1. 花田紀凱編集長名で飛鳥新社が朝日新聞販売店に朝日批判の書籍を大量に戸別送付、裁判上の戦略か?

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2018年04月26日 (木曜日)

花田紀凱編集長名で飛鳥新社が朝日新聞販売店に朝日批判の書籍を大量に戸別送付、裁判上の戦略か?

『月刊HANADA』(飛鳥新社)の花田紀凱編集長の名前で、小川榮太郎氏の著書、『徹底検証「森友加計事件」 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(同社)が、東京都や神奈川県下の朝日新聞販売店(ASA)に戸別送付されていることが分かった。複数の新聞販売店からの情報提供で分かった。

朝日新聞は、この本で名誉を毀損されたとして小川氏に対して、5000万円の損害賠償などを請求して裁判を起こしている。著書に同封された花田編集長の手紙によると、「提訴中の書籍広告は掲載しないという新聞各社の内規により広告を打てなくなり、多大な損害を被って」いるという。

書籍の送付は、裁判戦略の一環と思われる。

筆者が今回の戸別送付について朝日新聞販売店側の受け止め方を取材したところ、冷やかな見方が多かった。ある店主は、次のように話す。

「数名の所長たちとこの本の話になりました。リサイクル本屋に持っていくべきだ、などの声があがりましたが、私は、そんなことをすれば、変な奴が買って読むので、二つに割ってゴミと一緒に捨てるべきだと提案しました」

朝日新聞社は、急速に「押し紙」排除を進めており、その結果、発行本社に対する親近感を取り戻している店主が増えている。こうした状況の下では、今回の飛鳥新社の戦略は、功を奏しないようだ。

このところ広義のスラップ、あるいは訴権を濫用するケースが増えている。言論人がプライドを捨てて言論人を訴え、裁判所(様)に善悪の判断を求めるという滑稽(こっけい)な構図が顕著になっている。

ツィッターなどの投稿にも、当たり前のように「訴えるぞ!」とか、「これは名誉毀損だ」などの言葉が見うけられる。ある種の社会病理が広がっている。

朝日新聞が小川氏を訴えた裁判も例外ではない。本の内容は、個人の思想や物の見方に基づいたものであるから、たとえそれが対抗言論であっても、裁判で封殺・規制するのは原則的に誤っている。特にメディア企業は、他人の言論を尊重しなければならない。

朝日新聞社は、小川氏を批判する舞台を自社の紙面にすべきだった。