1. 6月度のABC部数、「読売1000万部」の時代は過去に、前年同月比で朝日が-26万部、読売が-13万部

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2016年08月02日 (火曜日)

6月度のABC部数、「読売1000万部」の時代は過去に、前年同月比で朝日が-26万部、読売が-13万部

2016年6月度の新聞のABC部数が明らかになった。それによると中央紙(朝、読、毎、産、日)はいずれも、前年同月よりも部数を減らしている。

朝日が-26万部、読売が-13万部、毎日が-19万部、産経が-4万部、日経が-1万部となっている。

新聞部数の低落傾向には依然として歯止めがかかっていない。

6月度のABC部数は次の通りである。

朝日:6,505,026(-285,927)
読売:8,982,568(-125,510)
毎日:3,058,129(-191,799)
産経:1,565,858(-38,257)
日経:2,728,912(-10,115)

■2016年6月度のABC部数(全日刊紙)

◇ABC部数は「押し紙」を含む

ちなみに実際に配達されている新聞部数(実配部数)とABC部数との間には乖離がある。ABC部数に「押し紙」が含まれているからだ。

「押し紙」とは、広義には新聞社が新聞販売店に対して供給する過剰な新聞部数を意味する。残紙ともいう。たとえば2000部しか配達していない販売店に対して3000部を搬入すれば、差異の1000部が「押し紙」である。この1000部に対しても、新聞社は卸代金を徴収する。普通の新聞とまったく同じ扱いにしているのだ。

かりにジャーナリストが「押し紙」問題で新聞社を追及しても、新聞社は自分たちは一度も「押し紙」をしたことはないと真面目な顔で反論してくる。

しかし、「押し紙」隠しの実態は、2002年に提起された真村訴訟の中で完全に暴露された。しかも、それが裁判で認定された。

■真村裁判福岡高裁判決の全文

【冒頭の画像】「押し紙」の回収場面。広告のスポンサーに対する背信行為である。