東京地裁、「裁判所が破産管財人に指名した弁護士と所属事務所」に関する情報開示を拒否 報酬の支払い方法は?
日本の裁判所の実態を調査する作業の一端として、東京地裁に対して破産管財人に関する情報公開を求めたが、8月30日に拒否の通知を受けた。
わたしが情報開示を求めた資料は、「2007年から2011年までの5年間に東京地裁が破産管財人に指名した弁護士の名前と所属事務所を示す文書」である。
これに対して、東京地裁から次のような回答があった。
平成24年7月31日付けで申出のありました司法行政文書の開示について、下記のとおり、開示しないこととしましたので通知します。
記
1 開示しないこととした司法行政文書の名称
2007年から2011年までの5年間に東京地裁が破産管財人に指名した弁護士の名前と所属事務所を示す文書。
2 開示しないこととした理由
そのような司法行政文書は存在しない。
破産管財人に指名された弁護士と所属事務所を調べる必要性があるのは、最高裁判事の大手事務所への再就職が慣行化している実態が判明したからである。開示資料に照合して、元判事を受け入れている弁護士事務所に優先的に破産管財人を割り当てている実態がないかどうかを調べるのが目的である。
実態を解明するためには、どうしても裁判所が破産管財人に指名した弁護士と所属事務所に関する情報が必要だ。
ちなみに最高裁判事の退官後の再就職については、次のようなケースが明らかになっている。敬称は略した。
■今井巧(TMI総合法律事務所)
■泉徳治(TMI総合法律事務所)
■才口千晴(TMI総合法律事務所)
■甲斐中辰夫(卓照総合法律事務所)
■福田博(西村あさひ法律事務所)
■濱田邦夫(森・濱田松本法律事務所)
■元原利文(多聞法律事務所)
■遠藤光男(高須・高林・遠藤法律事務所)
■河合伸一(アンダーソン・毛利・友常法律事務所、4位)
(参考:最高裁判事の半数が天下り 法律事務所に30人中10人が再就職、癒着の温床に)
◇本当に該当資料は存在しないのか?
本当に東京地裁が「裁判所が破産管財人に指名した弁護士と所属事務所」に関する情報を把握していないのであれば、東京地裁はどのようにして、破産管財人に指名した弁護士に報酬を支払っているのだろうか。大きな謎だ。
まさか弁護士がボランティアで破産管財人の仕事を引き受けているわけではないだろう。今後、東京地裁に対して説明を求めていきたい。