福岡高裁が和解を提案、佐賀新聞「押し紙」裁判の第1回口頭弁論
佐賀新聞販売店の元店主・寺崎昭博さんが起こした「押し紙」裁判の控訴審・第1回口頭弁論が、15日午後、福岡高裁で開かれた。裁判所は、双方に対して和解を提案した。
それに先立って、一審原告側が口頭で意見陳述を行った。
江上武幸弁護士は、「押し紙」を柱とした新聞の商取引きの仕組みについて解説した。佐藤潤弁護士は、控訴理由書の要旨を説明した。さらに原告の寺崎さんは、「押し紙」でみずからが受けた被害について述べ、「もうこれ以上同じような思いをほかの人にして欲しくありません」と締めくくった。
佐賀新聞弁護団からは、寺崎さんが陳述書の中で佐賀新聞販売店には「積み紙」の概念がないと記述している部分について反論があった。佐賀新聞の主張は、地区新聞公正取引協議会の規約(昭和60年)などに、「押し紙」と「積み紙」を禁止する条文が存在するというものである。
和解のプロセスは、寺崎さん側が10月15日までに和解案を提出する。その内容は現時点では不明だが、双方が合意に至らない場合は、11月5日に第2回口頭弁論を開き、結審する可能性が高い。
寺崎さんの弁護団が陳述した意見書は次の通りである。
【参考資料】