1. 朝日新聞倉敷販売(株)の偽造契約書事件、新聞セールス団に「押し紙」か?ABC部数のかさ上げの新手口①

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2022年04月27日 (水曜日)

朝日新聞倉敷販売(株)の偽造契約書事件、新聞セールス団に「押し紙」か?ABC部数のかさ上げの新手口①

朝日新聞の販売会社である朝日新聞倉敷販売(株)〈2021年12月に閉鎖〉で、ABC部数のかさ上げ工作が行われていたことが、裁判資料(平成26年ワ第418号、既に終了)などで分かった。手口は、偽造の新聞購読契約書を大量に作成して、架空読者の新聞購読料を新聞セールス団が支払うというものである。架空読者の購読料を払うことで、「読者が実在するこを」を装い、ABC部数をかさ上げしていたのである。

新聞社が販売店に対して「押し紙」を強要する行為は、水面下で行われてきたが、販売会社と新聞セールス団のあいだでABC部数の不正工作が行われていたことが公式の書面で発覚したのは、今回が初めてである。

筆者は、以前にこの種の手口をセールス団から聞いたことはあったが、裁判書面で確認したことはなかった。

ただ、「押し紙」の責任が販売会社にあるのか、それともセールス団にあるのかは、今後、検証しなければならない。筆者が入手した裁判記録によると、セールス団に責任があると判決されているが、販売店に対する「押し紙」問題と同様に判決そのものが間違っている可能性もある。「押し紙」問題は複雑で、よほど頭が切れる裁判官でなければ、販売制度そのものをよく理解できていない事情がある。

セールス団が支払う架空読者の新聞購読料の一部は、朝日新聞倉敷販売(株)から補助金として、セールス団に支払われていた。つまりマネーロンダリングの構造になっていたのである。

偽造契約書の枚数については、今後、調査する。【続】