1. NHKの大罪、北朝鮮のミサイル発射と安倍改憲論をセットで報道

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2017年05月22日 (月曜日)

NHKの大罪、北朝鮮のミサイル発射と安倍改憲論をセットで報道

21日の午後7時のNHKニュースは、冒頭から長々と北朝鮮のミサイル発射のニュースを流した。関係者へのインタビューも含めて、いかに北朝鮮が危険な国であるかを印象ずけた。

折しも安倍首相が改憲を打ち出した時期である。その意味では、NHK報道は首相にとって追い風になっている。22日の午前6時のNHKニュースでは、冒頭にまず北朝鮮のミサイル発射のニュースをとりあげ、それから安倍首相による改憲提案を報じた。

世論誘導とは、今、NHKが行っているニュース報道そのものである。北朝鮮によるミサイル発射が事実であるとしても、日米をミサイル攻撃する意思など毛頭ないことは、少し国際情勢に通じているひとであれば、だれでも分かるはずだ。

しかし、NHKの手にかかると、この程度の普通のニュースが、「ビック・ニュース」になる。改憲へ向けて、世論誘導を意図していることは疑いないだろう。

PRとはなにも内閣府が政府広告を出して、何かを訴えることだけではない。メディア企業をコントロールすることで、テレビニュースや新聞記事で世論を誘導することも、今や常識と化している手法なのだ。メディアリテラシーを受けていな日本の国民は、世論誘導の原理がよく分かっていなので、簡単に騙される。

◇ニュースを読み上げる意味

NHKのアナウンサーは大罪を犯している。

本多勝一氏があるエッセイで次のような趣旨のことを書いていた。ベトナム戦争を取材したとき、米軍の兵士が記者団に大砲を示して、試しに発射してみるように勧めた。そのとき大砲に近づいたのが石原慎太郎氏だった。ところが写真家の石川文洋氏がそれを制止したというのだ。

石川氏は戦場を知り尽くしている写真家であるから、大砲を発射すれば、住民に犠牲者が出ることを分かっていたからである。

NHKのアナウンサーは、自分たちが読み上げるニュースが、日本をどのような方向へ向かわすのかを考えてみるべきだろう。組織の一員だから仕方がないでは済まされない。