1. 本当に信用できるのか、メディア各社が発表した安倍内閣の支持率、世論誘導の道具になっている危険性

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2017年06月20日 (火曜日)

本当に信用できるのか、メディア各社が発表した安倍内閣の支持率、世論誘導の道具になっている危険性

主要メディア(新聞・テレビ)が6月の内閣支持率を発表した。定期的に行う世論調査で、いずれの社も安倍内閣の支持率が落ちていることを示した。

しかし、メディアによる世論調査がどこまで信用できるのかという別の根本的な問題もある。まずは、調査結果から紹介しよう。

日テレ  支持40%(-6) 不支持42%(+6)

毎日新聞 支持36%(-10) 不支持44%(+9)

朝日新聞社 支持41%(-6)  不支持37%(+6)

共同通信 支持45%(-11) 不支持43%(+9)

NHK   支持48%(-3)  不支持36% (+6)

読売新聞  支持49%(-12)    不支持41%(+13)

◇調査の方法

定期的に行われる新聞・テレビの内閣支持率や政党支持率の調査は、RDD方式で行われる。

RDD方式というのは、コンピューターで無作為に作成した電話番号に電話をかける方法である。対象は有権者。たとえば読売の場合、今回は、「固定では有権者在住が判明した946世帯の中から533人、携帯では回答のあった1250人の中から577人の計1130の回答を得た。回答率は固定58%、携帯46%」だったという。

他社についても、調査対象数は読売と同程度の規模である。

回答者が1000人程度で、日本の世論を反映したデータが得られるのかという疑問があるが、意外なことに統計の専門家によると信用できるらしい。

余談になるが、テレビの視聴率調査(ビデオリサーチ社が実施)でも、調査対象世帯数は900世帯で、全体から見ると極めて少数に設定されている。しかし、信用に値するというのが専門家の見方である。■出典

設問は、「内閣を支持するか、しないか」という単純なものだから、質問内容によって回答を誘導する余地もない。

◇新聞の実配部数をごまかしてきた人々が世論調査の滑稽

それにも係わらず、数値に大きなばらつきがある。内閣支持率に関していえば、毎日が36%で、読売が49%、実に15%もの差異が生じている。HNKも48%と数値が高い。

興味深いことに、安倍政権を強力にサポートするスタンスから報道活動を展開している読売とNHKが常に高い内閣支持率を示している事実である。RDD方式であるから、そんな結果になる確率は極めて少ないはずなのだが。読者は不自然さを感じないだろうか。

筆者は、元々、新聞・テレビの世論調査はあまり信用していない。第3者による調査ではないので、数字を偽って発表しても、内部告発がない限りは誰も知りようがない。しかも、巨大メディアは日本の権力構造の中に組み込まれているわけだから、世論調査のデータで世論を誘導してもまったく不思議ではない。

新聞社の場合は、新聞の実配部数を平気でごまかしてきた人々が、世論調査を行っているのだ。その彼らが真実の数字を発表するとは思えない。

世論調査は、政党とは利害関係がない第3者が行うべきだろう。さもなければ世論誘導の道具になってしまう。

【写真】6月19日付け読売新聞