2017年05月29日 (月曜日)
テロ・ミサイル報道で共謀罪法案の成立に加勢、絶望的なNHKの実態
読者は、このところテロや北朝鮮のミサイルに関するニュースが極端に増えていることに気づいているだろうか。29日の午前6時のNHKニュースも、北朝鮮がミサイルを発射した第一報が入ると、途中から仰々しい「臨時ニュース」に切り替えた。民放は通常どおりである。
テロやミサイルのニュースは、もちろん偽りのニュースではない。事実である。しかし、こられのニュースをどう報じるかで、それを受けとめる側の反応は異なってくる。
イギリスやインドネシアで起きたテロのニュースを繰り返し流すと、視聴者は、「テロが多発している。国際協力して戦う必要がある。日本も共謀罪の法制化」が必要だと思いこんでしまう。
折りしも29日に、共謀罪法案の参議院審議入りが予定されている。
これが公権力と連携した洗脳や世論誘導の手口なのだ。ニュースの視点を解説せずに、あえて事実だけを垂れ流し、さらにその垂れ流しの組み合わせを工夫することで、世論を誘導していく。それがNHKの役割と言っても過言ではない。
テロの事実を伝えると同時に、その大きな背景にグローバリゼーションによると社会格差・経済格差の拡大があることを正確に解説すれば、視聴者も、テロのニュースを正しく受け止めることができる。その解説をあえてしないことが、彼らにとっての「客観報道」らしい。
もちろんニュースの視点はひとつだけではない。と、なれば少なくとも複数の視点を取材して報じるべきないのだ。それを避けて、あえて断片的な事実だけを報じて、世論を誘導しているのである。
NHKの職員たちは自分たちの仕事がどれだけ多くの人々を翻弄しているかを、自覚すべきだろう。