国立がん研究センターが4月28日に発表した今年の「予測がん罹患数」は、982,100例(男性560,300例、女性421,800例)で、前年予想よりも約10万件増えた。原因として、同センターは、「高齢化とがん登録精度の向上が要因と考えられます。」と述べている。が、重要な原因はそれ以外にもある。
厚生省のデータによると、日本における癌患者の年次推移は、1996年から急激に増えて、以後、ゆるやかな増加傾向にある。
まったく指摘されていないが、これに連動するように上昇曲線を描いているのが、携帯電話の普及率である。総務省が公表しているデータ「移動体通信(携帯電話・PHS)の年度別人口普及率と契約数の推移」によると、携帯電話の普及率は、次のように上昇している。
1990年: 0.6%
1995年: 9.6%
2000年: 56.0%
2005年: 73.3%
2010年: 88.5%
2013年:101.7%
癌患者の増加を示す曲線と類似している。
携帯電話の普及率が増えると、それに伴い携帯基地局が増える。そこからは24時間、通信に使うマイクロ波が放射されるので、周辺の住民は否応なしに被曝することになる。
携帯電話の普及が始まったころは、マイクロ波に遺伝子毒性があることはほとんど指摘されていなかったが、その後、疫学調査などで、両者の関係が指摘されるようになった。そして2011年にWHOの外郭団体である国際癌研究機関がマイクロ波に発癌性がある可能性を認定した。
しかし、この時点では、特に都市部で携帯基地局が林立する状況が生まれていて、撤去自体が難しい状況になっていた。携帯基地局の撤去を求める裁判も提起されているが、いずれにも電話会社が勝訴して、撤去には至っていない。
もちろん携帯電話と携帯基地局が増えたことだけが、癌が増えた原因ではないが、重要な要素であることは疑いない。
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