1. 公文書の黒塗り情報公開問題、環境省に対し「首謀者」を特定する文書の開示を求めたが・・・

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2017年05月17日 (水曜日)

公文書の黒塗り情報公開問題、環境省に対し「首謀者」を特定する文書の開示を求めたが・・・

内閣府が真っ黒に塗りつぶして開示した博報堂からの請求書。その総額は新聞広告(政府広報)だけで年間20億円(2015年度)を超えているが、肝心の掲載料の詳細は分からない。どの新聞社にいくら支払われたのか国民は知ることができない。

環境省が真っ黒に塗りつぶして開示した「平成27年度低炭素社会づくり推進事業委託業務」の見積書。博報堂が発行したものだ。総額は約8億6300万円。ただし明細は全く不明。こちらも真っ黒に塗りつぶされている。

総務省は、5年間保存しなければならない行政文書のひとつテレビCMの放送確認書も、1年あまりで破棄していた。当然、CMを放送せずに料金だけ徴収している疑惑が浮上しているが、放送確認書がなければ調査はできない。このPR事業にも、博報堂がかかわっていた。

国会予算の使途を国民が知ることができない異常。放送確認書の破棄という証拠隠滅の行為。このような「無法地帯」の実態を調査するために、筆者は今年の3月23日にまず環境省に対して、次の文面で情報公開請求を行った。

 「平成27年度低炭素社会づくり推進事業委託業務」の見積書の内訳を黒塗りにして開示するように決定を下した人物を特定できる文書。

これに対する回答が昨日届いた。回答は次の通りである。

 請求のあった文書については、作成・保有しておらず、不存在のため、不開示とします。

つまり誰が黒塗りを指示したのか、公式の文書はどこにも残っていないというのだ。しかし、情報公開請求に対処する部署を特定する文書まで残っていないはずはないだろう。その部署の職員名を示す文書を、人事部が開示すればいいだけの話ではないだろうか。

国家予算の使途明細を国民が知ることができないのは大きな問題だ。民主主義の国家として、最低限のルールが確立されていないのは、やはり政治家の責任ではないか。

【参考記事】誰が環境省の見積もり内訳を「黒塗り」にしたのか、情報公開請求で調査を開始

 

【写真】山本公一環境大臣兼内閣府特命担当大臣