1. ウエブサイト9ページに2100万円を支出、国家公務員と博報堂の異常な金銭感覚、背任・詐欺の疑いも?

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2017年01月30日 (月曜日)

ウエブサイト9ページに2100万円を支出、国家公務員と博報堂の異常な金銭感覚、背任・詐欺の疑いも?

文部科学省と博報堂が交わした「日本人の海外留学促進事業」(平成27年6月9日)」の実施報告書を入手した。中味を精査したところ、たった9ページのウエブサイトに、2100万円が国家予算から支出されていることが分かった。

■博報堂が2100万円を請求したウエブサイト9ページの実物

「日本人の海外留学促進事業」は、日本人の海外留学を促進するためのPR事業である。文部科学省は、2015年6月に、博報堂にこの事業を依頼した。契約額は、80,044,000円。契約者は、高等教育局長の吉田大輔氏である。

両者が交わした契約書と請求書を情報公開請求したところ、肝心の資金の内訳が完全に黒塗りになっていた。国家予算がどう使われたのか、まったく検証できない状態だった。

◇2年で4件のウエブサイトを発注

そこで筆者は、行政レビューシートを入手して、支出の内訳を調査した。その結果、次の明細が明らかになった。

印刷・発送費:2700万円
ウェブサイトの制作:2100万円
グラフィック制作:1100万円
動画制作:400万円
ノベルティ制作:400万円
その他:600万円
事務担当者人件費:700万円

■裏付け(レビューシート)

ちなみに前年、2014年度にも、文部科学省は同じプロジェクトで3件のウエブサイトを発注している。このうちの2件は、博報堂と博報堂プロダクツへの発注で、その総額1670万円だった。

■裏付け(レビューシート)

かりに2014年度にウエブサイトを構築していたとすれば、2015年度のウェブサイトに当てられた2100万円は、単にページの更新に過ぎない可能性もある。

ウエブサイトの更新であるとすれば、妥当な価格は10万円から20万円ぐらいである。

文部官僚と博報堂の金銭感覚は異常としかいいようがない。詐欺、あるいは背任にあたるのではないか?博報堂の入札は、本来、郵政事件の際に禁止にすべきだったのだ。

◇民間企業からも過剰請求の情報提供が

ちなみに博報堂の過剰請求は、あちこちから疑問の声があがっており、現在博報堂と係争中の化粧品通販会社・アスカコーポレーションからも、メディア黒書に情報提供があった。それによると、同社は13本のフラッシュ動画に対して、博報堂から2300万円も請求されたという。しかもこの請求はホームページ関連の請求の中で、すでに1本9万円で請求されていた。二重請求である。

その他、匿名の情報提供も来ている。過剰請求は、特に珍しいものではないようだ。

改めて言うまでもなく、内閣府に対して博報堂が2015年度に構想費として6700万円を請求した問題も、今後、業務内容を精査する必要がある。

 

【写真】黒塗りで公開された予算の内訳