早河洋会長らテレビ朝日の幹部、安倍首相と官邸などで会食を繰り返していた、古賀氏の見解は「右からの安倍批判」
テレビ朝日の「報道ステーション」で、元経済産業省官僚の古賀茂明氏が安倍政権を批判するなどの「騒動」が起きたことに対して、テレビ朝日の早河洋会長が謝罪したことが報じられている。早河氏は、古賀氏の降板に関しても、「官邸からの圧力めいたものは一切ない」と弁解したという。
メディア企業と安倍内閣の癒着といえば、本ウェブサイトでも報じたように、『ZAITEN』(4月号)が、「安倍首相とメシを食うモラル無きマスコミ人たち」と題する記事で、その実態を暴露している。同記事は、2013年1月から2015年2月までの間に、安倍首相と会食したメディア関係者のリストを掲載している。
それによるとテレビ朝日の関係者は、安倍首相と3回、会食している。詳細は次の通りである。
2013年3月22日・早河洋社長(当時)・2時間・首相官邸
2014年3月18日・広瀬道貞元会長・1時間30分・パレスホテル東京
2014年7月4日・早河洋CEO/吉田慎一社長・3時間・首相官邸
会食費が国費なのか、安倍氏のポケットマネーなのか、それとも「割り勘」なのかは不明。
ちなみに欧米では、メディア企業のトップと国のトップが官邸などで会食すれば、ジャーナリズム企業としては成立しなくなる。
◇新自由主義者としての古賀氏
ただ、「報道ステーション」で当日、古賀氏が語った内容にも大きな問題がある。たとえば、次の見解である。
今度の国会というのは、安倍さんは、「改革断行国会」と名前を付けたんですね。改革するぞと。しかし、はっきり言って、今のところ岩盤規制にメスを入れますという話は出てきていないわけですね。農業でいえば農協改革、最初は非常に大きなことを言っていましたが、結局、統一地方選で協力を得るためには、地域農業にメスを入れられないんだということで・・。
これは安倍内閣が方針としている新自由主義=構造改革の導入が足踏みし始めたことに対する「右からの批判」である。情け容赦なく新自由主義=構造改革の導入を断行せよと言っているのだ。規制も緩和しろと言っているのだ。
改めていうまでもなく、新自由主義=構造改革の導入が足踏みし始めたのは、新自由主義=構造改革の矛盾が顕著になってきたからである。
古賀氏は、新自由主義=構造改革の支持者である。その意味では、本当の安倍批判にはなっていない。