2014年06月17日 (火曜日)
軽減税率問題で止まらぬ新聞関係者による政界工作、 「新聞を読む人=知的」の幻想
新聞に対する軽減税率の適用を求めて、新聞関係者が度を超えた政界工作を展開している。4月1日付けの『日販協月報』によると、3月7日に東京で開かれた日販協政治連盟の通常総会には、次の国会議員が参加した。
注:『日販協月報』は新聞販売店の同業組合である日本新聞販売協会の会報。
注:日販協政治連盟は、日販協の政治団体。
高市早苗(自民党政調会長)
丹羽雄哉(自民党新聞販売懇話会会長・元読売新聞記者)
漆原良夫(公明党新聞問題議員懇話会会長)
山谷えり子(自民党新聞販売懇話会事務局長)
■出典:日販協月報(4月1日)?応援に駆け付けた国会議員あいさつ
新聞業界が目指しているのは、消費税率が10%にアップされる際に、現在の8%から5%への引き下げを勝ち取ることである。8%の据え置きではない。
◇知的インフラ=新聞購読の幻想
軽減税率をめぐる一連の運動で、新聞関係者が口をそろえて主張している内容は、新聞離れが進むと「活字文化や知的インフラの崩壊」を招くというものである。なかには、日本人の知的水準が高いのは、宅配により新聞が普及しているからだという意見もある。
わたしに言わせれば非科学的で、主観的な論理である。知力とは何かという定義があいまいなうえに、何を根拠に新聞が「知的インフラ」の基礎だと結論付けたのかさっぱり分からない。これでは酒に酔って奇論をぶちまけるのと同じだ。
必ずしも記憶力=知力ではない。昔はそんなふうに考えられていた。が、今はむしろ知力=思考力=創造力と考えるのが、世界の常識になっている。新聞を読むから、「知力」が発達するという考えは、論理が飛躍している。
書かれた内容がダメな読み物は、読まないほうが無難。新聞に頼っていたのでは、消費増税、法人税の引き下げ、混合医療の導入、TPP参加、改憲などの政策が、アベノミックス「第3の矢」であることにすら気づかない。
ウォルフレンの著著に『民は愚かに保て』と題するものがあるが、今、安倍首相が進めているのが、新聞・テレビを利用したいわゆる「愚民政策」にほかならない。
■参考記事:【MyNewsJapan】「新聞に軽減税率」推進の公明党から、新聞社系印刷会社に14億4千万円――新聞社は“公明新聞・聖教新聞の下請け印刷会社”