1. 横浜・副流煙裁判

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2023年02月21日 (火曜日)

本人尋問を欠席した被告の歩行を撮影、動画を公開、出廷できた可能性が高い

既報したように、病気(車椅子を使っていて歩けない状態)を理由に横浜副流煙裁判(「反訴」)の本人尋問を欠席した被告A夫が、歩いている場面が撮影された。撮影したのは、原告の藤井敦子さんである。撮影日は2月18日。

A夫の山田義雄弁護士は、平田晃史裁判官に対して、A夫の体調が悪く、本人尋問には耐えられないと説明していた。平田裁判官は、出廷が不可能であることを立証するために、医師による診断書を提出するように求めた。しかし、山田弁護士は診断書を提出しなかった。裁判官からその理由を問われて山田弁護士は、A夫が外出できる状態ではないと説明した。体調不良で医療機関にたどり着けないというのである。

しかし、藤井さんが住んでいる団地で、A夫が歩いているという目撃情報が藤井さんのもとに寄せられた。杖をついているが、ほぼ普通に歩いているという。そこで藤井さんは、カメラと録音機を準備して車の中で「張込み」を開始した。張込み開始から3日目に撮影に成功した。

A夫が乗った車が団地に到着すると、藤井さんは自分の車から出て、マンションの3階へ駆けあがった。そこから最初にA妻を、次にA夫を撮影した。次の画像である。

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2023年02月16日 (木曜日)

病気を理由に本人尋問を受けなかったA家の夫、出廷できた高い可能性、車椅子のはずが団地内を歩行、目撃情報が相次ぐ

横浜副流煙裁判の「反訴」で、被告A家の夫(A夫)について新しい事実が判明した。経緯は次の通りである。

先月の24日に、尋問の対象者を決定するための審理が行われた。裁判官は被告側から作田学医師とA夫の尋問を提案した。これに対して被告の山田義雄弁護士が反対した。A夫が体調不良で出廷できる状態ではないというのがその理由である。裁判官は、山田弁護士に出廷できないことを示す診断書の提出を求めた。

しかし、尋問が予定されていた2月9日までに山田弁護士は診断書を提出しなかった。理由は、A夫が車椅子で生活していて、医療機関にアクセスできないからというものだった。

裁判官は山田弁護士の言分を認めて、結局、A夫に対する尋問は実施されなかった。ところが藤井さん夫妻が住む団地で、A夫が杖をついているものの普通に歩いているという目撃が相次いた。そして実際にA夫が歩いている場面が、16日、動画で撮影された。

A夫が車椅子で生活していて、診断書交付を受けるために医療機関へアクセスするのが不可能だとする山田弁護士の説明に強い疑惑が生じたのである。A夫の尋問は実施できていた可能性が高い。

横浜副流煙裁判は4月に結審する予定になっている。しかし、このような重大な事実が明らかになった場合、裁判所はどのように対処するのだろうか。山田弁護士が公正で適正な裁判手続きを妨害したことになるのではないか。

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横浜副流煙事件の本人尋問、「俺、食い逃げかよ?」、作田医師の証言に疑問が続出

横浜副流煙裁判の本人尋問が2月9日に横浜地裁で行われた。筆者は、これまで何度も尋問を傍聴したことがあるが、この日の尋問は恐らくブラックユーモアとして記憶に刻まれるだろう。(事件の概要は、後述)

問題の場面は、日本禁煙学会の作田学理事長(医師)が、証人席に付いているときに起きた。作田医師の弁護人は、藤井敦子さんと酒井久男(写真)さんによる「作田外来」(日本赤十字センター内)への「潜入取材」を取り上げた。2019年7月のことである。

潜入取材の目的は、藤井さんにとっては情報収集である。4518万円の損害賠償を求められたわけだから、その原因を作った作田医師についての情報を集める必要があった。そこで藤井さんは、作田医師による診断書交付の実態を自分の眼で確認するために、酒井さんに付き添って「作田外来」を訪れたのである。診断書交付の様子を確認する必要があった。新聞社やテレビ局に40年勤務しても出来ない取材を、普通の主婦が自分の判断で簡単にやってのけたのである。

たまたま酒井さんには、衣類の繊維に対するアレルギーがあり、藤井敦子さんの目的とも合致したので、2人で東京都渋谷区の日本赤十字センターへ向かったのである。

この件は、筆者が『禁煙ファシズム』の中で暴露したので、作田氏らはこの本を通じて、入念な情報収集が行われていたことを知った可能性が高い。

◆作田医師、「ニコチン検査」に応じず

【続きはデジタル鹿砦社通信】

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遠慮・忖度一切なし!《本音の対談》黒薮哲哉×田所敏夫〈02〉横浜副流煙事件裁判のその後

◆裁判を起こされて何もしなければ、同様のスラップ裁判が起きる可能性がある

田所 結局高裁勝訴で藤井さんは上告なさらなかったのですね。

黒薮 そうです。原告被告双方上告しませんでした。

田所 あの裁判は確定しましたが、逆に藤井さんが原告になり裁判を提訴されていると伺っています。

黒薮 藤井さんが被告の裁判をやっていた時から、もし勝つことが出来たら損害賠償請求をやりましょう、と話はしていました。その理由はこのような裁判を起こされて何もしなければ、同様のスラップ裁判が次々と起きる可能性があると考えたからです。ですから藤井さんにけじめはしっかりつけましょうと話はしていました。ただ裁判のことですので勝訴できる確信はありませんでした。幸いに横浜地裁と東京高裁で勝訴したので、前訴が終わった後、藤井さんが元被告を不当訴訟(訴権の濫用)で提訴に踏み切った訳です。

◆日赤病院のウェブサイトから作田氏の名前が消えた理由

【続きはデジタル鹿砦社通信】

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2023年02月10日 (金曜日)

作田学医師が法廷で藤井敦子さんを「喫煙者」と事実摘示、問診を重視、「空想の世界」と客観的な事実を混同、横浜副流煙裁判の本人尋問

横浜副流煙裁判の本人尋問が9日に横浜地裁で行われた。24席ある傍聴席の8割ぐらいを傍聴者が占めた。詳細については、誤報を避けるために、尋問調書が公開された後に紹介する。この記事では、特にわたしの印象に残った一件について記録しておく。

それは日本禁煙学会の作田学医師が、代理人弁護士からの質問に答えるかたちで、藤井敦子さんが喫煙者であると事実摘示したことである。しかも、原告席に着席していた藤井さんを、証人席から指さして、藤井さんが喫煙者であると断定したのである。当然、傍聴席がざわついた。その場面がわたしの脳裏に残っている。

尋問の中で被告側は、藤井さんに呼気検査を受ける意思があるかどうかを尋ねた。ここで意味する「呼気検査」が具体的に何を意味しているのか、あるいはそのような表現で被告代理人が検査を提案したのかは不明だが、おそらく藤井さんの息を調べることで、喫煙者の可能性があるかどうかを判断する検査ではないかと思う。そのための検査器を作田医師は持参していたらしい。

藤井さんは尋問の中で、即座に「受けます」、「今すぐにここでやりましょう」と答えた。しかし、被告側はその場で検査を実施しなかった。そこで藤井さんは閉廷後に、作田医師や被告弁護士らに近づき、ただちに検査を実施するように求めた。

しかし、作田医師らはそれには応じずに法廷を後にした。藤井さんは3人を追った。エレベーターの中で押し問答になった。裁判所内での検査は許可されていないので、取材者であり藤井さんの支援者でもあるわたしは、裁判所をでたところで検査するように求めた。撮影の準備もした。

しかし、3人は裁判所の玄関を出ると、立ち止まることなく立ち去った。

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2023年02月02日 (木曜日)

藤井敦子さんの刑事告訴を受理、Twitterによる誹謗中傷で仕事にも支障

1月30日に、横浜副流煙事件の「冤罪」被害者・藤井敦子さんが捜査当局に申し立てていた刑事告発が受理されたもようだ。藤井さんは、横浜副流煙裁判が始まった時期から、自身が在住するコミュニテーで、「喫煙者」などという誹謗中傷を受けてきた。それがTwitterなどSNS上の罵倒へとエスカレートして、仕事(英語発音の指導)にも支障をきたすようになっていた。一種の営業妨害である。

誹謗中傷は現在も続いており、名誉毀損の度が過ぎている。

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化学物質過敏症をめぐるツイッター「炎上」、知的な人々による軽い言葉の発信、毎日新聞の元記者も

デジタル鹿砦社通信(1月14日付け)で紹介したYouTube番組に、SNS上で波紋が広がっている。ニューソク通信が配信した須田慎一郎さんの下記インタビュー番組である。既にアクセス数は、10万件を超えた。

配信直後からSNS上で、出演者に対する批判が広がった。それ自体は、議論を活性化するという観点から歓迎すべき現象だが、ツィートの内容が事実からかけ離れたものがある。わたしに対する批判のひとつに、「取材不足」という叱咤があった。化学物質過敏症がなにかを理解していないというのだ。【続きはデジタル鹿砦社通信】

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2023年01月07日 (土曜日)

宮田幹夫医師の診断書交付をめぐる疑問、ニューソク通信がインタビュー

医師が診断書を交付する際、患者の希望に沿った所見を記入する行為が横浜副流煙裁判の中で問題になっている。それは、事実とは異なる所見を根拠として、原告が4500万円を請求する裁判を起こした疑惑である。

訴えは棄却され、現在は元被告のミュージシャンが元原告のA家に対して、裁判提起そのものが不当行為にあたるとして、約1000万円の賠償を求める損害賠償裁判(反スラップ裁判)を起こしている。A家の求めに応じていわくつき診断書を交付したのは、日本禁煙学会の作田学医師だった。

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2022年12月27日 (火曜日)

原告準備書面(2)(3)、藤井敦子陳述書の公開、日赤医療センターの取材プロセスを鮮明に記録、横浜副流煙裁判

横浜副流煙裁判の「反訴」で原告が裁判所へ提出した3件の書面を公開しよう。3件の書面は、事件の核心をずばり突いており、被告にとって反論は容易ではない。その意味で興味深い紙面である。

原告準備書面(2)は、被告のA家が提訴の前提とした事実に根拠がないことを記述している。A家が提訴に至った根拠は、原告(前訴被告)の藤井将登さんが副流煙の発生源、あるいは「受動喫煙症」を発症した原因であるとする見解である。しかし、それを裏付ける証拠に乏しい。

A家は、この肝心な証拠を提出せずに、A娘らに病気の症状があったことを示す証拠を数多く提出している。ある意味では、論理の的が外れている。

化学物質過敏症や体調不良を引き起こす要因は多数ある。実際、宮田幹夫医師は、A娘を副流煙により誘発される化学物質過敏症-「受動喫煙症」とは診断していない。単に化学物質過敏症と診断したのである。つまり「受動喫煙症」の原因が将登さんであるとする提訴の根拠は、事実そのものが間違っているのである。

間違いに至った原因は、作田医師らのA家に対するほう助にほかならない。

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診断書交付が「患者サービス」に、多発する診断書をめぐる問題

2019年、滋賀医科大病院の岡本圭生医師が追放された事件の取材を皮切りに、筆者は医療問題に取材分野を広げた。その中で常に直面してきたのが、診断書のグレーゾーンである。

滋賀医科大病院のケースでは、1000通を超える診断書が不正に閲覧されていた。岡本医師の医療過誤を根掘り葉掘り探るために、診断書にアクセスする権限がない医師や職員らが、血眼になって診断書を物色していたのである。電子カルテだったので、閲覧歴が残っており、カルテの不正閲覧が発覚したのである。

■前立腺がん、手術後の非再発率99%の小線源治療、画期的な「岡本メソッド」確立

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同じころ、労災保険の不正受給疑惑を告発した人がいて、筆者はそれを調査した。精神疾患を理由にS氏(男性)が、労災保険を受給しているが、不正の可能性が高いというのである。不自然だというのだ。

この事件で筆者が取材した保育園の理事長は、次のような話をした。

「S氏は、自分の子供をわたしが経営する保育園に毎日送り迎えしている。それが日課になっている。ごく普通の人である。奥さんが腕利きの看護師で、医師との人脈が広い。その関係で知り合いの医師にS氏の診断書を交付させている。労災保険は非課税だから、S氏は税金も払わない。そのうえ子供の保育料も無料になる。奥さんの給料と労災保険による収入で悠々自適の生活をしている。車も買い替えた」

S氏が仮病を使っているのか、それとも本当に精神疾患なのかは不明だが、精神に関する病気は、医師の主観で診断書を交付せざるを得ない側面がある。「患者」がそれを逆手に取って、不正確な診断書を交付させ、労災年金や障害年金を不正に受給する温床がある。

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2022年12月21日 (水曜日)

『[窓]MADO』の監督とプロジューサーに須田慎一郎氏がインタビュー

16日からHUMAXシネマズ(東京・池袋)で上映されている『[窓]MADO』を制作した麻王監督と藤村政樹プロジューサーに、須田慎一郎氏がインタビューした。インタビューは、20日にニューソク通信で公開された。

タイトルは、『「横浜副流煙裁判」が映画化!!『[窓]MADO』を見に行ってきた!監督である被告家族の息子から見た原告の「家族愛」』。

この映画は、横浜副流煙裁判をドラマ化したものである。事件そのものは、拙著『禁煙ファシズム』(鹿砦社)に詳しく記録している。

映画は、29日まで上映される。映画の公式ウエブサイトは次の通りである。

■https://mado-movie.jp/

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2022年12月19日 (月曜日)

化学物資過敏症の診断書交付プロセス、医師の主観よりも科学を重視、舩越典子医師が意見書を提出、横浜副流煙裁判

横浜副流煙裁判は、煙草の煙で「受動喫煙症」になったとして隣人が隣人に対して約4500万円の損害賠償を請求した事件である。第1審も第2審も請求は棄却された。原告(控訴審では、控訴人)の敗訴だった。

裁判の勝訴を受けて、元被告の藤井将登さんは、裁判提起そのものを不当とする反スラップ訴訟を起こした。妻の敦子さんも原告になった。

この反スラップ訴訟の被告は、改めて言うまでもなく、前訴を提起したA家の3人(夫・妻・娘)である。さらに作田学・日本禁煙学会理事長を被告に加えた。と、いうのも前訴を提起するための有力な根拠になったのが、作田医師が3人のために交付した3通の診断書だったからだ。また、これらの診断書にさまざまな疑惑があったからだ。

作田医師は、問診により得た情報を重視するかたちで、3通の診断書を交付した。実際、診断書の所見で、副流煙の発生源が将登さんの煙草であり、それがA家3人の化学物質過敏症の原因であると事実摘示した。これはおそらく原告らの告発内容である可能性が高い。

作田医師が交付した診断書には、これ以外にもさまざまな問題がある。診断書を複写して私的に外部へ持ち出したり、原告弁護士に送付していた事実などである。ひとりの原告の診断書を2通交付(病名が異なる)した事実もある。

これらの疑惑が浮上しために、日赤も裁判に協力する姿勢を示している。裁判所からの命令を受けて、日赤は被告の問診表2通を開示した。その結果、被告のひとりがみずからの喫煙歴を作田医師に隠していたことが判明した。

ちなみに日本禁煙学会のウエブサイトには、「受動喫煙症」の病名を付した診断書を作成するためのひな型が掲載されている。

この裁判には、複数の医療関係者が強力する姿勢を示している。次に紹介する書面は、大阪府堺市の典子エンジェルクリニックで化学物質過敏症の外来を設けている舩越典子医師が裁判所へ提出した意見書である。この意見書の中で舩越医師は、診断書を交付する正常なプロセスを説明している。

また、医師の主観ではなく科学的な見地に立って診断する重要性を述べている。

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2022年12月15日 (木曜日)

知覚できない新世代公害の顔、『[窓]MADO』が16日から池袋HUMAXシネマズで上映

たとえば隣席の同僚が使っている香水が神経に障って、使用を控えるように要望する。同僚は、取り合ってくれない。けんもほろろに撥ねつけた。総務部へも相談したが、「あの程度の臭いであれば許容範囲」と冷笑する。

次に化学物質過敏症の外来のあるクリニックを訪れ、すがるような気持ちで診断書を交付してもらい、それを持って再び総務部へ足を運ぶ。やはり拒絶される。そこでやむなく隣席の同僚に対して高額な損害賠償裁判を起こす。

夜が深まると壁を隔てた向こう側から、リズムに乗った地響きのような音が響いてくるので、隣人に苦情を言うと「わが家ではない」と言われた。そこでマンションの管理組合に相談すると、マンションに隣接する駐車場の車が音の発生源であることが分かった。「犯人」の特定を間違ったことを隣人に詫びる。

新世代公害の正体は見えにくい。それが人間関係に亀裂を生じさせることもある。コミュニティーが冷戦状態のようになり、住民相互に不和を生じさせるリスクが生じる。

◆実在の事件をドラマに、ロケは事件現場

デジタル鹿砦社通信でも取り上げてきた横浜副流煙裁判をドラマ化した『[窓]MADO』(監督・麻王)の上映が、池袋HUMAXシネマズ(東京・池袋)で12月16日から29日の予定で始まる。

煙草による被害を執拗に訴える老人を西村まさ彦が演じる。また、煙草の煙で化学物質過敏症になったとして隣人から訴えられ、4500万円を請求されるミュージシャンを慈五郎さんが演じる。慈五郎さんは、上映に際して次のようなメッセージを寄せている。

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