2020年07月03日 (金曜日)
通信基地局から400メートル以内の癌発症率は3.5倍 ドイツの疫学調査②
通信基地局と癌の関係を示唆する疫学調査としては、ドイツの例もある。
ドイツの医師たちが、1993年から2004年まで、特定の団体から資金提供を受けずにナイラ市で行った調査がある。
対象は、調査期間中に住所を変更しなかった約1000人の通院患者である。基地局は93年に最初のものが設置され、その後、97年に他社の局が加わった。
これらの患者を基地局から400メートル以内のグループ(仮にA地区)と、400メートルより外のグループ(仮にB地区)に分けて、発癌の情況を比較した。
最初の5年については、癌の発症率に大きな違いがなかった。
しかし、99年から04年の5年間でA地区の住民の発癌率が、B地区に比べて3・38倍になった。しかも、発癌の年齢もA地区の方が低くなった。たとえば乳癌の平均発症率は、A地区が50・8歳で、B地区は69・9歳だった。