1. 安倍首相が海外での自衛隊PRのCMにみずから登場、東京新聞が報じる

大手広告代理店に関連する記事

2017年09月01日 (金曜日)

安倍首相が海外での自衛隊PRのCMにみずから登場、東京新聞が報じる

8月1日付けの東京新聞に興味深い記事が掲載されている。日本政府が日本の自衛隊をPRするCMを作成し、それに安倍首相がみずから登場しているというのだ。タイトルは、次の通り。

・自衛隊「活躍」CM
・首相登場「違和感」
・欧米で放映 在外邦人から疑問の声
・「軍隊PR 独裁国家のよう」
・「税金使って個人メッセージか」
・アジアなら反発必至 日本の印象ゆがめる

リードは次のようになっている。

政府が海外のテレビ局で自衛隊の活躍をアピールするCMを放映し、波紋を広げている。日本の技術力や国際社会への貢献をPRするCMシリーズの一環だが、自衛隊の海外派兵の拡大に異論が噴出している現状で、政治的な意図を疑う声は多い。とりわけ在外邦人らに不評なのは、CMの最後に毎回登場する日本の首相「シンゾー・アベ」。日本の印象をどうしたいのか。

自衛隊をPRするCMを見たイタリア在住の翻訳家のコメントも紹介されている。

「『軍隊』を自慢げにPRしているように見える。しかも首相がしゃしゃりでてくるなど、どこの独裁国家か」

このプロジェクトが始まったのは、安倍政権が本格的に動きはじめた2013年度からである。これまで制作したCMの本数は、20数本、13言語になるという。 驚くべきことに、CMを放送している放送局の中には、イギリスの「公共放送」BBCも含まれている。多くの人が、ジャーナリズムの手本と勘違いしている国策放送局である。

国際広告費の総予算は36億円(2016年度)である。

しかし、東京新聞がBBCにCMの制作費を問い合わせたところ、「商業的に機密性の高い情報」として明かさなかったという。もちろん内閣府もこの点に関する情報は開示していない。秘密である。

◇異常な金銭感覚

このプロジェクトにどの広告代理店がかかわったのかは、現時点では不明だが、国内の代理店の可能性が高い。

筆者は、2016年度に内閣府が発注したPRプロジェクトの見積書・契約書・請求書の全部を開示するように請求しているが、現時点では、その一部しか開示されていない。その中に、海外向けのものは含まれていない。

情報開示の期限は、なんと2018年の5月である。民間企業であれば、2日もあれば出来る開示作業を、内閣府の職員は1年をかけて行うのだ。開示したくない資料があるからではないだろうか。

【参考記事】内閣府と中央省庁、それに博報堂の裏金づくり疑惑をシミュレーションする、毎日新聞社のケースと類似

PR費用は、論外に高額に設定される場合が多い。たとえば50万円程度で十分に制作できるウエブサイトに2100万円を支払った例もある。金銭感覚が異常になっているだ。

【参考記事】ウエブサイト9ページに2100万円を支出、国家公務員と博報堂の異常な金銭感覚、背任・詐欺の疑いも?

【参考動画】博報堂を通じて「血税」を新聞社やテレビ局に湯水のように流し込む仕組み

日本の広告代理店の海外での活動はまだ解明されていない。徹底調査する必要があるだろう。

 

【写真】リオデジャネイロのオリンピックでも首相がみずからしゃしりでた。