2013年06月27日 (木曜日)
財務省の公共広告 1件4億円 版下製作は2件で2300万円 支払先は黒塗り
最高裁と内閣府に続き、その他の省庁に対しても、新聞の公共広告に関係する出費の明細を公開するように情報公開を請求した。入手した資料を検証した結果、省庁によって発注価格にばらつきがあり、不自然な金額の出費があることが分かった。
今回は財務省のケースを紹介しよう。2008年6月に45紙に掲載された「平成20年国債広告の制作・実施」を公共PRする広告のケースである。
総額:4億1370万円?(印刷製本費2361万円、雑役義務費3億9000万円)
掲載回数:1回
広告サイズ:5段の半分、ただし朝日、読売、日経は、5段。
掲載紙:45紙
この数字を、たとえば2009年度に最高裁が出稿した次の公共広告と比較してみる。
総額:6億2500万円
掲載回数:2回
広告サイズ:全面15段
掲載紙:44紙
財務省の公共広告の方が明らかに料金設定が高い。また、不自然な数字が観察される。印刷製本費として支出された2361万円である。詳細が黒塗りになっているので、断定的なことは言えないが、明らかに高い。
このケースでは、公共広告を全国の新聞45紙に掲載するとはいえ、版下は5段広告に使うものと、半5段に使うものの2種類しかない。つまり製作する版下は2種類ということになる。
次に示すのは、記録として残っている最高裁の公共広告の版下製作費である。いずれも情報公開資料から抜粋したものだ。
財務省の2361万円が妥当は妥当かどうか、比較してほしい。(ちなみに版下製作1件は、2361万円の2分にあたる1180万円と推定できる。)
■タイトル:「中小企業資金繰り対策」
サイズ: 7段
価格 :207万6900円
製作社:毎日広告社
年度:2010年度
■タイトル:「臓器移植」
サイズ: 7段
価格 :137万4450円
製作社:博報堂
年度:2010年度
■タイトル:「特別慰労品贈呈事業」
サイズ: 半5段
価格 :136万541円
製作社:東急エージェンシー
年度:2007年度
わたしが保管する版下製作費に関する情報公開資料は多い。価格はおおむね100万円から250万円ぐらいである。2つの版下製作で2361万円は、常識的に考えると不自然だ。当然、明細を明らかにするように、再度、財務省に対して情報公開を求めることになる。