1. 保守速報など右派系サイトにDDoS攻撃、アクセスが不可能に、物理的な言論弾圧が広がる危険な兆候

言論活動の妨害に関連する記事

2018年10月31日 (水曜日)

保守速報など右派系サイトにDDoS攻撃、アクセスが不可能に、物理的な言論弾圧が広がる危険な兆候

保守速報など、右派系のウエブサイトへのアクセスが不能になっていることを、読者はご存じだろうか。

10月25日ごろから、「保守速報」「ShareNewsJapan」「もえるあじあ」「アノニマスポスト」などのサイトにつながりにくい状態が続いています。さらに27日17時時点で「netgeek」も閲覧できなくなっているのを確認。原因は不明ですが、何者かによるDoS攻撃(またはDDoS攻撃)ではないかとみられています。■出典

実際、保守速報の次のURLにアクセルしても、繋がらない。(10月31日の時点)読者も下記のURLをクリックして、実際に確認してほしい。言論弾圧の実態を実感できるだろう。

  ■保守速報http://hosyusokuhou.jp/

筆者は、右派的な考え方には同調しない立場で、たとえば天皇制にも反対だが、言論の自由という観点から、この事件を重大視している。言論を物理的に弾圧する事件が実際に起こってしまったことにむなしさを感じる。日本の未来に暗雲が立ちこめているイメージが脳裏に広がった。

誰がこうした言論妨害を断行したのかは断定できないが、恥ずべき行為である。しかも、弾圧の対象が複数のメディアに及んでいる。

 

◇烏合の衆(うごうのしゅう)の叫び

このところ保守速報に対する攻撃が凄まじい。それは品性を欠き、烏合の衆(うごうのしゅう)による罵倒のように醜い。その狂信めいた総攻撃に、筆者も巻き込まれたことがある。

今年の6月だった。保守速報が自社のウエブサイトに貼り付けてくれていた「NO!残紙キャンペーン」のバーナーを削除するように、複数の人々から要請を受けたのだ。「NO!残紙キャンペーン」というのは、思想信条の違いを超えて、「押し紙」問題に取り組む弁護士、議員、ライターの集団である。窓口が筆者になっている関係で、保守速報つぶしへの協力を筆者に要請してきたのだ。

当時、保守速報は「差別サイト」のレッテルを貼られ、大半の広告主を失っていた。組織的な広告剥がしが行われた結果である。

こうしたなかで、「NO!残紙キャンペーン」のバーナーだけが残っていた。それが目障りなのか、何人もの人々が、私にバーナーを外すように求めてきたのである。そのうちの半数は匿名だった。これらの人々から筆者は、「差別者」呼ばわりされたのである。

「NO!残紙キャンペーン」に加わっている澤藤統一郎弁護士に対しても、同様の圧力があった。圧力をかけたらしい人物も分かっている。

筆者に接触してきた人物のひとりに関西大学の宇城輝人教授がいた。同氏は、次のようなメールを送付してきた。バーナーを剥がせとは言っていないが、暗黙のうちにそれを求めていた。

 NO残紙キャンペーンの黒藪さま、

関西大学社会学部教授の宇城輝人と申します。

このアドレスが適切な宛先なのかわからないのですが、貴キャンペーンの広告出稿についてお知らせしたくメールを差し上げます。

「保守速報」というまとめサイトに貴キャンペーンの広告が掲載されています。

保守速報
http://hosyusokuhou.jp/

保守速報とは、ネット上の嫌韓・嫌中をはじめとするレイシズム・民族差別のヘイトスピーチの温床ととして悪名高いまとめサイトです。多くの広告主が保守速報に自社の広告が掲載されるのを敬遠し、広告を引き上げたため、現在(6月12日18時30分)、実質的に貴キャンペーンの広告のみが掲載されている状況です(添付画像をご覧ください)。保守速報なる媒体の性格と、そこからの広告主の撤退状況について下記の記事をご参照ください。

エプソンが『保守速報』への広告停止 保守速報は14年にヘイトスピーチ巡り訴訟沙汰

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12144-330931/

保守速報への広告掲載をやめたエプソン 「嫌韓、嫌中の温床」との通報がきっかけに

https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/hoshusokuho?utm_term=.vn9rOlg7l#.pbpV3ZMXZ

「保守速報」の記事掲載、差別と認定 地裁が賠償命じる

https://digital.asahi.com/articles/ASKCJ552TKCJPTIL01D.html

上の記事をご参照いただければ、保守速報が貴キャンペーンの広告媒体として適切かどうかご判断いただけると思います。

私といたしましては、貴キャンペーンに広告取り下げをお願いするとか、あるいは保守速報への広告掲載を批判するといった意図はありません。ただ、掲載されている事実をお知らせしたく思い、メールを差し上げました。

出過ぎた真似であったかもしれませんが、ご賢察いただけますようお願い申し上げます。

ちなみに「NO残紙キャンペーン」のバーナーは広告ではない。運動のためのバーナーで、もちろん広告料金は発生していない。保守速報が自主的に掲載したのである。

筆者は、研究者はペンで自分の主張を展開すべきだと考えている。相手の土俵を言論以外の方法で物理的に潰すのはフェアプレーではない。