1. 新聞の発行部数、2000年から約900万部減、生存できるメディアはインターネットと書籍出版だけ?

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2018年06月27日 (水曜日)

新聞の発行部数、2000年から約900万部減、生存できるメディアはインターネットと書籍出版だけ?

新聞ばなれに歯止めがかからない。日本新聞協会のデータによると、2000年の一般紙の発行部数は、4740万部だった。これが2017年には、3876万部にまで落ち込んでいる。864万部の減部数だ。

しかも、新聞協会のデータには、「押し紙」が含まれているから、それを差し引くと実際に新聞を読んでいる人の数は、さらに少なくなる。

朝刊と夕刊のセット版の発行部数に至っては、もっと顕著に凋落ぶりが観察できる。2000年には1818万部だったが、2017年には970万部に減った。夕刊を廃止した新聞社が多いことがその主要な原因である。夕刊はメディアとしての価値がほとんどないから、読まないのである。

◇生存するメディア、滅びるメディア

若い世代の大半は、パソコンやスマホで必要な情報を得ている。紙の媒体とは疎遠というのが実態のようだ。そうなると新聞の次は、週刊誌が消える可能性が極めて高い。現にそういう話は筆者の耳にも入ってくる。

月刊誌については、ある程度は生き残る可能性が高いと筆者は予測している。ムックのようなかたちで生存するのではないか。長編の調査報道が掲載されるからだ。長い文章をパソコンやスマホを読むのは、若い人々にとっても苦痛だ。ブルーライトで眼が障害を受けるリスクも高い。

出版ジャーナリズムは完全に生き残るだろう。文字数が多いので、パソコン・スマホには適さない。それに何よりも新聞や週刊誌とは比較にならないほど、ジャーナリズムの質が高いからだ。

結局、将来のメディアは、パソコン・スマホを中心としたインターネットと書籍に二分化される可能性が高い。

たとえ新聞が生き残っても販売のかたちは、駅売りか、牛乳屋さんのようなイメージになるのではないか。新聞販売店の統合がすでに始まっており、将来的に新聞社は、系統を超えた合売店化を進めざるを得ないだろう。

新聞社は紙から電子への切り換えが必要になるが、従来のような戸別配達制度が維持できないわけだから、まったく別のビジネスモデルを構築しなければ生き残れない。新聞記者と専門家が協力関係を構築するなどして、よほど質の高い記事を提供しなければ、幅広い人々がかなり質の高い情報を発信しているインターネットの世界では、生き残れないのではないか。