1. 楽天モバイル「広報部」、電磁波の安全性に関する質問に対するAIのような回答

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2020年12月23日 (水曜日)

楽天モバイル「広報部」、電磁波の安全性に関する質問に対するAIのような回答

読むたびにうんざりするのが企業の広報部が発行する文書である。企業が関係する事件を取材して記事化するとき、批判対象となる企業のコメントを求めるのがメディアの慣行になっており、それはそれで一応は理にかなっているので、わたしも批判対象になる企業の広報部を取材する。

すると、「質問を文書で提出してほしい」という決まり文句が返ってくる。そこで質問を送付する段取りとなる。

わたしは電磁波問題を取材している関係で、電話会社の広報部に質問することが多い。さすがに質問そのものを無視されることはあまりないが、回答を読むたびに、AIが作成した作文ではないかと違和感を感じる。担当者が自分の言葉で綴った回答は皆無に等しい。

文章に個性がなく、質問を巧みに潜り抜けるだけの短い文章が定番になっている。国会での官僚による答弁と類似している。何かを主張したいという熱意などは伝わってこない。いかに質問をかわすかしか念頭にない作文なのだ。

たとえば次に引用するのは、楽天モバイルの回答である。わたしの質問と解説も併せて紹介しよう。

【質問】御社は、基地局を設置するかしないかは、管理組合の判断にゆだねると説明されています。電磁波の影響を直接受ける可能性がある住民個人の権利については、どのようにお考えでしょうか。

この質問は分譲マンションの屋上に通信基地局を設置した場合、直接的に電磁波の影響を受ける基地局直近の住民が、設置に異議を唱えたときに、楽天が取る対処方法について尋ねたものである。楽天は次のように回答した。

【回答】個別案件の設置経緯については公表しておりません。いずれの基地局も弊社ネットワークを快適にご利用いただくために最適な立地を検証の上、基地局建設にご協力いただける場所にて設置を進めております。【続きはウエブサイト】