メディア黒書に相次ぐ内部告発-販売店主の自殺、背景に深刻な「押し紙」問題の可能性も
新聞販売の関係者からと思われる内部告発があった。内部告発の内容を紹介しよう。問題が深刻化する前に警鐘を鳴らすのが、ジャーナリズムの役割であるからだ。ただし、完全な裏付けが取れない現段階では匿名報道にする。
5月19日の夜、わたしの自宅に1本の電話があった。東京都内で新聞販売店を営む男性 が自殺したというのだ。告発者は、店名も店主の名前も明らかにした。自殺の原因については、経営難ではないかとの推論を述べた。
「やはり『押し紙』ですか?」
「相当、あったようですよ」
実は、販売店主の自殺に関する情報は、昨年の秋にも入手していた。群馬県の販売店主である。しかし、犠牲者の親族から、裏付を取ることはできなかった。親族外の何人かの関係者に接触したが、やはり話してもらえなかった。
そして、新聞社の系統こそ異なるが、今度は東京都内で販売店主の自殺と推定される事件が起きたのだ。
「だれか詳しい話をしてくれる人はいませんか?」
「箝口令(かんこうれい)が出ていますからね」
言論の自由を最大限に尊重しなければならない新聞社が箝口令を発令することに、わたしは異常なものを感じた。