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2019年05月22日 (水曜日)

NHKの怪番組「これでわかった!世界のいま」、「学校」のセンセイを絶対視する昔の価値観が根底に

なんともいやらしく鳥肌が立ちそうな番組だ。NHKが毎週日曜日の午後6時から放送している「これでわかった!世界のいま」という番組を、読者はご存じだろうか。世界の時事問題を初心者むけに解説する番組で、スタジオ設定がなんと学校の教室になっているのだ。

学校のセンセイの役を務めるのは、たいていNHKのデスクと呼ばれる人々だ。企業でいえば部長さんだ。

1回の放送で通常3件のテーマを取り上げるのだが、その区分が、「1時間目」、「2時間目」、「3時間目」になっていて、「授業」はチャイムと共とに終了する。まさに学校そのものなのだ。

なぜか、日本のテレビには、「先生」や「学校」がよく登場する。東進予備校の林修センセイ。東大生もクイズ番組によく登場する。奇妙な知識偏重主義があるのだ。「歩く百科事典」を好む。

授業でセンセイがでたらめを話しているわけではない。しかし、池上彰氏とおなじ路線であることは間違いない。ステレオタイプの域をでないのだ。また、それをはみ出すテーマ自体が扱われない。

参考記事:やっぱり歪んでいる池上彰氏のニュース解説、英国の元首相・サッチャーの新自由主義「改革」を評価する愚

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2019年05月15日 (水曜日)

進む天皇の政治利用とメディア、加熱する皇室報道の背景に何があるのか?

マスコミ報道によると、14日、天皇が安倍首相から、「内奏」を受けた。
「内奏(ないそう)」とは、ウィキペディアによると、「天皇に対して国務大臣などが国政の報告を行うこと」である。

天皇が国政に関与することは、過去の戦争犯罪に鑑みて、日本国憲法で禁じられているはずだが、堂々と「内奏」が行われ、メディアが批判的な視点を提供しないまま、徳仁天皇と安倍首相の「会談」を報じている。たとえば、朝日新聞は、「天皇陛下、即位後初めて首相の内奏受ける」というタイトルで次のような短い記事を掲載している。

天皇陛下は14日、皇居・宮殿で、安倍晋三首相から内奏を受けた。即位後初めてで、宮内庁が写真を公開した。

陛下は即位した今月1日、宮内庁幹部の人事について、菅義偉官房長官から内奏を受けていた。14日は宮殿・鳳凰の間で午前10時から行われた。内奏は、首相や閣僚が一対一の場で、所管する事柄を説明するもの。内容は明らかにされない。■出典

「内奏」が行われたことは事実であるから、報道そのものは当たり前だが、問題は、事実をたれ流しているだけで、何の批判もしていないことだ。こうした報道では、「内奏」が当たり前のこととして受け入れられてしまう。一種の洗脳状態が、国家規模で生まれかねない。

「令和」への改元を機にして、天皇を国家元首に据えた体制の構築が進んでいる。このプロセスに関与しているのが、マスコミである。皇室の政治利用という視点を欠いたまま、皇室報道へ走っているのだ。

ちなみに、「大嘗祭(だいじょうさい)」で使う米を収穫する都道府県を決める際に、「亀卜(きぼく)」という占いが行われ、その道具を宮内庁が公開したニュースも大々的に報じられたが、「占い」はまったく科学的な根拠がない。こんなものを公共の電波を使って、無批判に垂れ流していること自体が考えものだ。日本人の思考の形態を、「観念論」で染め上げる意図があるのではないか。

◇ヘイトスピーチの政治利用

こうした流れたと平行して進んでいるのが、国家や地方自治体が国民の行動規範を、法律や条例によって強制する波である。もちろんその背景には、国民のモラルが相対的に低下している事情があるのだが、客観的に見れば、公権力が国民のモラル低下を逆手に取って、「規制」の口実にしているのである。【続きはウェブマガジン】

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個人崇拝が盛んな東アジアの2つの国と2つのメディア、朝鮮と日本、朝鮮中央テレビとNHK

東アジアに国民性とメディアが類似した2つの国がある。朝鮮と日本である。朝鮮では金正恩・朝鮮労働党委員長が絶大な人気をはくし、日本では5月1日に即位したばかりの徳仁天皇が絶大な人気をはくしている。彼らの人気を演出しているのは、朝鮮では朝鮮中央テレビであり、日本ではNHKである。他のマスコミも同じような個人崇拝をあおる報道で追随しているが、韓国中央テレビとNHKはそれが際立っている。

日本は、現在は議会制民主主義の国家であるが、1945年の敗戦までは、軍事独裁国家だった。『中国新聞』(4月19日)に掲載された著名な政治学者・渡辺治氏の「憲法との矛盾広がった 象徴天皇制と民主主義」と題する評論によると、戦争で天皇制国家が暴走したので、同じ過ちを繰り返さないように、憲法により天皇の権限を限定して、政治には関与しない体制にしたのだという。渡辺氏は、次ように述べている。

日本国憲法が天皇を象徴にしたのは、政治の全権力を天皇が握った明治憲法下で、植民地支配、侵略戦争が繰り返されたのを反省してのことだ。戦争の遂行に関して天皇は、議会はおろか内閣の意も聞かずに軍部の「輔翼」の下、事を進めることができた。これが、あの悲惨な戦争をズルズルと引き延ばし、日本人も含めアジアで2千万人といわれる命を奪った原因であった。

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2019年04月26日 (金曜日)

議院大阪12区の補選、宮本たけし候補の敗因は、野党共闘とカウンター運動とTVドキュメンタリー

衆議院の大阪12区の補欠選挙で、宮本たけし氏が大敗した。宮本氏は、共産党を離れて、「野党共闘」の候補として立候補したのだが、接戦どころか他の候補にまったく対抗できなかった。

1 藤田文武 :日本維新の会 新 35,183 票
2北川晋平: 自由民主党 新 27,898 票
3たるとこ伸二: 無所属 元 23,460 票
4宮本たけし: 無所属 現 8,201 票

客観的にみて4人の候補の中では、宮本氏が最も議員にふさわしい。プロの政治家である。だれでもプロ野球の選手になれないように、本来、国会議員も政治のプロがなるべきで、その意味で宮本氏の力量は他の候補と比較にならないほどずば抜けている。国会質問を視聴すればそれは判然とする。

本来、たるとこ氏などに負けるはずがないのだが。

しかし、たるとこ氏にも及ばず最下位だった。【続きはウェブマガジン】

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世界の研究者らが、国際がん研究機関(IARC)に対して、スマホなどの通信に使われるマイクロ波の発癌評価の見直しを提言

18カ国の29人の研究者からなる諮問機関が、WHOの外郭団体である国際がん研究機関(IARC)に対して、スマホなどの通信に使われるマイクロ波の発癌評価の見直しを提言した。現在の「グループ2B」から、「グループ2A」、もしくは「グループ1」への変更を提言している。22日付けの米国・MICRO WAVE NEWSが伝えた。

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楽天モバイルが移動通信ビジネスに参入、懸念される5Gによる深刻な人体影響、グローバル資本主義のもと国際的な連帯で5Gの規制が必要

ユビキタス社会を目指す国策が進行する中で、楽天モバイルが携帯電話ビジネスに参入する。来年には5Gのサービスを始めるという。東京の渋谷や池袋には、楽天モバイルの大型店舗が登場した。

当然、無線通信には基地局が不可欠になるが、設置に際して住民説明会をどのようなかたちで開催するのかを取材するために、楽天モバイルの本社に電話をしたところ、音声案内が返ってくるだけで繋がらなかった。筆者の操作が間違っている可能性もあるが、コンタクトが取れなかった。

聞くところによると、5Gの基地局は小型で、簡単に設置できるという。と、なれば事前に住民の承諾を得ることなく、我がもの顔で至る所に基地局が設置される可能性が高い。

◆◆
5Gでは、3.7GHz、4.5GHz、28GHzが使われる。このうちよりリスクが高いのは、28GHzである。周波数が高いほど危険とは限らないが、そういう傾向があることは間違いない。少なくとも安全性は確認されていない。

電子レンジの周波数が2.5GHz(1秒間に25億回の波を発生させる)であるから、28GHzは、その11.5倍(1秒間に287億回の波)のネルギ―を発することになる。【続きはウェブマガジン】

 

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2019年04月13日 (土曜日)

山本太郎議員、「れいわ新選組」という党名に見る英雄史観の露呈

「ゆでガエル理論」をご存じだろうか。ウェブサイト上に適格な説明があるので引用しておこう。

 《「ゆでガエル理論」とは、ゆっくりと進行する危機や環境変化に対応することの大切さ、難しさを戒めるたとえ話の一種で、おもに企業経営やビジネスの文脈でよく用いられます。カエルを熱湯の中に入れると驚いて飛び出しますが、常温の水に入れて徐々に熱すると、カエルはその温度変化に慣れていき、生命の危機と気づかないうちにゆであがって死んでしまうという話です。(出典:日本の人事部)》

「ゆでガエル理論」は、今の日本の状況そのものだ。刻々と自由が制限された国家へ近づいているにもかかわらず、大半の人々にはその認識がない。戦後、70年の「民主主義」など水の泡の如く消えてしまう。中国が革命から50年のあいだ仮の眠りに落ちたように、歴史には例外的な時代があるのだ。日本の戦後70年は、むしろ例外的な「繁栄」と考えるべきなのかも知れない。

今週、山本太郎議員が「れいわ新選組」なる政党を立ち上げた。山本太郎議員は、日本の国会議員の中では極めて良心的な人で支援者も多い。わたしも原告に加わった特定秘密保護法の違憲裁判の傍聴にもかけつけてくれた。

その山本議員が新党を立ち上げるらしい噂を聞いたとき、わたしは少し期待した。が、その政党名が「れいわ新選組」だと知ったとき、日本で最も良心的な政治家の歴史観でさえもこのレベルであることを知って唖然としたのである。そこへ懇意な弁護士さんから共感のメールが来て、異常さを感じたのは、自分だけではなかったと分かったのだ。【続きはウェブマガジン】

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2019年04月09日 (火曜日)

住民運動の当事者は、NHKにどのような印象を持っているのか?「取材しない局」が定評

電磁波問題から「押し紙」事件まで、取材のテーマや相手とはかかわりなく、わたしがインタビューの最後に必ず問いかける質問がある。それは、住民の視点から見た報道の評価である。住民はメディア報道をどう感じているのか、という質問である。

この問いに対して、たとえば滋賀医科大学医学部附属病院の事件の被害患者らの多くは、次のような感想をもらした。

「朝日新聞や大阪毎日放送など積極的に報道してくれるメディアがある一方、NHKはまったく関心を示しません。記者会見にもきません」

この滋賀医科大病院の事件は、鹿砦社、朝日新聞、大阪毎日放送、TBS、共同通信、ビジネスジャーナル、マイニュースジャパン、週刊金曜日などが報道しているが、NHKは取材すらしないというのである。

まったく同じ感想をわたしは、延岡市の携帯電話基地局の操業停止を求める裁判でも、耳にした。この事件は、延岡市の大貫地区にKDDIが設置した携帯電話基地局の周辺で健康被害が発生して、2009年に住民が基地局の操業停止を求めて提訴したものである。

地元紙や中央紙の地方局が断続的に報道した。が、NHKだけは取材しなかったという。続きはウェブマガジン】

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2019年04月02日 (火曜日)

「令和」の「令」は法律による国家統制を、「和」は天皇を父とした偽りの平和を意味する

(「黒薮哲哉のウェブマガジン」より全文を転載)

4月1日、安倍内閣は「令和」を新元号として閣議決定した。この瞬間を待っていたかのように、テレビでスタンピード現象が始まった。「令和バームクーヘン」や「令和弁当」、さらにはさまざまな「令和」グッズなるものが、ニュースともCMとも判別できない番組に登場し、さながら朝鮮の「将軍様」の就任を祝う光景を連想させる祝賀ムードが演出されている。

わたしは、「令和」というその字面から、ファシズムの時代への回帰を直感した。不吉な印象。その不吉さの正体は、「平成」という時代を検証すれば輪郭を現してくる。

なお、安倍首相は、「令和」の意味を次のように説明しているが、この説明の中にも、首相が好んで口にしてきた「美しい国」といった言葉が使われている。心がけ次第で国は繁栄するという、ある種、前近代的な統治の思想である。

本日、元号を改める政令を閣議決定いたしました。新しい元号は「令和」(れいわ)であります。
 これは「万葉集」にある「初春の令月にして 気淑(よ)く風和(やわら)ぎ 梅は鏡前の粉(こ)を披(ひら)き 蘭(らん)は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す」との文言から引用したものであります。そして、この「令和」には、人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められております。

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絶望・大阪府の2つの選挙、「維新の会VS自民党」の奇妙な構図、新自由主義の急進派と穏健派の争い

マスコミが大阪を舞台にした2つの選挙をクローズアップしている。大阪府知事選と大阪市長選である。周知のように、これらの選挙では実質的に「大阪維新の会VS自民党」の構図で、首長の座が争われる。立憲民主党や共産党は独自候補を立てて、自分たちの主張を展開する姿勢さえも放棄している。

「大阪維新の会VS自民党」の構図のどこにトリックがあるのか?

結論を先にいえば、これらの選挙は、急進的な新自由主義政党である維新の会と、オーソドックスな、しかし、かなり過激な新自由主義政党である自民党の争いである。つまりどちらの政党が勝っても、現在の府政も市政も根本的には変わらないということである。

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2019年03月26日 (火曜日)

イチロー報道でもスタンピード現象、背景に商業ジャーナリズムと公権力との癒着

シマウマなど群れをなした野性動物が、銃声などに反応して、一斉に同じ方向へ突進する現象-スタンピード現象が止まらない。ロック歌手・内田裕也さんの訃報に続いて、イチロー選手の引退報道でもまったく同じ現象が起こった。

ステレオタイプ。横並び。テレビだけではなく、新聞までも一斉に1面トップで、イチローの引退を伝えた。イチローが国民栄誉賞を2度にわたって断った事をクローズアップする報道は、ほとんどなく、もっぱら「栄光」の軌跡を回想する同じパターンの報道だった。

改めて言うまでもなくスタンピード現象は、最近になって浮上してきた現象ではない。太平洋戦争の時期に主流を占めた大本営発表に基づいた報道がその原型だ。背景に政府への忖度や個人主義を嫌う企業文化があることは間違いないが、それだけではないだろう。ニュースを選択する基準が読者受け、あるいは視聴者受けするかどうかになっていることが、大きな原因だ。【続きはウェブマガジン】

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2019年03月20日 (水曜日)

5G報道で何が報じられていないのか?絶対の禁句「電磁波」による人体影響への懸念

この夏、新しい波が世界に広がる。いよいよ5G(第5世代移動通信システム )の導入が始まるのだ。それに先立つ4月10日には、総務省が5Gの周波数を通信各社に割りあてる。いわゆる電波利権の提供である。そして東京オリンピックを機に、本格的な5Gの運用が始まる。

通信関係者によると、5Gは東京都心の、しかも山手線沿線を皮切りに、全国へ拡大するという。電話各社はすでに激烈な競争のスタートラインに立って、壮大なレースの号砲を待っている。

こうした状況下で、メディアも5G関連の報道を活発に展開している。当然のことだ。だが、5Gに関する話題で、タブー視され、ことごとく黒いマスクで隠蔽されているある話題がある。だれも立ち入らない闇の領域。禁句。それは発癌など、5Gと連動した電磁波(ミリ波)による深刻な人体影響への懸念である。後述するように、とりわけ道路沿線に住む住民が、「5G電磁波」による深刻な健康被害を受ける可能性が極めて高い。

 

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違和感の極み、首相官邸の真向かいに国会記者会館、マスコミも日本の権力構造の一部

国会記者クラブについて、わたしはとんでもない勘違いをしていた。昨日、フリーランスライターの友人から、国会記者会館の前に来てほしいと言われ、はじめて記者クラブの会館なるものが存在することを知った。これまでわたしは、国会記者クラブは、議事堂内のほんの一角を「占拠」している程度だと思っていた。会館を構えているとは、まさか思わなかった。

内閣府へ何度も足を運んでいる関係で、会館の前を素通りしてきたが、その建物が国会記者会館で記者クラブが「占拠」しているとは思わなかった。「占拠」と書いたのは、会館が国有財産でありながら、記者クラブの所属記者しか出入りが許されていないからだ。

会館の前には、黒塗りのハイヤーがずらりと並んでいる。さすがに新聞社やテレビ局の旗を立てたハイヤーはなかったが、艶のある黒い車体は、庶民感覚から隔離されている。むしろ黒幕の冷たいイメージだ。

興味深く感じたのは、会館の立つ位置である。十字路の角にあって、道路の向こうには、首相官邸、議員会館、そして議事堂がある。この位置関係から察すると、記者クラブも日本の権力構造の一角に組み込まれているということになりそうだ。権力構造の歯車になっている。ずばりジャーナリズムの看板を掲げた政府の広報部にほかならない。【続きはウェブマガジン】

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