2016年09月14日 (水曜日)

内閣府の職員が情報公開資料を露骨に「黒塗り」、新聞・テレビへ流れた税金の使途を隠蔽

特定秘密保護法が運用されるようになってのち、情報公開制度が形骸化しはじめている。「国家公務員」が肝心な情報を黒ぬりにしたうえで、書面を開示する傾向が顕著になっている。まったく愚かな行為だ。

次に示す内部資料(PDF)は、博報堂が内閣府に送付したテレビ・新聞関連の請求書の全部である。今年の8月に内閣府が、筆者の情報公開請求に基づいて内閣府の職員が公開したものだ。

■博報堂の請求書

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2016年09月13日 (火曜日)

博報堂事件でアスカが主張、「アフィリエイト(成功報酬型のインターネット広告)で水増しがあった」

アフィリエイトとは、成功報酬を基本とした広告のことで、インターネットの普及と共に新しいPR戦略として登場した。たとえば広告主が自社のバーナー広告をウエブサイトに張り付けてもらい、その結果、ここを窓口として新規顧客を獲得する。この場合、広告主はウエブサイトに対して成功報酬を支払う。

当然、新規の顧客が多ければおおいほど、成功報酬も高くなる。新規の顧客が少なければ、成功報酬も少なくなる。いわば完全な成果主義スタイルの広告と言えよう。

アスカコーポレーションが博報堂に対して起こした過払金返還請求訴訟(請求額は約15億円)の中でも、アフィリエイトをめぐる争点がある。新規の顧客獲得数を、博報堂が水増ししていたというのがアスカの主張である。

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2016年09月12日 (月曜日)

チリの軍事クーデターから43年、映像ジャーナリズムの最高傑作『チリ潜入記』

チリの軍事クーデターから、43年が過ぎた。

ラテンアメリカの諸紙によると、クーデターで亡くなった「サルバドール・アジェンデ元大統領と1973年の軍事クーデターを記憶するための儀式、オマージュ、それに祈念行事が9月11日に各地で行われた」(チリの国営新聞『LaNacion』)

1970年にチリは、大統領選挙で社会党のサルバドール・アジェンデが当選して、社会党、共産党、キリスト教民主党の連立政権(UP)が成立した。これは世界史上ではじめて、選挙によって成立した社会主義をめざす政権だった。

しかし、米国のニクソン政権は、チリに多国籍企業が進出していることなどから、アジェンデ政権に猛反発して、経済封鎖などさまざまな策略をめぐらせる。資本家の〈ストライキ〉まで起こり、チリ経済は混乱に陥った。

しかし、1973年の総選挙でUPが勝利して合法的にアジェンデ政権を倒せないことが明らかになると、米国CIAがピノチェット将軍と共謀して、軍事クーデターを断行。アジェンデ政権の支持者に銃弾が襲い掛かった。国立サッカースタジアムでは、連行されてきた多くの人々が命を落とした。歌手のビクトル・ハラも銃弾に倒れたひとりである。

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2016年09月10日 (土曜日)

郵政事件で浮彫になった博報堂の営業戦略、PR業務の1社独占と高額請求の手口、アスカの被害は氷山の一角か?

アスカコポーレーションと博報堂の係争を理解する上で欠くことが出来ないのは、俗にいう郵政事件の中身である。郵政民営化は、国策として推進された事情があるので、郵政事件に関する報道は、皆無ではないにしろ、極めて限定的で、その全容は報じられていない。

しかし、事件である以上は、完全に闇の中に消し去ることはできない。事実、事件に関する調査報告書の類は存在する。

改めていうまでもなく筆者が、郵政事件をクローズアップするのは、郵政を舞台に博報堂が繰り広げた策略と極めて類似した策略が、アスカに対しても適用されていたからだ。結論を先に言えば、企業方針を決める権限を持つ上層部と一般社員の間に、博報堂が介在して巧みに方針をねじまげ、PR業務を乗っ取ってしまう策略である。

が、この点に言及する前に、数少ないマスコミ報道の中から、郵政事件の異常さを物語る記事を紹介しよう。この記事は、はからずもPR業務の「乗っ取り」が招く恐るべき実態を描いている。2009年10月4日付けのAsahi.comの記事である。

■日本郵政、広告発注に契約書なし 博報堂に368億円

記事が述べているように、博報堂は日本郵政グループ(持株会社を含めて4社)との間で、PR業務を独占する契約を交わしたが、「同社との間で覚書や合意書などの契約書類」は交わしていなかった。しかし、契約額は2年間に368億円にもなっていたという。

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2016年09月09日 (金曜日)

平成20年度だけで郵政から博報堂へ223億円を発注、日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会の報告書が記録した事実

「置き引き」という行為がある。空港などで足元に荷物をおいて搭乗手続きをしている時など、ちょっと目を離したすきに、さっと荷物をさらっていく手口である。ネズミ小僧も顔負けの早業だ。

筆者が博報堂の取材をはじめたのは、今年の3月であるから、開始から半年が過ぎた。最初は折込広告の水増し疑惑程度に考えていたが、その後、取材が進むにつれて、アスカコーポレーションが被った被害額の大きさもさることながら、騙しの手口が多様でさまざまな分野に被害が及んでいることがわった。

スキがあれば、そこに付け込んでくる。まさに置き引きを連想させる手口なのだ。経済事件の取材には、怒りや悲壮感が付きものなのだが、今回は、ブラックユーモアがある。

たとえば、2010年に福岡市の大濠公園でイルミネーションイベントが行われ、アスカは主催者にはならなかったものの、特別協賛企業として3000万円の予算を限度として、イベントをサポートしたのだが、イベントが終わってみると、イベントを仕切った博報堂側から5,500万円も請求された。しかも、警備費やらPR費やら、事務局対応費やら、わけのわからない請求が並んでいたという。(この事件については、日を改めて記述する機会があるかも知れない)。

不正は、アスカが過去の調査を強化するにつれて、次々と「発見」されている。もちろん、「置き引き」レベルよりも遥かに悪質な不正、たとえばCMの番組提案書に嘘の視聴率を書き込んで、番組枠を買い取らせた疑惑で、約48億円を請求されている大事件もあるが、不正の手数と言う点からすると、「置き引き」のレベルが多い。

最高検察庁から松田昇氏が人物が天下りしている事実と不正の多さが整合しない。本来、検察人脈を使って、不正を「取り締まる」のが松田氏の任務なのだが、何をやっているのだろうか。が、これでも博報堂DYメディアパートナーズは東証の上場企業である。

半年の取材を経て、次に考えなくてはならないのは、天下り問題も含めた企業体質である。博報堂事件を考えるうえで、特に留意しなければならない過去の事件がある。それは2008年ごろから明るみに出てきた郵政関連の事件である。ちょうどこの同じ時期に、博報堂は同じ「指揮官」の下で、アスカのPR業務を独占するようになったのである。そして、今にして思えば「置き引き」を連想させる不正を繰り返していたのだ。

この郵政関連の事件には博報堂の体質がよく現れている。

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2016年09月08日 (木曜日)

新聞没落に歯止めかからず、朝日は1年で約33万部減少、毎日は約19万部減少

2016年7月度のABC部数が明らかになった。急激な部数減の傾向に歯止めはかかっていない。特に朝日新聞と毎日新聞の部数減が著しく、朝日は対前年同月差で-325,156、毎日は-192,085である。

朝日新聞 6,465,794(-325,156)
読売新聞 8,979,199(-130,270)
毎日新聞 3,060,091(-192,085)
日経新聞 2,719,928(-18,041)
産経新聞 1,569,836(-31,998)

地方紙を含む全紙の部数は次の通りである。

■2016年度のABC部数

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2016年09月07日 (水曜日)

広告代理店から内閣府に対する請求総額は約48億円、博報堂からの約20億円の請求のうち、テレビ関連の金額と局名だけが未公開に

政府の広報活動の実態が明らかになった。2015年度、内閣府に対して広告代理店が送付した公共広告(主に新聞)とテレビスポットCMの請求額の総額は、48億1704万485円だった。

この金銭は、主に新聞社、放送局、広告代理店の収益になっている。

広告代理店ごとの請求額内訳は次の通りである。

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2016年09月06日 (火曜日)

日立製作所から最高裁事務総局宛の請求書で請求月日がすべて空白に、裁判員制度に関する経理の検証

竹﨑博允・元最高裁長官の時代の経理が尋常ではない。5日付けメディア黒書で既報したように、裁判員制度に関連した民間企業からの請求書に、請求月日が欠落しているものが多量にあるのだ。

パナソニックからの請求書に関しては既報したが、日立製作所からの請求書も同類である。筆者の検証に誤りがなければ、請求月日が記されているものは一枚もない。

次に示すのが、日立製作所から最高裁事務総局へ送られた請求書の詳細である。

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2016年09月05日 (月曜日)

パナソニックから最高裁事務総局へ裁判員制度をめぐり8億円超の日付のない請求書、NTTデータからは1億円超、日立は今後調査

裁判員制度の構築と運営に関連して、竹﨑博允(写真)・最高裁長官の時代、パナソニックから最高裁事務総局に対し、2009年から2012年までの間に、約8億8600万円の請求が行われていたことが分かった。しかも、請求書の多くに日付がない。当然、竹﨑長官への疑惑が浮上する。

請求書の備考欄に「19年度分」と記されていながら、用度課の受領印が「22・3・15」となっているものもある。だれが見ても不自然だ。

■パナソニックから最高裁事務総局に対する請求一覧

この資料を公表した理由は次の通りである。

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2016年09月02日 (金曜日)

佐賀新聞「押し紙」裁判の弁護団が協力できる佐賀新聞の販売店主者を募集、10月には「押し紙」を考える全国集会に参加

新聞の偽装部数「押し紙」をめぐる2つの動きを紹介しよう。

まず、佐賀新聞の「押し紙」裁判についてである。第1回口頭弁論が次のスケジュールで行われる。

場所:佐賀地裁   2号法廷

日時:10月11日(火) 午前10時10分

原告弁護団は、佐賀新聞の販売店経営者・元経営者で協力が可能な方を探している。「押し紙」で苦しんでいる店主、あるいは元店主の協力を求めている。

【連絡先】
原告弁護団:江上法律事務所:0942-30-3275
メディア黒書:048-464-1413

メディア黒書は、原告の寺崎氏を全面的に支援しており、今後、裁判関連の資料を公開していく予定。もちろん佐賀新聞からの反論も受け付ける。

◇新聞の偽装部数『押し紙』を考える全国集会

第2のお知らせは、「新聞の偽装部数『押し紙』を考える全国集会」(仮タイトル)開催についてだ。日程と場所は次のとおり。

場所:板橋文化会館(大会議室・東京都板橋区)

日時:10月2日(日) 午後

この大会は左派・右派・無党派の壁を超えて、「押し紙」が理不尽だと感じている人々がひとつの会場で「押し紙」問題について考えることを目的としている。当日は、佐賀新聞「押し紙」裁判の原告弁護団や、「押し紙」問題に取り組んできた小坪慎也行橋市議(福岡県)も参加する。

詳しい内容が決まりしだいメディア黒書で告知する。

 注:スパイ活動はお断りします。前歴のある新聞社の関係者は入場できません。

 

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2016年09月01日 (木曜日)

視聴率の偽装がCPO(1顧客獲得あたりの費用)に及ぼす影響

本稿は昨日(8月31日)付けの記事の続編である。

→広告代理店の職能比較、CPO(1顧客獲得あたりの費用)は電通と東急が7万円、博報堂は150万円

既に述べたようにCPOとは、新規の顧客一人を獲得するために費やした販促費用のことである。CPOの金額が低ければ、低いほど、効率的に新規の顧客を獲得していることになる。逆に金額が高ければ、高いほど販促費の規模に見合った顧客獲得が出来ていないことを意味する。

博報堂と係争中のアスカコーポレーションよると、2008年を境界線として、同社のCPOは急激に悪化する。この年から、博報堂がアスカのPR業務を独占するようになっていた。それまでは東急エージェンシーと電通が中心的な位置を占めていた。

東急エージェンシーと電通の時代のCPOは、7万円程度(非公式の数字)で、博報堂の時代になってから、次のような金額になった。

2009年   220,876円
2010年   240,643円
2011年   220,019円
2012年   432,065円
2013年   922,760円
2014年 1,139,010円
2015年 1,538,897円

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