1. 希望の党「厚化粧」の下のとんでもない素顔、民新党からの転向議員の暗澹たる未来

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2017年10月05日 (木曜日)

希望の党「厚化粧」の下のとんでもない素顔、民新党からの転向議員の暗澹たる未来

結党から2週間たらずで、希望の党の素顔が露呈してきた。はやくも分裂の亀裂が生じはじめた。崩壊は時間の問題だろう。処方箋はない。

まず、東京都議で都民ファーストの音喜多駿氏と上田令子氏が、同党からの離党を表明した。マスコミ報道によると、小池知事が決めた取材規制や言論規制を受け入れがたいというのがその理由らしい。若い世代の当然の要求で、爺さん婆さんの世代から指図される道理はないということだろう。ジェネレーション・ギャップである。

また、元民新党の前議員・篠原孝氏(長野1区)と、元議員の道休誠一郎氏(宮崎1区)が希望の党からの出馬を取り消した。理念が異なり体質が合わないということらしい。化粧品が肌に合わなければ、メーカーを代えざるを得ないのと同じ原理だ。さもなければアレルギーを起こす。これも賢明な判断だ。

希望の党は、極右政党「日本のこころ」の代表、美白の中山恭子議員が、入党したころからその極右的な体質を現わし、あやしくなってきた。疑念が生じたのである。実際、海外では極右政党という評価があるようだ。たとえば、 CNBC(ファイナンシャルニュース)は、同党の幹部たちが、水島総氏の支援者であると評している。水島氏は、チャンネル桜の代表で、南京事件はなかったと主張している。

◇議員としての理念は?

希望の党から出馬する議員候補のうち、苦しい立場に追い込まれるのは、民進党から「移籍」した候補者たちである。彼らには、特定秘密保護法や共謀罪など、広義の安保関連法案に反対してきた事実があるからだ。

希望の党が公認候補と取り交わした政策協定書から、いくつかの協定事項をピックアップしてみよう。

 2、現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。

 4、憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。

解釈には若干の幅があるが、小池代表の安全保障のスタンスは、安倍晋三首相とほとんど同じである。当然、改憲と軍事大国化の方向で議員活動を展開するという政策合意を公認条件としていることは疑いない。

そうすると民進党からの移籍組は、これまで安保関連法案に反対してきたにもかかわらず、そのスタンスを180度変更することになる。このあたりの事情を、彼らは有権者に説明しなけばならない。しかし、合理的な説明が出来る人はほとんどいないのではないだろうか。過去の国会議事録などを検証すれば、二枚舌と評価される人が次々と現れるのだろう。

◇細野豪志氏と共謀罪

たとえば先頭を切って民新党と決別した細野豪志氏は、みずからのブログで共謀罪について次のように述べている。やや古い記録だが参考になるだろう。

私は政府提出の共謀罪の成立は何としても阻止したいと考えています。そのために、櫻井よしこさんをはじめ保守派の論客からも支持を取り付け、皆さんにも共感していただけるような戦いをしていきたいと考えています。

■出典

立憲民主党を立ち上げた枝野氏らは、政治家としての信念を貫いたが、転向した議員らは、どのような方向へ進むのだろうか。今後に注目したい。

筆者は、希望の党が没落するのは時間の問題だと見ている。財界としては、保守の2大政党制を復活させたいのだろうが、1993年の新進党の時代から2大政党制のトリックは長い歳月をかけて徐々に老化し、機能しなくなっている。どんなドラスチックな整形手術をしても、国民の前にその醜く、非人間的なこの党の実態が隠せなくなっている。ばけの皮が剥がれる。それだけ有権者の鑑識眼が鋭くなっているのだ。

【写真】細野豪志氏、出典はウィキペディア