2020年06月09日 (火曜日)
公共の公園にKDDI基地局を設置、電磁波による人体影響を考慮せず、朝霞市の富岡勝則市長に公開質問状を送付
わたしの自宅から100メートルの地点にある公園に、KDDIが基地局を設置しようとしている。設置場所は、朝霞市岡3丁目にある城山公園の入口である。市が所有する敷地だ。
工事現場にある掲示板を確認して、KDDIと朝霞市による基地局設置計画を知った。
わたしは、みどり公園課(大塚繁忠課長)に対して設置工事を暫定的に中止するように申し入れた。これに対して同課は、、近隣住民に対する説明会も開いており、法的な不備はないので、申し入れには応じられないと回答した。
一方、KDDI側(事業会社は開発電子技術)はわたしに対して、暫定的に工事を中止して、機材を搬出すると回答した。(20時20分ごろ)
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この案件には、大別して2つの問題がある。
まず、第一に朝霞市当局が公園という市民の共有地の一部を私企業に提供して、便宜をはかる決定を下したことである。
第二に朝霞市の富岡市長と大塚課長が電磁波や放射線による人体影響を理解しているのかどうかという点である。景観についても配慮が必要だ。これらのことを理解していれば、近隣住民から意見を聴取すべきだった。そのプロセスを経ていないわけだから、最低限の説明義務を果たしていない。少なくとも、わたしは説明会の案内書を受け取っていない。
ちなみにアメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)は、2018年にスマホなど無線通信に使われるマイクロ波(電磁波の一種)と発がんの関係について、「明らかな証拠(clear evidence)」があるとする動物実験の最終報告を公表した。
現時点で朝霞市城山公園に設置を予定している基地局の仕様は不明だが、かりに5Gであれば、マイクロ波よりもエネルギーが高く、さらに危険性が高まる。
わたしはKDDIと朝霞市の関係を調べるために、この件に関する交渉記録や契約書など、基地局設置に関する全文書を公開するように情報公開請求(8日付け)を行った。また、富岡市長と大塚課長に対しては、以下の公開質問状を提出した。
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以下、富岡勝則市長と大塚忠繁課長に対する公開質問状である。
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2020・06・09
公開質問状
朝霞市:富岡勝則市長
朝霞市みどり公園課:大塚忠繁課長
発信者:黒薮哲哉
朝霞市岡3-27-
公開媒体:http://www.kokusyo.jp/ 、
(9日に公開)。その他。
全戸配布:KDDI基地局周辺の民家
KDDIに対して、公共の場である城山公園内に電波基地局を設置する許可をだされました貴殿らに、公開質問状という形式で、電磁波による人体影響に関する質問状を送付させていただきまます。
1、朝霞市の所有地であり、市民のくつろぎの場所である城山公園にKDDI基地局を設置することになった経緯を時系列でご説明してください。貴殿らとKDDIはどのような関係なのでしょうか。常識的にはKDDIのビジネスよりも、市民の生存権を優先すべきだと考えますが。
2、アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)は、2018年、スマホなど無線通信に使われるマイクロ波と発がん性の関係について、「明らかな証拠(clear evidence)」があるとする動物実験の最終報告を公表しました。貴殿は、通信基地局で使用されるマイクロ波やミリ波による人体への影響についてどのような見解をお持ちでしょうか。
3、総務省が定めている電波防護指針(1000μW/cm2.)が安全だとする根拠を説明してください。ちなみにEUの推奨値は、屋内が0・01μW/cm2で屋外が0・1μW/cm2です。遺伝子毒性を考慮して、低く設定されているわけです。WHOの外郭団体である世界癌研究機関は、2011年にマイクロ波に発がんの可能性があることを認定しています。基地局周辺で癌の発症率が想定的に高くなることを示す、疫学調査の結果も複数あります。
4、公園周辺の住民や通学生(基地局の設置場所は、朝霞2中の通学路)に健康被害が発生した場合、市としてどのような対策と補償をされるのでしょうか。
5、KDDIは住民に対して説明会を開いたとのことですが、公園から100メートルの距離に自宅を持つわたしは案内を受けていません。具体的に、いつ、どの住民に対して、どこで説明会を開催されたのでしょうか。説明を受けていない住民が多く、朝霞市とKDDIは、危険物の設置に関する説明義務を果たしておりません。
6、2010年にわたしが朝霞市議会に提出した「無線基地局の設置に関する条例の制定を求める請願」を、その後、どのように利用されたのでしょうか。この文書の中で、電磁波による人体影響にも十分に言及しています。原文がない場合は、再送付します。
7、朝霞市にある小学校10校を対象に、それぞれの学校の近辺(200メートル以内)にある基地局設置の情況を調査したところ次のようなデータが集まりました。
朝霞第一小学校:2局
朝霞第二小学校:1局
朝霞第三小学校:1局
朝霞第四小学校:1局
朝霞第五小学校:1局
朝霞第六小学校:2局
朝霞第七小学校:4局
朝霞第八小学校:1局
朝霞第九小学校:2局
朝霞第十小学校:0局
(2014年11月時点のデータ)
※朝霞第九小学校についていえば、KDDI基地局の直近に白百合園(保育園)もある。さらに近くを高圧電線(低周波電磁波)が走っている。
こうした実態も踏まえて、貴殿らが考えておれる今後の基地局問題の対策を提示してください。条例などを定めて設置を規制したり、既存のものを撤去させる方針をお持ちでしょうか。具体的な対策を提示ください。
以上の点について、金曜日の午前中までにメールで回答してください。
わたしは基地局設置問題に関して、2010年5月20日、「無線基地局の設置に関する条例の制定を求める請願書」を朝霞市議会に提出しております。その際に指摘したことが、その後、まったく市政で生かされていないことを知って失望しております。
貴殿らは、そもそも電磁波や放射線による人体影響について把握されているのでしょうか。今後は、訴訟も含めて早急に対処することになりますので、あらかじめお知らせしておきます。私企業の活動により、市民が迷惑を受ける情況が起きたときは、市民の利益を優先するのが当たり前ではないでしょうか。
連絡先:xxmwg240@ybb.ne.jp 048-464-1413