新潟日報販売店の元従業員が販売店を提訴、新聞配達中のケガなどで500万円を請求
新潟日報の販売店で働いていた店員が、退職後、販売店に対して勤務時期中に命じられた異動に伴う引っ越しの経費や、新聞配達業務が原因で発症したとされる「両変形性股間関節症」などの治療費など、総額500万円の損害賠償を求める裁判を新潟地裁に起こした。
訴状によると原告は、2015年5月から市内の新潟日報販売店で配達や新聞拡販などの仕事を始めた。その後、2017年7月に同系列の別の販売店へ異動になったが、引っ越しに伴い発生した費用を自己負担させられたという。
また、異動先の販売店では、バイクか車で新聞配達業務をおこなう業務形態が基本になっていたにもかかわらず、バイクの免許を取得していなかったために、自転車での業務を強いられ、股間関節の病気を発症した。しかし、負担の少ない配達区域への変更は認められず同年の10月に退職を余儀なくされた。
第1回の口頭弁論は、10月28日、午前10時から新潟地方裁判所の第2号法廷で行われる。
訴えられた販売店は、筆者の取材に対して「係争中なのでコメントしない」と答えた。
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このところ新聞販売店の労務問題は、公にはなっていないが、人材不足になっている事情もあり、かなり劣悪になっているという話はよく聞く。人件費が安いベトナム人ら数多くの外国人が配達業務を担っているが、外国人という立場上、なかなか問題を指摘できないようだ。