1. 「電磁波からいのちを守る全国ネット」が楽天モバイルに公開質問状を送付、「マイクロ波に遺伝子毒性がないと考える理由は?」

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2020年12月03日 (木曜日)

「電磁波からいのちを守る全国ネット」が楽天モバイルに公開質問状を送付、「マイクロ波に遺伝子毒性がないと考える理由は?」

「電磁波からいのちを守る全国ネット」の運営委員会は、2日、楽天モバイルに対して公開質問状を送付した。

筆者も運営委員を務めている「全国ネット」は、5Gの普及に反対する住民運動や個人を支援している。だれもが直面しかねな重大問題であるからだ。

実際、このところ通信基地局の設置をめぐるトラブルが急増している。「全国ネット」に対して、ほとんど毎日のように、全国から相談が寄せられている。

今回、楽天モバイルに対して公開質問状を送付した理由は、特に楽天に対する苦情が多いからだ。苦情の8割を占める。次がKDDI。

質問内容は次の通りである。(青文字は、筆者による解説)  (PDFはここから)

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公開質問状

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 お忙しい折に、貴重なお時間を拝借することをお許し下さい。

 わたしたちは、電磁波による人体への影響に警鐘を鳴らしている住民運動の団体です。国策として5Gの普及が推進されるなかで、貴社の通信基地局の設置をめぐり、全国から当会に対して数多くの苦情と相談が寄せられています。

 つきましては、住民が貴社に対して基地局の設置を希望しない旨を意思表示した場合は、速やかに計画を中止するように求めます。また、すでに基地局が設置されている場合は、撤去するように求めます。
 
 貴社も周知されていると思いますが、わが国の電波防護指針は米国と並んで世界で最もゆるやかに設定されています。実質的には規制になっていません。

 ICNIRPが定めている900μW/c㎡をも上回る1000μW/c㎡という驚くべき数値になっています。これに対して、たとえば欧州機構が、0・1μW/c㎡(将来的には0・01μW/c㎡)にするなど、非熱作用を考慮に入れた勧告値を設定しています。

 当会は、電磁波による実害の事実を重視する立場を取っております。つきましては、公開という形式で以下の質問をさせていただきます。12月18日までにメール、または郵便でご回答ください。

1、マイクロ波に非熱作用がないと考える根拠はなにか?

 ※マイクロ波の利用例として最もよく知られているのは、電子レンジへの適用だ。マイクロ波に加熱作用があるからだ。マイクロ波をめぐる議論では、これを「熱作用」という。

 総務省と電話会社は、マイクロ波による人体影響は、「熱作用」にだけに限定されるとする前提に立って無線通信事業を展開してきた。5Gも見切り発車している。

 しかし、携帯電話が普及した後に本格化したマイクロ波の安全性に関する研究の中で、多くの研究者が、マイクロ波には、「熱作用」以外にも別の毒性があると主張するようになった。彼らが最も問題視しているのは、遺伝子を傷つける作用である。

 事実、WHOは2011年5月にマイクロ波に発がん性がある可能性を認定した。

  「熱作用」意外の人体影響を、まとめて「非熱作用」と呼ぶが、実質的にそれが意味する作用とは、遺伝子毒性のことである。

 総務省の電波防護指針は、1990年に定められた古いものなので、「非熱作用」はまったく考慮されていない。そのために欧州機構の勧告値の1万倍にもなっているのである。これでは規制になっていない。

2、アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告について、貴社はどのような見解を持っているのか。

  ※米国国家毒性プログラムの最終報告(2018年)は、ラットを使った実弟で遺伝子毒性を確認したと発表した。
                                                            

3、貴社の基地局周辺で健康被害が発生した場合、どのように対処する計画なのか。

4、基地局の設置が原因で、不動産の価値が下落した場合、どのような補償を考えているのか。