1. 電通が2億3000万円の過剰請求で謝罪、博報堂は裁判と取材拒否、単純とも複雑ともつかない事件の概要

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2016年09月24日 (土曜日)

電通が2億3000万円の過剰請求で謝罪、博報堂は裁判と取材拒否、単純とも複雑ともつかない事件の概要

【サマリー】電通が記者会見を開いて、過去に111社から約2億3000万円を過剰請求をしていたことを謝罪した。同じタイプの事件が博報堂でも起こっており、広告代理店によるPR業務の実態が業界全体で問われることになりそうだ。

電通はみずからの非を認めて謝罪したが、博報堂は裁判で争っている。取材も拒否している。博報堂事件の概要を説明しよう。

■博報堂の経営陣

広告業界にとって衝撃的な事件が起きた。

電通は9月23日、ネット広告に絡み不適切な業務が行われていたと発表した。広告主に対し広告の運用状況や実績について虚偽の報告をしたり、実態と異なり過剰に請求した例などが含まれ、対象となる広告は現時点で111社の約2億3000万円に上る可能性があるという。(ITmedia ビジネス)

過剰請求の額は、2億3000万円。対象となる広告主は111社だという。

PR業務の過剰請求が最初に問題になったのは、昨年の秋ごろだった。メディア黒書でも報じてきたように、そもそもの発端は化粧品などの通販会社・アスカコーポレーション(以下、アスカ)に対して、博報堂が約6億円1000万円の未払い金を請求する裁判を起こしたことだった。

それに先だって博報堂は、予告なく供託金を積んでアスカの銀行口座を仮差押えした。

これに対してアスカは、係争の対象となった約6億1000万円の中身を精査した。その結果、約4億1000万円は不正な請求と判断。さらに過去に博報堂が行ったPR業務全体を精査して、博報堂に対し今年の5月に最初の裁判を、8月に2件目の裁判を起こした。請求額の総額は、約63億1000万円にもなる。

不当利得の有無は裁判所が判断することになる。

PR業務そのものが極めて広範囲に及んでいるので、必然的に争点も多い。メディア黒書で記事化した主要なものにリンクを張った。それぞれが独立しているが、全体の構図は、PR業務に対する請求額に関する争いである。

1、情報誌制作費

2、撮影費

3、タレント出演料

4、アフィリエイト

5、通販番組制作費・編集費

6、PR活動費

7、企画・メディアプランニング費等

8、TV-CM費

9、新聞広告費

10、雑誌広告費

11、ラジオ番組制作費

12、イベント費

13、テレビ放映中止後の放映料

14、ホームページ制作費

15、通販番組受付業務費

16、CM「間引き」

17、番組提案書に明記する放送枠の視聴率偽装

18、放送確認書の偽造

19,放送確認書の代筆

20,、放送休止分の請求と転売

◇メディアの報道

これまで博報堂事件を報じてきたメディアは、筆者が把握している限りでは、次の通りである。

1,週刊実話
2,月刊TIMES
3,紙の爆弾 
4,ZAITEN
5,週刊金曜日

6,アクセスジャーナル(インターネット)
7,ビジネスジャーナル(インターネット)

電通が迅速な自主調査で非を認め謝罪したことで、広告代理店のPR業務のあり方が広告業界全体で問われることになりそうだ。