1. 今世紀最大の公害-電磁波、癌など人体影響の高いリスク、懸念される長期被曝

携帯電話の基地局問題に関連する記事

2018年06月30日 (土曜日)

今世紀最大の公害-電磁波、癌など人体影響の高いリスク、懸念される長期被曝

今世紀に深刻化が予想されている公害のひとつが電磁波である。携帯電話、スマートメーター、自動運転車、リニア新幹線、兵器・・・あらゆるところで電磁波利用が進んでいるが、その高い健康リスクは報じられない。マスコミの広告主である産業界の権益に著しく反するからだ。その結果、大半の人は何も知らないまま、毎日、大量の電磁波を被曝している。

問題は、5年先、10年先、あるいは15年先。危険性を知った時には、癌になっている、といった悲劇と向き合うはめに。

次のバックナンバーは2017年12月18日 に掲載した。

【バックナンバー】自動運転の開発に隠された大問題、使用されるセンサーが道路沿線の住民に、電磁波による健康被害を誘発するリスク」は

 

近い将来に車の自動運転が実現するのではないかと言われている。早ければ、2020年ごろに、遅くても2025年ごろには、ロボットが自家用車を「運転」して、人間を目的地へ運ぶ時代が実現するのではないかと言われている。マスコミも盛んに、自動運転を賞賛し、あたかもテクノロジーがもたらす生活の快適化のような報道を展開している。

が、自動運転に伴い予測される「公害」には全く言及しない。「公害」とは、自動運転車のセンサーから発せられる電磁波による人体影響である。とりわけ幹線道路の沿線住民は、原因を自覚しないまま、深刻な健康被害を受ける可能性が高い。

◇自動運転とセンサー

自動運転と電磁波の関係で特に問題になるのは、「センサー」である。これは、言うまでもなく、自動運転車が障害物などを感知するための道具である。たとえば車の数十メートル前を人が横切るのをセンサーが感知すると、ブレーキが反応して速度を落とすという風に。

センサーの仕組みについての説明は、ネット上に溢れている。簡潔なものを紹介しておこう。

自動運転システムを支える技術の1つとして外せないのが、「センサー」です。自動運転車の開発に力を入れいているテスラモーターズ(以下テスラ)では、オートパイロットを搭載した車を開発していますが、車体には10個以上ものセンサーが内蔵。「カメラビュー」「レーダー」「超音波センサー」など様々なセンサーが機能し、オートパイロットのシステムを支えています。 出典
「センサー」に使われるのが電磁波である。しかも一種類ではない。さまざまな電磁波が使われるようだ。代表的なものとしては、赤外線とミリ波がある。

自動運転車から赤外線やミリ波を発することで、自動運転車が走行している付近の状況を、人間の視覚に劣らないレベルで感知するのだ。

電磁波が人体に悪影響を与える事実は、1980年ごろから徐々に明らかになり、今日ではほぼそのリスクを疑う余地がなくなっている。電磁波は、人体に有害と考えるのが、世界の研究者の間では、すでに定説となっている。

昔は原発のガンマ線やレントゲンのX線などエネルギーが極めて高いものは危険だが、家電などエネルギーが低いものは安全とされていたのだが、今日では、長期間にわたって被曝した場合、エネルギーが低い電磁波(放射線)にも人体影響があるとする解釈が主流になっている。とりわけ遺伝子毒性、つまりDNAを傷つけ、癌や奇形の誘因することが問題視されているのだ。

◇赤外線とミリ波

赤外線は暖房として日常生活の中で当たり前に使われているが、長期に渡って被曝した場合、網膜を傷つけ、白内障の原因になると言われている。

「ミリ波」とはマイクロ波の中でも高い周波数(30GHz以上)を示す電磁波のことである。波長が短く、極めて危険だ。遺伝子毒性がある。

ちなみにマイクロ波とは、電子レンジやスマホに使われる電磁波の総称で、IARC(国際癌研究機関)は、2011年に発癌性の可能性があることを認定した。

マイクロ波の人体影響については、メディア黒書でもたびたび取りあげてきたので、次の記事を参考にしてほしい。

マイクロ波による人体影響、ブラジルの疫学調査で顕著に

日本人の3%~5・7%が電磁波過敏症、早稲田大学応用脳科学研究所「生活環境と健康研究会」が公表 
◇日本の異常な規制値

日本の総務省が定めたマイクロ波の規制値は次の通りである、。

日本の基準:1000 μW/c㎡ (1.8GHz)

これに対して世界の著名な研究者たちでまとめたバイオ・イニシアティブ報告(2012年)では、次のような数値を推奨している。

バイオ・イニシアティブ報告:0.003~0.0006μW/c㎡ (1.8GHz)

「 μW/c㎡」という専門用語にこだわらず、数値の違いに注目してほしい。日本の数値はまったく規制値になっていないことが分かる。

しかし、不思議なことに、携帯電話基地局の周辺で電磁波の密度を測定してみると、筆者の体験では、1 μW/c㎡を超えたことはほとんどない。つまり1 μW/c㎡でも、十分に会話は可能なのだ。0.01 μW/c㎡でも通信はできる。それにもかかわらず日本政府は、1000 μW/c㎡ という馬鹿げた数値を改めようとしない。なぜだろうか?

◇軍事兵器開発と規制値

私の推測になるが、車の自動運転や将来の軍事兵器開発で、マイクロ波を利用する場合、 バイオ・イニシアティブ報告が推奨している数値(0.003~0.0006μW/c㎡ )を規制値としたのでは、開発が不可能だからではないか。国民の健康よりも、産業界を優先しているのだ。まさに「エコノミック・アニマル」の論理である。

近い将来、幹線道路の沿線に住んでいる住民の間に、相対的に癌の発症率が高いといった状況が生まれるのではないか。が、だれもその原因を指摘しないだろう。

マスコミは、この問題を大々的に取り上げるべきだろう。公害で人的な被害が発生た後では、もう手遅れなのだ。ジャーナリズムは、近未来を予測しなければならない。