公取委の前委員長・竹島一彦氏が、大手弁護士事務所へ天下り
公正取引委員会の前委員長・竹島一彦氏が退官後、日本の4大法律事務所のひとつである森・濱田松本法律事務所に、顧問として再就職(広義の天下り)していることが分かった。
竹島氏は2006年に公取委が新聞特殊指定の撤廃を打ち出した際に、新聞紙面で激しくバッシングされた。特殊指定撤廃は免れないというのが、大方の予想だったが、自民党の山本一太議員、高市早苗議員らが、特殊指定を扱う権限を公取委から取り上げるための議員立法を提出した結果、撤廃を断念した経緯がある。
実は公取委の関係者が、大手法律事務所へ再就職したケースはほかにもある。たとえば七つ森裁判、清武裁判、黒薮裁判と、次々と裁判を起こしてきた読売(渡邊恒夫会長)の代理人・TMI総合法律事務所へ、公取委の元事務総長・松山隆英氏が、やはり顧問として再就職している。
また、同事務所の顧問弁護士である三谷紘氏も、元公取委の委員である。
森・濱田松本法律事務所やTMI総合法律事務所は、主に企業法務の専門家の集まりである。特にグローバリゼーションの中で、バイリンガルの弁護士をそろえるなど、国際企業法務に力を入れている。
当然、独禁法を考慮に入れて活動しなければならない企業がクライアントになっている可能性が極めて強い。
こうした性質を持つ弁護士事務所が、公的機関の退官者と特別な関係を構築することは、民主主義を後退させる行為にほかならない。癒着の温床になる。ちなみにTMI総合法律事務所には、最高裁の元判事が3名も再就職している。