2020年07月19日 (日曜日)
通信基地局に関する情報は開示しない、全国共通の疑問点、朝霞市のKDDI基地局問題、時系列ノート⓮
GO TOキャンペーンの断行、森友学園事件のもみ消し、黒川弘務検察官の不起訴・・・。このところ理不尽な現象が日常化している。さながら亡国の前兆のような予感がする。
あまり知られていないが、わたが最もおかしいと感じている事柄のひとつに、携帯電話の基地局に関する情報の非開示がある。総務省をはじめ地方自治体などに問い合わせても、基地局に関する情報が公開されることはまずない。電話会社も、企業秘密を理由に応じない。応じないが、基地局は設置させてくれと言ってくる。あげくの果てに、強引に設置工事を断行する。
その構図は、米軍に関する情報が、事実上、非開示になっている状況と類似している。他国の軍隊が日本に乗り込んで来て、日本人の主権を踏みにじっていながら、国も地方自治体も米軍に関する情報を機密あつかいにしているのと同じ構図だ。その構図が、通信基地局の関しても全国津々浦々まで浸透している。
通信基地局に関する情報が、いかに固く密閉されているかを知ったのは、わたしがいまジャーナリズムの土俵に乗せている埼玉県朝霞市のKDDI基地局問題が起きた後である。朝霞市に対して情報公開を申し立てても、KDDI側に問い合わせても、肝心な情報はほとんど開示されない。企業秘密を理由にして、公開を拒否している。
つまりKDDIに限らず基地局周辺の住民は、自分たちがどのような電磁波を被曝させられているのかをまったく知ることができないのである。被曝の期間がいつまで続くのかも不明だ。推測になるが、おそらく終わりがない。契約書も非開示だから、調査の方法がない。
さらに基地局の仕様が変更になっても、住民はそれを知ることができない。従って、電磁波による人体影響が現れても、裁判などでそれを立証することはできない。
病気になれば自治体や電話会社がどう責任を取るのかという根本的な質問しても、総務省の電波防護指針を守っているから、心配はいらないという無責任な答えしか返ってこない。意外に自覚されていないが、重大な情報隠蔽が住民の身近なところで起きているのだ。
◆◆
基地局に関する情報を開示させる運動は、現在のところ存在しない。住民運動にそのような視点もない。朝霞市のケースはおそらく最初の事例になる。
このところ全国各地で、基地局を設置させない運動や撤去の運動が広がっている。個々のケースを取材してみると、やはり情報の非開示という共通した問題がある。
以下に紹介するのは、朝霞市のKDDI基地局問題の時系列ノートである。わたしからの質問に対して、KDDI側がいかに情報開示に後ろ向きかが読み取れるはずだ。形式的には回答していても、肝心な部分は巧に避けている。
情報提供先:048-464-1413 (メディア黒書)
【時系列ノート⓮】
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【7月16日(木)】
KDDIエンジニアリングの藤田氏へ、回答を催促するメールを送付した。
以下、7月15日付けのメールを再送します。
すみやかに話し合いの大前提になる情報の開示をお願いします。
黒薮
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藤田智晃様
CC:大塚様
繰り返しますが、話し合いのたたき台となる①~⑧の資料をすみやかに提出してください。
なお、話し合いは基地局の設定を前提としたものではなく、あくまで設置の是非を話し合うものです。また、朝霞市内における今後のKDDI基地局設置に関する禁止事項も含みます。
コロナウィルスの感染が広がっているので、当面は、メールで意思疎通をはかりましょう。直接の面談は、感染が落ち着いた後に設定しましょう。
①電磁波の照射範囲をしめす地図
②想定される電力密度
③朝霞市との契約書(契約期間と賃料の調査目的)
④5Gへの切り替え時期と、その後の電力強度、及び照射範囲を示す地図
⑤住民説明を実施したことを示す書面
⑥電磁波過敏症が発生した場合の対策
⑦KDDIの担当者名
⑧KDDIが住民説明会を開いたことを裏付ける書面の提出日
黒薮
【7月17日】
質問に対して藤田氏から返答があった。以下の内容です。
黒薮様
KDDIエンジニアリング(株)
藤田です。
周辺にお住まいの方への対応として連絡させていただいております。
城山公園に設置する基地局に関して頂いたお問合せについて回答させて頂きます。
・電磁波の照射範囲をしめす地図と想定される電力密度についてですが、
社外に公開していない情報となりますので、回答は控えさせていただきます。
基地局は黒藪様のお住まいのマンションからは120メートル程離れておりますので、
当該基地局から到来すると思われる電波は国の安全基準の防護指針値を大きく下まわ
る数千分の1以下の値になると想定しています。
・朝霞市との契約書についてですが、当事者間の話であり回答は控えさせていただきます。
ご理解の程よろしくお願いいたします。
・5Gへの切り替え時期等についてですが、先に回答させていただいた通り、今回の設置
は800MHz帯であり、それ以外のシステムについては現時点での設置計画は未定である
ことから回答することはできません。ご理解の程よろしくお願いいたします。
・住民説明についてのお問合せについてですが、社内のルールに従い対応しております。
説明に関するお問合せについては、個人情報、弊社のノウハウに係わる情報開示はして
おりませんので回答は控えさせていただきます。ご理解の程よろしくお願いいたします。
・電磁波過敏症が発生した場合の対策についてですが、電磁過敏症の症状を電磁界ばく露
と結びつける科学的根拠はないものと認識しています。
・KDDIの担当者名についてのお問合せですが、周辺にお住まいの方への対応は、KDDIエ
ンジニアリングにて対応させていただいております。
どうぞよろしくお願いいたします。
【7月17日】
藤田氏の回答を受けて次のメールを送付した。
藤田様
下記の回答ですが、情報は公開しないが、基地局は設置するという貴社の姿勢がが露骨に現れています。これではまるで沖縄の米軍と同じではないですか。話し合いの前提となる情報を公開しないのであれば、住民はどのようなタイプの電磁波を被爆し続けるのかすら知ることができません。
今回の計画は、断念して、今後、朝霞市内には基地局を設置しない確約をしてください。
最大の問題は貴社が、1990年以前の古い研究データを基に作成された総務省の電波防護指針を鵜呑みにされていることです。繰り返し警告しますが、日本の電波防護指針は、規制になっていません。EU等を指標としてください。総務省の電波防護指針は、貴社らがビジネスを展開する口実になっています。
ちなみに都市公園法の7条については、どういう見解なのでしょうか。
来週中に、貴社の回答のうち未回答箇所を検証して、再度質問させていたきます。
黒薮
※なお、メールでの通信は公開が前提となっておりますので、ご理解ください。
-----Original Message-----
From: 藤田 智晃 <tok-fujita@k-eng.kddi.com>
Sent: Friday, July 17, 2020 6:18 PM
To: xxmwg240@ybb.ne.jp
Cc: 藤田 智晃 <tok-fujita@k-eng.kddi.com>
Subject: RE: 【再送】