1. 参院選で際立った山本太郎(れいわ)と立花孝志(N国)の有権者をなめきった無責任ぶり

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2019年07月26日 (金曜日)

参院選で際立った山本太郎(れいわ)と立花孝志(N国)の有権者をなめきった無責任ぶり

22日に投票が行われた参院選は、盛り上がりに欠けた。れいわ新選組の山本太郎氏は議席を失った。党としては、2人当選したが、最も熱心にみずからの政策を訴えていたひとが、議席を確保できなかったわけだから、戦略的におかしい。無責任という以外に言葉がない。もともと本気で日本の未来を考えていたのではないかも知れない。わたしは、この党はまもなく消滅すると予測している。

れいわ新選組の議員になった2人は重度の身体障害者で看護を必要とする。このうちのひとりは難病のALSだ。闘病中だ。コミュニケーションも容易ではない。どこまで議員活動ができるのか実験的な試みなのかも知れないが、ある意味では無責任だ。国会が劇場ではこまるのだ。

こうした批判を展開すると、「差別者」のレッテルを張られかねないが、議員活動は多忙で体力を要する。感情にまかせた「殴り込み」のような印象がある。山本氏の目的が分からない。

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NHKから国民を守る党が1議席を獲得した。わたしはNHKは解体すべきだと考えていることもあって、「N国」の主張そのものには共感できる部分もある。わたしが在住している朝霞市にも、N国の市議がひとりいたが、今回の参院選に出馬するために、市議を辞職して、東京選挙区から立候補した。結果は落選。

立花氏の選挙歴をウィクペディアから引用してみよう。赤文字に注意してほしい。

2013年9月大阪府摂津市議会議員選挙に立候補するも落選[8]

2014年2月東京都町田市議会議員選挙に立候補するも落選[9]

2015年4月千葉県船橋市議会議員選挙に立候補し、2622票で当選[10]

2016年7月船橋市議会議員を任期中に辞任して東京都知事選挙に立候補するも落選[11]

2017年1月、大阪府茨木市議会議員選挙、7月東京都議会議員選挙葛飾区選挙区)に立候補するも落選[13][14]

2017年11月、東京都葛飾区議会議員選挙で、2954票で当選[16]

2019年5月大阪府堺市長選挙に党公認で立候補(これに伴い葛飾区議会議員を失職)。投開票の結果落選。

2019年7月21日投開票の第25回参議院議員通常選挙比例区から立候補し、当選した。同時に同党は政党要件を満たしたため、国政政党の党首となった。

全国を転々として、選挙に出馬して、当選しても辞任を繰り返して、別の選挙に立候補しているのだ。投票した人に背を向けているということである。有権者を裏切っているに等しい。無責任ぶりも度を越えている。

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無責任な政治の元祖といえば、小沢一郎氏である。元自民党。田中角栄の弟子。1993年に小泉純一郎よりも先に、急進的な構造改革を叫んで自民党を飛び出した。以来、野党を分解しては再編成する作業を延々と繰り返してきた。わたしは小沢も田中も支持しない。美化もしない。日本を堕落させたつまらない政治家だ。

小沢氏の動きに疑問を唱えていた共産党まで、最近はこの流れに巻き込まれた。小沢批判をやめた。三宅雪子氏が『しんぶん赤旗』に登場する事態になっている。共産党が議席を減らした背景に小沢氏への接近があったことは間違いない。広義のしばき隊との共闘も問題だが、小沢氏に同調していることが、決定的に国民の不信感をかっている。

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自民党政治が延々と続くのも困りものだが、たとえ今の野党が連立政権を打ち立てても2009年に成立した民主党政権のにのまえになるのは目に見えている。これまで以上に政治不信が広がるだろう。

そもそも日本が袋小路に入ってしまった原因は、小選挙区制にある。この制度の下では、死票が増えるので、民意を反映することができない。小選挙区で勝つために野党は、政策が異なっても共闘せざるを得ない。が、もともと政策が一致しないのだから、成功するはずがない。

だれが小選挙区制の導入の旗振り役を務めたのか?。わたしは、小沢一郎氏だったように記憶しているのだが。