1. 加計・森友事件で安倍晋三・昭恵夫妻を調査しない日本の検察、韓国よりも劣化している日本の三権分立

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2017年07月13日 (木曜日)

加計・森友事件で安倍晋三・昭恵夫妻を調査しない日本の検察、韓国よりも劣化している日本の三権分立

加計学園と森友学園の事件が、そろそろ忘却の途に入った。マスコミは新しい事実が発掘できなければ、新たな報道をしないので、忘却は自然の成り行きともいえる。通常は、このまま事件が曖昧になる。

これら2つの事件に関するマスコミや政界、それに検察など捜査関係者の動きを見ていて、最も不可解に感じるのは、検察の動きである。森友事件の籠池氏は、捜査対象にしているが、2つの事件への関与が疑われる安倍夫妻を取り調べているという話は聞いたことがない。

このうち安倍昭恵氏については、市民団体から国家公務員法違反などの容疑で刑事告発されているが、いまだに受理されていなようだ。

安倍首相については、公人中の公人であるから、事情を聴取するなどして調査するのが民主国家の原則である。潔白が証明できれば、起訴しなければいいだけの話である。一般人を取り調べるよりも、透明性と高いモラルが求められる首相を調べるハードルは低いはずなのだが。

過去には、金権政治と「乱開発」で日本列島をめちゃくちゃにした田中角栄がロッキード事件で逮捕されたことがある。それが戦後、首相が逮捕・起訴された唯一の例である。

◇韓国・米国・グアテマラ

今年、韓国では、朴 槿恵(パク・クネ)大統領が退陣に追い込まれ、その後、検察により起訴された。米国では、FBI(連邦捜査局)が、トランプ大統領の「ロシア疑惑」を調査している。

昨年、中米グアテマラでは、汚職事件に関与したとされる現職のオットー・ペレス=モリナ大統領に対して、最高裁が「不逮捕特権」を取り上げる決定を下した。汚職がその理由だ。その前年には、内戦中の1980年代にジェノサイド作戦(大虐殺)を断行した元将軍リオス・モントに対して、裁判所が禁固80年の実刑を下した。

【参考記事】現職大統領に対して「不逮捕特権」を奪う決定、三権分立の理想を示した中米グアテマラの最高裁判所

ここで取りあげた韓国、米国、グアテマラでは、一応は三権分立が確立されている。グアテマラに関しては、1996年の内戦終結までは、路上で政治の話をすること自体が危険行為だったのだ。80年代の初頭には、同国の最高学府サンカロス大学の教授96人に軍に殺害されている。が、その後、日本を遥かにしのぐ民主国家に生まれ変わった。

◇旧ソ連・北朝鮮・日本

ところが日本では、三権分立が形骸化していて、権力を持つ者はめったに取り調べの対象にはならない。官庁では天下りなどの汚職がはびこっている。大企業や国を相手に裁判をしてもまず勝ち目がない。地裁で勝っても最高裁で敗訴する仕組みになっている。提訴の段階から、判決が決まっているのだ。

日本の国態はむしろ旧ソ連や北朝鮮に近い。自分たちの国が「自由な国家」の住人だと思っている人々は、メディアによって洗脳されているのである。