1. 著作権裁判の勝訴4周年 弁護士懲戒請求はいまだに決定待ち

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2013年04月01日 (月曜日)

著作権裁判の勝訴4周年 弁護士懲戒請求はいまだに決定待ち

3月30日は東京地裁が著作権裁判(原告:読売・江崎法務室長VS被告:黒薮)で、わたしに対して勝訴判決を下した日である。判決が2009年であるから、勝訴4周年である。

この裁判は読売の江崎法務室長が、わたしに対してEメールで催告書を送付したことに端を発している。催告書は、わたしが新聞販売黒書に掲載した次の文章の削除を求めたものである。

前略? 読売新聞西部本社法務室長の江崎徹志です。? 2007年(平成19年)12月17日付け内容証明郵便の件で、訪店について回答いたします。? 当社販売局として、通常の訪店です。

この文章は読売と係争状態になっていたYC広川(読売新聞販売店)に対する訪問再開を、読売の販売局員がYC広川に伝えたのを受けて、店主の代理人弁護士が読売に真意を確認したところ、送付された回答書である。(わたしはこの回答書を新聞販売黒書に掲載した。)

江崎氏が回答書の削除を求める根拠として、催告書の中で主張したのは、回答書が著作物であるからというものだった。しかし、著作物とは、著作権法によると、次の定義に当てはまるものをいうので、江崎氏の主張は的外れだ。

思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。????  

つまり回答書が著作物であるという催告書の記述は、完全に間違っている。それにもかかわらず削除に応じなければ、刑事告訴も辞さない旨が記されていたのだ。当然、わたしは怪文書と判断した。正直、読売の法務室長の強引さに気味が悪くなった

◇催告書の名義を偽って提訴

そこでわたしは回答書に続いて、催告書を新聞販売黒書(現・メディア黒書)に掲載した。放送局などに怪文書が送付された場合、ニュースで視聴者に公表することがよくあるが、わたしも同じ方法で催告書を公開したのである。

これに対して江崎氏は、催告書の削除を求めて裁判所に仮処分を申し立てた。 不思議なことに裁判所は、江崎氏の訴えを認めた。そこでわたしは本訴を選択した。(敗訴した側が本訴を要求した場合、これに応じなければ、仮処分は取り消される)

こうして江崎氏を原告に、わたしを被告とした著作権裁判が始まったのだ。

江崎氏が催告書の削除を求めた根拠は、催告書が自分が書いた著作物である という主張である。これは著作者人格権に基づいたものである。

【著作者人格権(ウィキペディア】 著作者人格権は著作権が他者に移転された後も著作者が保有する権利とされており(ベルヌ条約6条の2第1項)、一身専属性を有する権利として把握される。つまり、権利の主体は著作権者ではなく、あくまでも著作者である。また、保護の対象が財産的利益ではなく人格的利益である点で、著作権と区別される。

つまり催告書は、自分が書いたものであるから、わたしにはそれを公表する権利がない、従ってサイトからそれを削除すべきだという論理である。

ところが裁判が進むにつれて、催告書の作者は別にいたのではないかという重大な疑惑が浮上した。そして判決で東京地裁が、催告書を作成したのは、江崎氏ではなくて、喜田村洋一・自由人権協会代表理事か彼の事務所スタッフの可能性が極めて高いと認定したのである。

知財高裁も、次のように原審を認定した。

上記認定事実によれば、本件催告書には、読売新聞西部本社の法務室長の肩書きを付して原告の名前が表示されているものの、その実質的な作成者(本件催告書が著作物と認められる場合は、著作者)は原告とは認められず、原告代理人(又は同代理人事務所の者)の可能性が極めて高いものと認められる。

(参考:認定箇所=ここをクリック)

つまり江崎氏は著作者人格権を有していないことが認定されたのだ。当然、裁判は、催告書の著作物性を検証するまでもなく、門前払いのかたちで、江崎の敗訴となった。(しかし、東京地裁は、催告書に著作物性があるか否についても検証した。その結果、著作物性はないとの判断を下した)

江崎氏は催告書の作者ではないわけだから、元々、著作者人格権を根拠とした裁判を起こす資格がなかったわけだ。資格がないにもかかわらず、催告書の作成者は自分であるとの前提で提訴に及んだのである。

ひらたく言えば、催告書の名義を自分に偽って、わたしを提訴したということになる

◇『弁護士業務基本規程』の第75条

しかし、事件はこれだけでは終わらなかった。自由人権協会の喜田村弁護士の責任が問われることになったのである。  ?? 『弁護士業務基本規程』の第75条に次のような条項がある。

弁護士は、偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし、又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない。

喜田村弁護士は、催告書の作成者が江崎氏ではないことを知っていながら、江崎氏が作成者であるという虚偽を前提に、訴状や準備書面を提出したのであるから、『弁護士業務基本規程』の第75条に違反している。そこでわたしは、喜田村弁護士が所属する第2東京弁護士会に対して、喜田村弁護士の懲戒請求を申し立てた。次に示すのが、わたしの主張である。

 (弁護士懲戒請求・準備書面=ここをクリック)

通常、弁護士会は半年ぐらいで、処分を決めるが、この件は申立からすでに2年が過ぎているが、未だに結論が出ていない。かりに虚偽を前提に他人を法廷に立たす行為が罰せられないとすれば、司法の秩序は崩壊する。最も厳しい処分を下すべきだというのがわたしの主張である。