1. 「押し紙」の実態

「押し紙」の実態に関連する記事

2017年02月16日 (木曜日)

朝日新聞販売店の従業員が激減、東京本社管内で年間926名減、歯止めのかからない新聞の凋落

メディア黒書へ送付されてきた朝日新聞の内部資料を紹介しよう。発送元が不明だが、知り合いのASA関係者に確認したところ、朝日新聞の資料だということだ。

資料は「労務研修委員会」という部署のもので、朝日新聞東京本社の管轄区域におけるASA従業員数の増減を示したものである。専業、副業、奨学生に分類して提示されている。2016年10月時点でのデータである。()内は前年同月比。

■専業
8,073人(-708)

■副業
2,299人(-274)

■奨学生
959人(+56)

■計
11,331(-926)

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2017年02月07日 (火曜日)

新聞ジャーナリズムが機能しない本当の理由、『消費者ニュース』から転載 

『消費者ニュース』の1月発売号が、大規模な「押し紙」特集を組んでいる。執筆者は次の通りである。わたしも「新聞ジャーナリズムが機能しない本当の理由」と題するレポートを寄稿している。

•新聞残紙問題(概論)…松澤麻美子(弁護士[福岡])

•新聞トラブルの実情について…拝師徳彦(弁護士[千葉])

•佐賀新聞押し紙訴訟(No.2)…江上武幸(弁護士[福岡])

•山陽新聞「押し紙」訴訟判決の報告…位田浩(弁護士[大阪])

•監視する者がいない日本のメディア(第4の権力)…青木歳男(弁護士[福岡])

•新聞ジャーナリズムが機能しない本当の理由…黒薮哲哉(ルポライター)

•広報能力なき残紙と政府広報予算の構造的な課題…小坪慎也(行橋市議会議員)

•新聞とメディアのビジネスモデル…渡邉哲也(経済評論家)

『消費者ニュース』は、次のサイトから注文できる。

■『消費者ニュース』

わたしのレポートについては、本サイトで紹介しよう。次の通りである。

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2017年01月31日 (火曜日)

元新聞販売店主が黒書に内部告発、4月と10月に「押し紙」が増える本当の理由

関東在住の元新聞販売店主・村木和道(仮名)さんから、「折込詐欺」についての情報が寄せられた。村木さんによると、現役の時代、4月と10月になると、「押し紙」が急激に増えていたという。

なぜ、4月と10月なのか?

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2017年01月24日 (火曜日)

読売新聞が1年で36万部減、朝日は27万部減、新聞の凋落に歯止めはかからず

2016年11月の新聞のABC部数が明らかになった。朝日新聞は約636万部で、前年同月比で約-27万部である。読売新聞は約900万部で、前年同月比で、-36万部だった。中央紙全体では、約82万部が減った。

新聞の凋落に歯止めがかかっていないことが明らかになった。

ABC部数の詳細は次の通りである。

朝日新聞 6,360,646(-273,799)
読売新聞 9,004,769(-363,735)
毎日新聞 3,027,684 (-176,882)
日経新聞 2,724,779(-4,241)
産経新聞 1,566,580(-1,836)

■2016年11月ABC部数全データ

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2016年12月28日 (水曜日)

「押し紙」問題の様相に変化、 折込広告の「中抜き詐欺」が急増か?

最近、新聞販売関係者から折込広告の搬入枚数が激減しているという話をよく聞くようになった。とはいえ、広告主(スポンサー)が減っているという意味ではない。かつては「押し紙」部数に相当する折込広告が販売店に搬入されていたが、今はそれが搬入されないケースが増えているというのだ。

メディア黒書では、日本の新聞販売制度(新聞社のビジネスモデル)のからくりについて、「押し紙」の負担を折込広告の水増しと新聞社からの補助金で相殺する仕組みになっていると説明してきた。しかし、現在は徐々にこの説明が成り立たなくなっている。

「押し紙」の損害を相殺する道具である水増しされた折込広告と補助金が減ったり、無くなったりして、相殺システムが機能しなくなっているのだ。その結果、全ての負担が販売店の肩にのしかかってくる。

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2016年12月20日 (火曜日)

読売・喜田村洋一・自由人権協会代表理事らによる口封じ裁判から9年目に、今後も検証は続く

12月21日は、読売新聞社(西部本社)の江崎徹志法務局長がメディア黒書(旧新聞販売黒書)に対して、ある文書の削除を求める仮処分を申し立てた日である。代理人弁護士は、喜田村洋一・自由人権協会代表理事だった。2016年の12月21日は対読売裁判が始まって9年目にあたる。

江崎氏の申し立ては、わたしがメディア黒書に掲載した江崎名義の1通の催告書の削除を求めるものだった。しかし、江崎氏は法務室長という立場にあり、実質的には、江崎氏個人ではなく、読売新聞社との係争の始まりである。

事実、その後、読売から3件の裁判、わたしから1件の裁判と弁護士懲戒請求を申し立てる事態となった。

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2016年12月11日 (日曜日)

神奈川県で新聞販売店が誤って前日の「押し紙」を配達

新聞販売店の関係者から興味深い情報提供があった。悪意のない事件なので、店名も店主名も明かさないが、裏付け資料(始末書)もあり、複数の販売店主からの証言も取っているので一応、信頼性のあるニュースである。

昨年(2015年)の12月5日、神奈川県内のある新聞販売店が、誤って前日、4日付けの朝刊を一部の読者に配達したというのだ。

なぜ、前日の新聞を配達したのか?

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2016年11月30日 (水曜日)

公取委がS新聞社に接触か? 「押し紙」の排除が秒読み段階に

公正取引委員会の新しい動きが新聞業界の水面下で噂になっている。信頼度の高いある情報筋から聞いた話によると、公正取引委員会が「押し紙」 問題でS新聞社の幹部に接触したという。もちろん現時点では、公正取引委員会に確認できているわけではないので、参考の情報でしかないが、この新聞社の実態からすればあながち噂とはいえないかも知れない。

新聞奨学生からも「押し紙」を内部告発されいる社で、公式のものか、非公式のものかは別として、公正取引委員会から何らかの接触があった可能性がある。

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2016年11月23日 (水曜日)

1年間の減部数、朝日は35万部、読売は16万部、毎日は19万部、ネットメディアとの世代交代が顕著に

2016年度9月度のABC部数が明らかになった。朝日新聞は前年同月比で約35万部減、読売新聞は約16万部減、さらに毎日新聞は約19万部減である。3社あわせて70万部の減部数である。

これは中堅規模の地方紙2社分の部数に該当する。新聞の没落に歯止めがかかっていない実態を示している。

朝日新聞 6,433,159(-348,120)
毎日新聞 3,049,397(-188,808)
読売新聞 8,942,131(-160,267)
日経新聞 2,725,261(-6,284)
産経新聞 1,568,848(-31,339)

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2016年10月29日 (土曜日)

部数激減の新聞業界のタブー、大量「残紙」で部数水増しモデル崩壊…残紙率70%も

【Business Journal 】10月26日付当サイト記事『朝日新聞、4年間で発行部数105万減の衝撃…新聞業界、存亡の危機突入へ』では、新聞の発行部数の減少に歯止めがかからない実態とともに、「残紙」をめぐる新聞社と新聞販売店のビジネスモデルを紹介した。今回は、その残紙の実態について、具体例を取り上げながらより詳細を紹介していく。(続きはビジネスジャーナル)

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2016年10月27日 (木曜日)

新聞社の担当員との会話を録音し始めた新聞販売店主ら、「押し紙」を断った決定的証拠が続々と

新聞販売店の経営が急激に悪化している。知り合いの販売店主に話を伺ったところ、搬入部数の3割から4割が「押し紙」になっている販売店はざらにあるとのことだった。新聞社によっては、6割、7割のケースもある。

「紙(押し紙)を切ってくれと、新聞社に要求しても、改廃されることはなくなりました。改廃すると後継者がいなくなり、自社で販売店を管理せざるを得なくなるからです。実際、そのような店が増えています。ですから紙を切るように交渉する販売店主が増えています。それ以外に経営を維持できなくなっているのです」

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2016年10月26日 (水曜日)

朝日新聞、4年間で発行部数105万減の衝撃…新聞業界、存亡の危機突入へ

新聞の発行部数の減少に歯止めがかからない――。

9月に公表された新聞のABC部数(日本ABC協会が監査する部数)によると、朝日新聞が1年間で約33万部、毎日新聞が約19万部、読売新聞が約14万部減っていることがわかった。2016年8月度の新聞発行部数と前年同月比は次の通りである。

新聞の衰退はかねてから指摘されてきたが、「読売:1000万部、朝日:800万部」の時代は幕を閉じ、なおも没落の一途をたどっている。

その背景には、インターネットの普及や新聞に対する信頼感の喪失などがあるようだ。(続きはBusiness Journal )

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2016年10月12日 (水曜日)

「押し紙」を排除したときの毎日新聞の販売収入は年間でマイナス259億円、内部資料「朝刊 発証数の推移」を使った試算

最近、再びクローズアップされているのが「押し紙」問題である。あるいは新聞の偽装部数問題である。新聞史の中で、現代の動きを捉えると、第3波が始まっているといえよう。

第1波は1980年代の初頭。5年間にわたり共産党、公明党、社会党の3党が共闘して、国会の場で、新聞販売問題の追及を展開した。質問回数は、実に15回に及んだ。

第2波は2007年、読売の「押し紙」政策を認定した真村裁判の判決が最高裁で確定した時期である。この時期、雑誌が盛んに「押し紙」問題を取り上げた。が、読売が週刊新潮と筆者に対して、名誉毀損裁判を提起したのを機に、ぴたりと第2波がやんだ。

※読売は真村裁判が「押し紙」を認定したとする主張を否定している。次の記事を参照にしてほしい。

【参考記事】新聞の偽装部数「押し紙」を考える集会の講演画像が完成、江上武幸弁護士が真村裁判を語る

この裁判には、喜田村洋一・自由人権協会代表理事が読売の代理人として登場して、歴史的に見ても読売、1部も「押し紙」は存在しないと堂々と主張した。

第3波は、今年の2月に朝日新聞の記者が日本記者クラブで、公取委の杉本和行委員長に「押し紙」問題について質問したのを機として起こった。

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