青色LEDによる人体影響を示唆する体験談はネット上に複数ある、環境問題で優先されるのは被害の事実
LEDと人体影響の関係を示唆するブログがMEDIA KOKUSYO以外にもあることが分かった。それを紹介する前に、簡単にこれまでの経緯を振り返ってみよう。
東北大学大学院の研究グループが、青色LEDに殺虫能力があることを12月初旬にイギリスの科学誌「Scientific Reports」で発表した後、MEDIA KOKUSYOの次の記事にアクセスが殺到した。
LEDを4ヶ月浴びた熱帯魚の背骨がS字型に変形、原因不明も重い事実
アクセス数は1週間で20万件に迫り、フェイスブックの「いいね!」は2万4000件を超えた。
当然、さまざまなリアクションがあった。フェイスブックの書き込み欄に記された読者からのコメントは45件。その大半は科学的な根拠がないというものだった。
ところがLEDで熱帯魚が病気になったという報告が、今年の9月の段階ですでにネット上で公開されていたことが、読者からの情報提供で分かった。次のブログである。
■LEDライトを購入するも熱帯魚は死ぬは水草は枯れるは散々だった話
◇環境問題では被害の事実が優先
環境汚染の問題を考える際、最も大事なのは、異変が発生した事実である。科学的根拠ではない。と、いうのも科学的な根拠が研究室の中で解明されるのを待ってから、対策に乗りだすとすれば、それまでに被害が拡大してしまうからだ。それゆえに予防原則を採用して、被害が発生している事実が重なった場合は、すぐに対策を取らなくてはならない。
科学的な根拠を解明することは大事だが、時間を要する。新しい製品が商品化された後に、ようやく安全性の検証がはじまるのが普通だ。
その典型例は、携帯電話に使われるマイクロ波である。携帯電話の普及が始まったのは、1990年代の初頭である。当時、マイクロ波の危険性を指摘する研究者は極めて限られていた。
WHOの外郭団体・世界がん研究機関がマイクロ波に発癌性がある可能性を認定したのは、20年後の2011年5月である。「危険」が判明するまで20年もの歳月を要しているのだ。
LEDの危険は、東北大学や岐阜薬科大学の研究で、ようやく指摘され始めた段階である。これから10年後に、あるいは20年後に、どのような健康被害が問題になるかは分からない。眼の疾患だけではすまない可能性の方が高い。
◇1月に実験をスタート
なお、前出の記事、「LEDを4ヶ月浴びた熱帯魚の背骨がS字型に変形、原因不明も重い事実」は実験に基づいた記事ではない。たまたまLEDを放射したところ熱帯魚に腫瘍や奇形が発生した事実を述べたに過ぎない。
しかし、来年の1月から、LEDのブルーライトを被曝した魚と被曝しなかった魚を比較する実験に着手する予定にしている。定期的にMEDIA KOKUSYOで報告したい