読者離れに悩む新聞社が倒産しない理由、背景に不動産依存型ジャーナリズムの台頭か?
新聞社が所有するオフィースビルに、テナントとして大企業や公共性の強い団体がテナントとして入居して、賃料を支払う関係になったとき、ジャーナリズムは機能するのだろうか?
筆者がこんな疑問をいだいたのは、SNS上で知人と交信していたときだった。新聞の購読者が激減して、新聞社の倒産がはじまるのではないかという予測がかなり前からあるにもかかわらず、その気配がない原因として、知人は新聞社が不動産収入を得ていることをあげた。実際、「うちは不動産屋です」と自嘲する記者もいるらしい。
新聞社が自社の不動産からどの程度の利益を上げているのかを知るためには綿密な調査が必要だが、相当高額であることは間違いないだろう。
たとえば「東京都千代田区大手町1-7-1 」にある読売新聞社ビルには、テナントとして、文部科学省が管轄する国立研究開発法人・日本医療研究開発機構が入居している。現在の占有規模は知らないが、入居時には4フロアーを占めていた。家賃収入は、尋常ではないだろう。読売に文部科学省を批判するのは難しいかも知れない。なぜか裁判は強いが、ジャーナリズム企業としては問題があるのだ。
朝日新聞も、大阪で巨大なビルを所有している。そこには当然、企業が入居して定期的に家賃を支払っている。
◇小規模で再スタートを
広告依存型のジャーナリズムは、かなり以前から批判対象になってきたが、同じ事が不動産依存型のジャーナリズムについても言えるのではないか。テナントがなにかスキャンダルを起こしたとき、事務所を貸している新聞社が取材して記事にするのは、かなり難しいのではないか。
これから読者や広告主の新聞離れが進むにつれて、新聞のビジネスモデルは、家賃収入依存型へ変化するかも知れない。
新聞ジャーナリズムが「道楽」のレベルまで堕落しそうだ。一度、解散してもっと小規模で再スタートすべきだろう。そうすれば、安倍首相と会食する必要もなくなる。