2020年01月21日 (火曜日)
インターネットとAIが人間を洗脳する時代に、益にもならぬニュースのオンパレード
インターネットの普及によって、ジャーナリズムの機能は向上したのだろうか? ここで言う「ジャーナリズムの機能」とは、必要な情報をタイムリーに、できるだけ多くの市民に知らせる役割である。「必要な情報」とは、編集者が主観で選択したものなので、その判断が誤っていれば、メディアを通じて拡散する情報に有益性はないことになる。
こんなふうに考えるとジャーナリズムが機能するかどうかは、究極のところ編集者の職能に依存していることになる。編集者がどのようなニュースに価値があり、どのようなニュースに価値がないかを見極める力があるかどうかが、ジャーナリズムの質を左右する。
次に示すのは、1月21日付けのYahoo Japanのトップ記事(午前7時)である。
1・留学生不明 大学に異例の処分
2・新型肺炎 人から人感染を確認
3・ロヒンギャ 大量虐殺意図なし
4・断水中止 振り回され市民憤り
5・牛乳パック1Lない? 算数話題
6・北別府さん 入院し骨髄移植へ
7・MX番組企画会社と連絡取れず
8・小栗旬 事務所社長就任の構想
わたしには、公益性の高いニュースとは思えない。特に、5~8のニュースに至ってはまったく公益性がない。
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ジャーナリズムの機能をインターネットそのものが妨害する現象も起きている。Yahoo Japanの場合、上記のニュース欄の下にもニュースの見出しが並ぶのだが、この欄はどうやらAI(人工知能)で制御されているようだ。AIがユーザーの好みそうなニュースを選択して、画面に提示している。
わたしの場合、次のようなニュースになっている。
1、招待選手に青学大の吉田圭太 吉備路マラソン、天満屋の谷本も
2、難関医学部合格実績で選ぶなら(広告)
3、「東大工学部BIG3」航空宇宙工学専攻の森田舜と東大医学部卒フジ藤本万梨乃アナの常識クイズ力は
4、ミス日本にミス慶応の3年生 BSフジで学生キャスターの経験も
5、青学大・原監督、箱根MVPに投票制を提案 一番強い選手は「各校がわかる」
年末に高校駅伝の記事を、新年になってから実業団駅伝や箱根駅伝の記事を、さらには今週と先週には男女それぞれの都道府県別対抗駅伝の記事を読んだ関係で、AIがわたしを駅伝に関心がある人間と判断して、次々と駅伝関係の記事を提示したのだろう。
受験生でもないのに医学部関連の記事が多いのは、おそらく滋賀医科大病院事件や横浜副流煙裁判を取材している関係で、医学部や大学に関する検索が多いからだと思われる。
ここには表示されていないが、わたしの場合、電磁波問題の検索が多いこともあって、電磁波関連のグッズの広告も絶えない。以前、サプリメントの検索をしたことがあり、その時はサプリメントの広告が次々と提示された。
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現在のインターネット環境の中では、常にメディアリテラシーを意識しておかなければ、AIによって洗脳されてしまう危険がある。ところが困ったことに、メディアリテラシーという言葉を聞いたことすらない人も多い。
メディアやジャーナリズムのあり方など、大半の人にとってはどうでもいい事柄のようだ。こうした状況の下で、5Gが普及すれば、さらに無知が進むのではないか。
そもそもジャーナリズムと広告を連動させる発想が誤っているのだ。