1. スラップ問題対策チーム設置に関する申し入れに対する日弁連の回答、熱意のない文面「今後の会務活動の参考とさせていただきます」

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2016年09月28日 (水曜日)

スラップ問題対策チーム設置に関する申し入れに対する日弁連の回答、熱意のない文面「今後の会務活動の参考とさせていただきます」

既報したように、今年の7月5日、寺澤有氏、林克明氏、それに筆者(黒薮)のフリーランスライター3名は、日本弁護士連合会に対して、スラップ対策チームを設置するように申し入れた。当日は、申し入れに参加できなかったが三宅勝久氏も、申入れ文書には署名した。

このほど日弁連から、筆者宛てに次の回答が届いた。

■日弁連からの回答

読者は、この回答の文面を読んでどう感じるだろうか。スラップ問題の対策への熱意を感じるだろうか。躍動感やエネルギーを感じるだろうか。

筆者はまずなによりも、日弁連の事務総長たる人物がこの程度の文書しか書けないことにびっくりした。普通の作文のレベルではない。しかも、それを送付する勇気にも驚いた。文書は記録として残るのだ。

◇スラッパーのブラックリストと番付け

われわれが日弁連に申し入れを行った理由のひとつは、スラップを仕掛けているのが弁護士としか考えられないケースが増えているからだ。日本の名誉毀損裁判は、提訴した側が極めて有利な法理になっているために、名誉毀損裁判がスラップの温床になっている。名誉毀損裁判に関しては、本人訴訟でも、原告の訴えが認められる場合がある。

そのために名誉毀損裁判を起こすことで、弁護士報酬を得ようとする輩が増えているのだ。こうした弁護士の中には、「人権派」を名乗る弁護士や、弁護士活動をビジネスとして捉えている者も多い。名誉毀損訴訟のスペシャリストなどとを呼ばれるようになっても、何の自慢にもならない。

弁護士活動は基本的にはビジネスではない。他人の苦しみを想像し、人権と正義を守るための活動である。だから国費で弁護士を養成しても、誰も苦情を言わないのだ。それを忘れて金のために動いている輩が多いから、日弁連に対策を取るように申し入れたのである。

ちなみに今回の申し入れに名前を連ねたのは4名だが、賛同者は数え切れない。フリーランスライターの多くが、悪徳弁護士に手を焼いている。彼らをまとめる日弁連が、率先して対策を取るのはむしろ当然ではないだろうか。少なくともスラップにかかわっている弁護士が増えているという認識は持つべきだろう。

そのうちにブラックリストと番付けが公表されるのではないか。

【参考】フリーランス記者3名が日弁連に申し入れ、スラップ問題を研究するためのチームの設置を要望