1. 博報堂発行のインボイスナンバー不在の請求書、内閣府から中央省庁へ拡大、会計監査を受けているのかを博報堂へ質問

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2017年04月26日 (水曜日)

博報堂発行のインボイスナンバー不在の請求書、内閣府から中央省庁へ拡大、会計監査を受けているのかを博報堂へ質問

博報堂が内閣府と中央省庁に対して発行してきたPR業務に関する請求書にインボイスナンバー(コンピューター制御により、見積書や請求書に印字されるナンバー)が欠落している問題の続報である。既にのべたように、インボイスナンバーが付番されていない事実は、コンピューター制御の下で経理処理が行われていない可能性を示唆する。

会計システム監査の専門家によると、インボイスナンバーの不在は不正の温床にはなるが、違法行為ではないし、不在になっていても経理処理はできるという。

しかし、インボイスナンバーを付番して経理処理した方がはるかに合理的であることはいうまでもない。事実、個人業者は別として、大企業はほぼ全面的にインボイスナンバーを使って経理処理している。わざわざそれを不在にして、経理処理する合理的な理由がまったくないからだ。

◇内閣府から中央省庁へ疑惑拡大

当然、コンピュータ制御の会計システムを持っている企業がインボイスナンバーを故意に不在にした請求書などを発行した場合、会計監査やシステム監査を故意に回避している疑惑が浮上する。と、なれば収入を税務署に申告していない可能性もある。

現時点で明らかになっているインボイスナンバーが不在の請求書が発見されているのは、内閣府と次の省庁である。

内閣府
農林水産省
防衛省
文部科学省
環境省
復興庁

このうち防衛省については、インボイスナンバーは印字されているが、書面がおそらくワードで作成されており、ナンバーも手打ちで、おそらくコンピュータ制御システムの下で発行されたものではない。

次に示すPDFは、請求書の例である。最初の厚生労働省のものは、インボイスナンバーもロゴも入った博報堂の通常の請求書である。以下、農林水産省、防衛省、文部科学省、環境省、復興庁の順。いずれもインボイスナンバーは入っていない。書式も、おそらくはワードである。

■インボイスナンバー不在の請求書

今後、筆者は地方自治体や第3セクターについても調査する。

◇博報堂へ質問状

この問題について念のために、博報堂へ次の質問状を送付した。

 お世話になります。
 フリーライターの黒薮哲哉です。

 お尋ねしたいことがありご連絡させていただきました。
 内閣府をはじめ中央省庁へ貴社がこれまで送付されました各種の請求書に、インボイス・ナンバーが欠落しているものが多量にあります。会計監査、システム監査を受ける場合、インボイス・ナンバーが欠落していれば、システム上は監査が受けられないと思いますが、どのような処理をされているのでしょうか。また、なぜ、公的機関に対する請求書ではインボイス・ナンバーを付番されないケースが多量にあるのでしょうか。