1. 新聞折込チラシ詐欺 大阪地裁が「中抜き」を事実認定、35万枚のうち5万枚を印刷せず料金請求

折込チラシの水増し問題に関連する記事

2013年03月05日 (火曜日)

新聞折込チラシ詐欺 大阪地裁が「中抜き」を事実認定、35万枚のうち5万枚を印刷せず料金請求

大阪地裁は2月13日、広告代理店「アルファトレンド」が広告主である医師から受注した産経新聞と毎日新聞に折り込む35万枚のチラシのうち、新聞販売店に搬入される前段階で5万部を「中抜き」していた事実を認定した。この5万部は、印刷の発注もせず経費を浮かせていた。折込チラシの水増しを疑った医師が折込手数料の支払いをペンディングしたのに対抗して、代理店が裁判を起こしたところ、逆に法廷で証拠を突きつけられ、代理店の不正行為が認定された。

代理店側は控訴したが、折り込み広告の偽装配達部数が確定したら、新聞業界全体に決定的なダメージを及ぼしかねない。医師はどうやって証拠を押さえ、偽装部数を暴いたのか。折り込みチラシ中抜きの実態を詳報する。(判決文はPDFダウンロード可)【続きはMNJ】

◇裁判官の優れた理解力?

この裁判を傍聴する中で、わたしは幾つかの特徴に気づいた。

まず、第1は判事の構成が「合議」になっていなかった点である。裁判官がひとりだったので、責任を持って公平な判断をしたようだ。

第2に高瀬裁判官の理解力が優れていた点である。これまでの「押し紙」に関連した裁判における最大の壁は、新聞の商取引のカラクリを裁判官にわかりやすく知らせることだった。よく理解できない判事が大半で、結局、新聞社の主張を鵜呑みにするパターンが多かった。それが最も無難であるからだ。

ところが大阪地裁の高瀬裁判官は、新聞の商取引を正しく理解していた。その証拠に判決の中でも、「押し紙」の定義を広義に使っている。

(「押し紙」の正しい定義=ここをクリック)??

山陽新聞の「押し紙」で、販売店を勝訴させた岡山地裁の山口裁判長も、やはり理解力に優れ、判決の中で「押し紙」の定義を正しく使っていた。