1. 危険性が指摘させている青色LEDを電磁波問題の視点から考える、「すべての電磁波には遺伝子毒性がある」

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2014年12月15日 (月曜日)

危険性が指摘させている青色LEDを電磁波問題の視点から考える、「すべての電磁波には遺伝子毒性がある」

東北大学大学院の堀雅敏准教授の研究グループが青色LEDを昆虫に当てると死ぬことを発見した。この研究結果は、12月9日付けの英科学雑誌「Scientific Reports」に掲載された。

青色LEDの安全性を考える際の基本的な視点は、電磁波の安全性に関する考え方がどう変化してきたのかという点である。電磁波とは、簡単に言えば電波のことである。厳密にいえば、電波が磁気と磁場を伴っている形状を描写した表現である。従って「電磁波=電波」と考えても許容範囲である。

電磁波問題とは、科学の観点から言えば、人体が電磁波に被曝した際の人体影響の検証である。

電磁波には様々な種類がある。電磁波の分類基準になっているのが、1秒間に打つ波の数、ビート数(厳密には、周波数)である。周波数の違いにより、電磁波の種類は分類されている。たとえば、

送電線は、東日本で50ヘルツ(50ビート)。

第3世代携帯電話のマイクロ波は、2ギガヘルツ(20億ビート)。

周波数が高くなると、波は小刻みになり、その結果、波長も短くなる。それに伴いエネルギーも高くなる。

LEDは、上図に示した赤の部分「可視光線」の領域に該当する。つまりエックス線や紫外線ほど周波数は高くはないが、携帯電話や家電に比べるとはるかに高い。

◇青色LEDだけではなく、赤色と黄緑色の調査も

電磁波は、従来から周波数の低いものは安全で、高いものは危険と考えられてきた。実際、家電を恐がる者はいないが、誰もが原発のガンマ線に対しては恐怖を抱いている。遺伝子を壊してしまうからだ。

ところが最近になって、周波数の大小、あるいはエネルギーの大小とは関係なく、すべての電磁波に毒性があるという考えが有力になっている。

実際、北里大学の宮田幹夫名誉教授らがまとめた『生体と電磁波』は、この点について次のように指摘している。

極低周波から超高周波まで、人工電磁波も生体へのダメージは大きく、身近にある場合は障害を生じる。放射線と電磁波はメカニズムが異なるが、同じように体内にフリーラジカルを生産し、DNAを破損してがんの原因を作る点では、同じような環境汚染源としてみることができる。

※日本では、放射線と電磁波を分類しているが、欧米では放射線(Radiation)で統一されている。

また、荻野晃也博士は、『携帯電話基地局の真実』の中で次のように述べている。

 最近の研究の進展で「電磁波全体が危険な可能性」があり、「共通した遺伝的毒性を示す」と考えられるようになってきたのが、現在の「電磁波問題」の本質だといってよいでしょう。

東北大学の発見は、従来は「安全」と思われていた領域の可視光線にも毒性があることを裏付けた。最近、有力になってきたすべての電磁波(放射線)に毒性があるとする説の正しさを裏付ける結果となった。

現在は、青色LEDが危険で、赤色LEDと黄緑色LEDは安全とされているが、後者についても、念のために詳しく調べる必要がある。短期被曝では影響がなくても、長期被曝で影響があるかも知れない。

報道資料:青色光を当てると昆虫が死ぬことを発見