1. 携帯電話の基地局問題

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2021年10月27日 (水曜日)

楽天の基地局設置をめぐるトラブル相談が年間で約70件、楽天、「弊社としては総務省の電波防護指針に従って法令遵守で設置しております」

わたしの手元に1通の告知チラシがある。携帯電話の基地局設置工事を告知した4A版のチラシである。

 皆様方には、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 この度、下記予定にて楽天モバイルの通信設備工事を実施いたします。
 作業期間中は何かとご迷惑・ご不便をおかげいたしますが何卒ご理解・ご協力を頂きますようお願い申し上げます。(略)

工事の期間は10月16日から10月23日となっている。

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2021年09月23日 (木曜日)

楽天の基地局設置をめぐる係争、懸念されるマイクロ波の遺伝子毒性、地主が反対住民に、「損害賠償請求の検討に入った」

電話会社が空前の利益を上げている。NTTドコモ、ソフトバンク、KDDI3社の2020年度の売り上げは、合計でゆうに15兆円を超えた。5Gの普及という国策と連動して、無線通信ビジネスはいまや花形産業にのぼりつめた。

しかし、その影では、通信基地局の設置をめぐる電話会社と住民のトラブルが多発している。なかには自宅から退去せざるを得なくなった人もいる。

基地局設置をめぐるトラブルの背景には、基地局から放射されるマイクロ波による人体影響が、否定できなくなってきた事情がある。とりわけ遺伝子毒性が、否定できなくなってきたのである。それが問題を深刻にしている。

わたし自身、2005年に埼玉県朝霞市岡の自宅マンションの真上に、NTTドコモとKDDIが基地局を設置する計画を打診する体験を持ったことがある。しかも、設置個所はわたしの書斎の天井を隔てた真上だった。幸いに設置は阻止したが、それ以来、わたしはこの問題を取材してきた。

これは、ある日突然にだれにでも降りかかってくる問題なのである。

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2021年05月28日 (金曜日)

岐阜県恵那市で楽天モバイルが基地局設置を断行、懸念される電磁波の遺伝子毒性・発がん①

電話会社が法律を上段にかかげて、携帯電話基地局を設置する事件が起きた。

今年になって楽天モバイルは、岐阜県那市の●●地区に基地局設置の計画を打ち出したが、一部の住民がこれに反対した。楽天モバイルは住民との話し合いには応じたが、楽天に用地を貸す地主が合意したこともあって計画を進めた。

そして2021年4月30日、自治会に対して「確約書」なる書面を提出して、基地局の設置工事を完了した。

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2021年05月05日 (水曜日)

携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社の姿勢、情報の非公開があたりまえに、口実は「企業秘密」

携帯電話の基地局設置をめぐるトラブルで、電話会社が住民に対して基地局に関する情報を開示しないことが各地で問題になっている。基地局からはマイクロ波(将来的にはミリ波)が放射されるので、周辺住民は、いやおうなしにマイクロ波による人体影響を受ける。

たとえ電磁波が微弱であっても、1日に24時間、365日、延々とマイクロ波のシャワーを浴び続ける。一旦、基地局が設置されると少なくとも10年ぐらいは、移転することがないので、周辺住民は常にマイクロ波に被曝する。

当然、住民としては、少なくとも自分たちが浴びる電磁波に関する情報を詳細に知りたい。そこで電話会社に、基地局に関する情報を開示するように申し入れるが、筆者が取材した限りでは、電話会社は企業秘密を理由に、ほとんど情報開示に応じていない。

企業活動を監視する責任がある自治体も、企業秘密を優先して開示には応じない。電磁波や化学物質には、「闘値」がないことを説明しても、「総務省の規制値を守ってる限り、規制できない」とAIのような回答しか返ってこない。

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2021年03月15日 (月曜日)

「5Gグローバル・プロテスト・デイ」、いのち環境ネットワークがオンライン学習会を予定、3月20日の午前

3月20日は、「5Gグローバル・プロテスト・デイ」である。世界中で一斉に5Gについて、批判的な視点から考える行事が予定されている。日本では、いのち環境ネットワーク(加藤やすこ代表)が、インターネットを使ったオンライン学習会を開催する。

詳細は次の通りである。

日時:3月20日午前10:00~11:30

講師:加藤やすこ(環境ジャーナリスト)

参加費:無料・カンパ歓迎

 

催:いのち環境ネットワーク

5Gから健康とプライバシーを守る会

   電磁波からいのちを守る全国ネット

申し込み:sakino1030@icloud.com
(先着100名、17日まで受付け)

詳細

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2021年03月11日 (木曜日)

世界一規制がゆるやかな日本の電波防護指針、背景に電話会社と総務省の癒着、政界の野党へはNTTの労組「アピール21」から政治献金

NTTと総務省の癒着がメディアでクローズアップされている。15日には、NTTの澤田純社長が参院予算委員会に参考人招致される。
電磁波問題に関心のある人々の間で、当然、関心の的になるのは、総務省が定めた世界一規制がゆるい電波防護指針の背景に、通信業界と総務省の癒着があるのではないかという点である。次に示すのが、スマホや携帯電話に使われるマイクロ波の規制値の国際比較である。

日本:1000 μW/c㎡ (マイクロワット・パー・ 平方センチメートル)

国際非電離放射線防護委員会:900μW/c㎡

欧州評議会:0.1μW/c㎡、(勧告値)

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2021年03月06日 (土曜日)

総務省とNTTの特別な癒着関係、総務省の非常識な電波防護指針に影響か?

総務省幹部らが、NTTから高額接待を受けていたことが、週刊文春の報道で明らかになった。それをうけて武田良太総務大臣が陳謝した。

携帯電話の基地局設置をめぐる問題に取り組んだことのある人にとって、NTTが総務省を接待していた事実は、日本の電波防護指針(規制値)が世界一ゆるやかに設定されている背景を考える上で考慮すべき点である。結論を先にいえば、NTTと総務省が水面下で癒着してきた可能性が高い。そしてこの腐敗の恩恵を、他の電話会社も受けている可能性も高い。

携帯電話やスマホの交信に使われるマイクロ波の規制値は1000μW/c㎡である。この数値は、たとえば欧州評議会の勧告値0.1μW/c㎡に比べて、1万倍もゆるやかに設定されている。実質的には、まったく規制になっていない。世界標準とされる国際非電離放射線防護委員会が定めている規制値をも超えている。

いわば総務省は、電話会社がやりたい放題のビジネスを展開できるように配慮しているのである。

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2021年03月03日 (水曜日)

楽天モバイルに対して2通のお願い文書を送付、基地局設置をめるぐトラブルで、計画の白紙撤回を求める

「電磁波からいのちを守る全国ネット」(以下、全国ネット)は、3月1日、楽天モバイルに対して、携帯電話の基地局設置計画の中止を求めるお願い文書を送付した。

5Gの普及が進む状況の下で、「全国ネット」は、基地局設置をめぐるトラブル相談に応じてきた。その大半は住民の反対運動で解決しているが、ペンディングになっている2件のケース(いずれも楽天モバイル)について、今回、公式に計画の白紙撤回を求めたものである。

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2021年01月20日 (水曜日)

基地局設置をめぐる最近のトラブル状況、公有地にビジネス目的の基地局、住民訴訟の提起も可能

電磁波からいのちを守る全国ネット」のウエブサイトより転載。

昨年の秋ごろから、基地局設置をめぐるトラブル相談が「全国ネット」へ多数寄せられている。その9割以上が楽天基地局に関するものである。そのほかにソフトバンク、KDDI、ドコモの基地局に関する相談も寄せらた。

各電話会社との対応状況は次の通りである。

■楽天
相談があった。トラブル件数は多いが、楽天は一応は住民の意思に配慮している。トラブルの大半は解決している。

千葉市で小学校へ複数の基地局を設置したケースがある。

■KDDI
相談があった。住民の抗議を無視して強引に工事を強行したケースが複数件ある。警察も出動している。

■ソフトバンク
相談があった。神奈川県川崎市のケースでは、担当者との連絡がなかなか取れない。直通電話もメールも公表しないので交渉に手間取る。テレビCMで描かれた善良な家族のイメージではなかった。

■ドコモ
相談があった。

◆◆
公有地(公園、学校など)へ基地局を設置したケースでは、設置場所の賃借料が、私有地の場合と比較して各段に安い。地域により価格差があるが、たとえば埼玉県朝霞市岡3丁目の城山公園に設置されたKDDI基地局の場合は、年間で3400円である。ビルの屋上に設置した場合の相場は、50万円から80万円ぐらいである。

公有地に基地局が設置され、賃借料が相場からかけ離れている場合は、市長を被告として、実際の賃借料と相場の賃借料の差額を市に支払うように求める住民訴訟を提起することができる。

電話会社に土地を提供した地主が、賃借契約を結んだ後に、住民から電磁波問題を指摘されてはじめて電磁波のリスクを知ったケースもある。このような場合、電話会社が電磁波の「非熱作用」説の存在を説明していない可能性が高く、地主は説明義務違反で電話会社を提訴して、契約を無効にできる可能性もある。

行政の対応は、基本的に電話会社に配慮しており、基地局に関する情報公開には応じない。従って、住民は基地局の所有会社を特定することすらもできない。基地局から放射されている電磁波の周波数や電力密度も把握できない。

基地局問題が発生したときの電話会社の言い分は、自分たちは、総務省の電波防護指針を遵守しているから、人体への影響はないというものである。

住民説明を開かないまま基地局を設置したケースもある。

◆◆◆
対策としては、電磁波についての住民学習会の開催、署名活動の展開、地方自治体レベルで基地局設置を規制する条例を制定させる活動の展開、商品不買運動などがある。

 

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2021年01月07日 (木曜日)

朝霞市の公有地への通信基地局設置事件、賃借料360円、設置計画を市に打診したのはKDDI、時系列ノート㉙

KDDIが埼玉県朝霞市岡3丁目の市営・城山公園内に通信基地局を設置した問題で、いくつかの新事実が明らかになった。既報してきたように、KDDIが朝霞市に支払う土地の賃借料は、月額で約360円である。朝霞市は基地局を「電柱」と解釈した上で、条例に従ってこの価格を設定したとしている。しかし、相場とはかけはなれている。

この基地局の設置計画は、KDDIが打診したのか、それとも朝霞市が打診したのか、朝霞市へ問い合わせたところ、「基地局の設置については、市から事業者へ打診はしておりません」との回答があった。つまりKDDIが朝霞市へこの計画を持ち掛け、両者が月額360円の賃借料で合意したことになる。

また筆者は、朝霞市が所有する公園に設置されているKDDI基地局の数と場所をすべて公開するように求めた。これに対して、次のような回答があった。

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2020年12月23日 (水曜日)

楽天モバイル「広報部」、電磁波の安全性に関する質問に対するAIのような回答

読むたびにうんざりするのが企業の広報部が発行する文書である。企業が関係する事件を取材して記事化するとき、批判対象となる企業のコメントを求めるのがメディアの慣行になっており、それはそれで一応は理にかなっているので、わたしも批判対象になる企業の広報部を取材する。

すると、「質問を文書で提出してほしい」という決まり文句が返ってくる。そこで質問を送付する段取りとなる。

わたしは電磁波問題を取材している関係で、電話会社の広報部に質問することが多い。さすがに質問そのものを無視されることはあまりないが、回答を読むたびに、AIが作成した作文ではないかと違和感を感じる。担当者が自分の言葉で綴った回答は皆無に等しい。

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2020年12月19日 (土曜日)

多発する通信基地局の設置をめぐるトラブル、認識されはじめた5Gによる人体への影響、懸念される遺伝子毒性

電話会社が広範囲に通信基地局の設置を進めている状況の下で、電話会社と住民との間のトラブルが多発している。メディア黒書へも、この1週間だけで5件の相談があった。5Gの普及がはじまる前は、相談件数は月に数件だったが、このところ急増している。大半の係争は、楽天モバイルを相手にしたものである。

基地局の設置をめぐるトラブルが増えている現象を、肯定的に捉えれば、無線通信で使われる電磁波による人体影響が多くの人々に認識されはじめた証である。かつては電磁波の危険性とえば、変電所近辺や高圧電線の下の住宅に住む人々に癌や小児白血病が相対的に多いという疫学調査の結果を、一部の層が知っていた程度だったが、ここにきて5Gに使われる電磁波(マイクロ波とミリ波)による毒性について知る人が増えてきた。

これは裁判を起こしてでも解決しなければならない深刻な問題にほかならない。「予防原則」を理由にすれば訴訟の提起は可能だ。危険物に対する説明義務違反にも問えるのではないか。

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2020年12月03日 (木曜日)

「電磁波からいのちを守る全国ネット」が楽天モバイルに公開質問状を送付、「マイクロ波に遺伝子毒性がないと考える理由は?」

「電磁波からいのちを守る全国ネット」の運営委員会は、2日、楽天モバイルに対して公開質問状を送付した。

筆者も運営委員を務めている「全国ネット」は、5Gの普及に反対する住民運動や個人を支援している。だれもが直面しかねな重大問題であるからだ。

実際、このところ通信基地局の設置をめぐるトラブルが急増している。「全国ネット」に対して、ほとんど毎日のように、全国から相談が寄せられている。

今回、楽天モバイルに対して公開質問状を送付した理由は、特に楽天に対する苦情が多いからだ。苦情の8割を占める。次がKDDI。

質問内容は次の通りである。(青文字は、筆者による解説) (PDFはここから)

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