執筆は、元博報堂の社員で作家の本間龍氏である。

このレポートでは2つの問題が指摘されている。まず、2015年度に博報堂が内閣府に請求した「構想費」6700万円の中身である。ここで意味する「構想」とは、「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広報テーマの広報実施業務等」と呼ばれるPRプロジェクトの中身の構想である。具体的には、どのような戦略でどのようなPR戦略を進めるかという構想である。厳密に言えば、その他に若干の制作(30秒の動画2本とプレスリリース)が含まれているが、大半はアイディアに対する請求だ。

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2017年03月31日 (金曜日)

総務省の裏金疑惑、見積書は不存在、2015年度の「放送確認書については、履行確認が終了し、処分した」

総務省が2015年に実施した国勢調査のPR事業で、博報堂が契約した本数の新聞広告(政府広報)をまびきしていた疑惑で新たな展開があった。

この事件は、本来は延べ25本の新聞広告を掲載する契約になっているにもかかわらず、12本しか掲載されていなかったというものである。博報堂も総務省もこの事実を認めている。

ところが契約書に次の条項があり、それを根拠として総務省は、契約は履行されていると主張している。

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2017年03月29日 (水曜日)

児童ポルノとの批判があった博報堂制作の「うなぎのうな子」の制作費は300万円

博報堂九州支社が鹿児島県志布志市の「ふるさと納税」のPRとして制作し、ネット上で児童ポルノではないかとの批判を受けたユーチューブ動画の制作費が、300万円(見積書による)にもなっていたことが分かった。

筆者が志布志市に対して行った情報公開請求で入手した「ふるさと納税メディアミックス業務委託」の契約書によると、このプロジェクトの総額は5999万9400円。動画の制作費は1本につき300万円である。

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