1. 「基地局の設置で、子供が電磁波に直撃される」フィンランド人女性がKDDIに悲痛な訴え、住居の真上で工事中

KDDI(au)に関連する記事

2020年02月23日 (日曜日)

「基地局の設置で、子供が電磁波に直撃される」フィンランド人女性がKDDIに悲痛な訴え、住居の真上で工事中

新世代の公害として化学物質による被曝とともに挙げられているのが電磁波による被曝であるが、人体への悪影響は、通信会社による巨額の広告宣伝費もあってほとんど大衆への認知は進んでいない。2018年11月、米国・国立環境衛生科学研究所の一大プロジェクト「NTP(国家毒性プログラム)」が、ラットの実験でマイクロ波(スマホ等の電磁波)に発がん性が認められたとの研究結果を発表するなど、専門家の間では明らかになりつつある。

そんななか今年2月、KDDI(au)は川崎市宮前区で住民の強い反対を押し切って、住居の真上に通信基地局を設置する工事を開始した。苦情を訴えているのは、フィンランド出身のクリスティーナさん、2児の母親である。北欧では基地局を住宅の近くに設置することはなく、KDDIのやり方に暴力を感じている。5G元年となる2020年、基地局設置の現場では何が起きているのか、リポートした。

【Digest】
◇北欧の常識から日本を見る
◇「フィンランドでは、住居の上に基地局は設置しません」
◇ペンディングを勝手に白紙に
◇KDDIによる説明会
◇KDDIの断固たる基地局設置の方針
◇電磁波とは何か?
◇KDDIの主張と米国国家毒性プログラムの最終報告の違い
◇電磁波の種類
◇電磁波問題の争点
◇ドイツの疫学調査
◇ブラジルの疫学調査
◇視覚できないから危険な電磁波
◇KDDI広報部の見解
国際的な非難の的になりかねない、事件の現場である。読者には、まず次のユーチューブ動画に録音された機関銃のような爆音を視聴してほしい。言葉で描写するより、実音の方が事実が伝わりやすいだろう。


(工事が始まってから、室内エアコン下の壁に亀裂が発生。電磁波だけでなく、建物が基地局の重量に耐えうる強度がない可能性もある=左下写真参照)

携帯電話・スマホの基地局の設置をめぐる住民と電話会社のトラブルが、断続的に起きている。1990年代半ばから始まり、5G普及が始まった現在、電磁波問題への関心が一層高まって、基地局問題の新しい波が押し寄せてきた。

KDDIと住民の間でトラブルが発生していると聞いて、2020年2月3日、わたしは神奈川県川崎市へ向かった。目的地は、宮前区の小高い丘の頂上にあるマンションだ。

東急田園都市線の「たまプラーザ」駅で下車して繁華街を抜け、住宅街の中の急な坂道を登っていくと、大小の積み木を散りばめたような街の光景が眼下に広がる。静かな住宅環境と都会の利便性を求める住民には理想的な居住地である。小学校や老人ホームもある。

KDDIとのトラブルに巻き込まれているAさんと妻のクリスティーナさんの住居は、7階建てマンションの最上階にある。KDDIがAさん夫妻の住居の真上に基地局の設置工事を進めているのだ。KDDIは、基地局の仕様について、4Gの基地局だと住民に説明しているが、わたしは5Gの可能性が強いと思った。 【続きはMyNewsJapan】