1. 白熱灯と蛍光灯の禁止へ政府が方針、人体影響が懸念されるLED使用を奨励

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2015年11月27日 (金曜日)

白熱灯と蛍光灯の禁止へ政府が方針、人体影響が懸念されるLED使用を奨励

朝日新聞(電子版・26日付け)が、「蛍光灯、実質製造禁止へ 20年度めど、LEDに置換」と題する記事を掲載している。「国内での製造と国外からの輸入を、2020年度をめどに実質的に禁止する方針」だという。

 政府は、エネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯について、国内での製造と国外からの輸入を、2020年度をめどに実質的に禁止する方針を固めた。省エネ性能が高い発光ダイオード(LED)への置き換えを促す狙いだ。

 安倍晋三首相が26日に財界幹部を集めて官邸で開く「官民対話」で、省エネ対策の一環として表明する。今月末にパリで始まる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)に向けて、日本の温室効果ガス削減への取り組みを具体化する狙いもあるとみられる。

この記事は、途中から有料になっているので後半に何が書いてあるのかは不明だが、少なくとも記事の公開部分には、大切な記述が抜け落ちている。LEDが人体に及ぼすリスクについて書かれていない。大事な部分が欠落している。

記事に添付されている図(白熱灯・蛍光灯・LEDの長所と短所を比較したもの)にも、LEDによる人体への悪影響については触れられていない。

◇LEDによる人体影響

メディア黒書では、これまでLEDによる人体影響のリスクを取り上げてきた。おおむね次のような注視点があることが分かっている。

目に悪影響をあたえる。最悪の場合は、加齢黄斑変性症など失明に至るリスクが指摘されている。

睡眠障害の引き金になる。

可視光線の特定の周波数で光る青色LEDに殺虫能力がある。これは東北大学の研究で明らかになった。

LEDの照射で熱帯魚の背骨が変形したとする報告がある。

LEDを4ヶ月浴びた熱帯魚の背骨がS字型に変形、原因不明も重い事実

確かにLEDが人体に悪影響を及ぼすとする説が、多様な研究によってすでに定説となっているわけではない。しかし、LEDを含む電磁波研究の歴史は浅く、電磁波による人体影響が本格的に指摘されるようになったのは、1980年代に入ってからであり、最近になってわれわれの日常生活の中に入り込んできたLEDや携帯電話の通信に使うマイクロ波に至っては、まだ研究が始まったばかりなのである。本当に安全なのかは、今のところよく分かっていない。当然、長期被曝による人体影響は未知だ。

研究が進むにつれてリスクが浮上した典型のひとつは、携帯電話のマイクロ波である。マイクロ波は、当初は安全と考えられていた。ところが2011年にWHOの外郭団体である世界癌研究機関が、発ガン性の可能性を認定した。その後の研究では、ごく微量の被曝でも人体影響があることが分かっている。

LEDも同じような道筋をたどる可能性がある。と、すれば「予防原則」を重視して、国策として使用を奨励する前に、安全なのか危険なのかを検証しなければならないはずだ。ところが安倍首相には、そうした視点がない。いや、産業界の利権が絡んでいる可能性もある。

◇ロング・インタビュー

次のロング・インタビューは、理学博士の渡邉建氏にLEDのリスクについてうかがったものである。

■危険が指摘され始めたLED照明(ブルーライト)による人体影響、理学博士・渡邉建氏インタビュー①

■危険が指摘され始めたLED照明(ブルーライト)による人体影響、理学博士・渡邉建氏インタビュー②