増え続ける新聞の高齢者向け広告、若者の新聞ばなれを示す顕著なサイン
高齢者をターゲットにした新聞広告が全体の広告に占める割合が高くなっている。これは若い世代の新聞ばなれが進んでいる結果にほかならない。
本日(9月6日)の読売新聞の朝刊を分析してみよう。ページ数は、全体で36ページ。このうち全面(15段)広告は10件。この10件のうち、高齢者、あるいは中高年をターゲットにしていると思われるものが7件ある。
老人向け広告の実態を見てみよう。
①広告主は、フージャースケアデザイン。高齢者用マンションの広告である。キャッチフレーズは、
「国立」から、快適なシニアライフを
②広告主は、日本ローヤルゼリー。黒酢にんにくなど健康食品の広告である。キャッチフレーズの中に、
毎日歩く! 健康寿命ね!
と、言った言葉があり、健康指向の中高年を読者に想定していると推測される。
③広告主は、ジャパネットたかた。スマホ、マットレス、炊飯器などがPR内容。スマホのPRでは、初老の夫婦が登場するマンガがあり、次のような会話が挿入されている。
「娘たちもやってるし私達もスマホに買い換えようか?(夫)
「私は機械は苦手だから・・」(妻)
「ご安心ください!!」(セールスマン)
マットレスのPRでは、キャッチフレーズが、
肩・腰の負担を軽減!
と、なっている。
④広告主は、タケダ。女性のための育毛剤のPRである。
⑤広告主は、新日本製薬。コラーゲンを使った化粧品のPRで、56歳と67歳の女
性が商品を使った感想を述べている。
⑥広告主は、彩光浄苑。お墓のPRで、明らかに高齢者をターゲットにしている。
⑦広告主は、オリックス生命。高齢者でも加入できる保険のPRである。
新聞を読む世代が高齢化した結果、それに応じて広告も高齢者を対象としたものが増えている。新聞ばなれは、こうした部分にも顕著に現れているのである。こうした傾向は、読売だけではなく全紙にみられる。
近い将来、「紙」の新聞が消えることは間違いない。墓場を準備しなければならない。