2021年01月10日 (日曜日)

米国の混乱で露呈したトランプ政権による内政干渉の本質と戦略、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグアにおける「不正選挙」キャンペーン、香港の「市民運動」に対するテコ入れ

トランプ大統領の支持者らが米国の議会党に乱入して、4人が死亡した。この事件は、はからずもベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、それに中国に対するトランプ政権の敵対戦略の手口を露呈した。

その意味では、単に米国政治を考える機会というだけではなく、米国の対外戦略(策略)を考える格好の機会を与えてくれる。とりわけ日本のメディアは、ラテンアメリカの政情をほとんど報じないうえに、報じても不正確な情報しか提供しないので、トランプ政権による他国に対する内政干渉の手口を考える糸口になる。

米国の第3世界に対する戦略は、かつては海外派兵を柱としたが、現在は、他国の市民運動を資金面でテコ入れすることで、政治的な混乱を誘発し、「反米政権」の転覆を企てる戦略へ変わりつつあるのだ。現在の米国の「市民運動」をみるとそれが輪郭を現す。

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『週刊金曜日』が広報紙の水増し問題を指摘、「押し紙」同様に古くて新しい問題

8日に発売された『週刊金曜日』が埼玉県の広報紙『彩の国だより』(月刊)が、約22万部水増しされていることを報じた。(9ページ)『彩の国だより』は、新聞折り込みのかたちで、配布されるが、埼玉県が広告代理店(埼玉県折込広告事業協同組合)へ卸している部数は、新聞の発行部数を約22万部上回っていた。

紙媒体が、広報紙の水増し問題を取り上げたのは、『紙の爆弾』に続いて2度目である。この問題は、「押し紙」問題と同様に古くから水面下で指摘されていたが、近年、水増しの割合が増えたこともあって全国各地で問題になっている。「押し紙」同様に古くて新しい問題である。

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2021年01月08日 (金曜日)

日本禁煙学会の作田学医師らが関与した4500万円のスラップ訴訟

【「紙の爆弾」、1月号より転載】

煙草の副流煙で健康被害を受けたとして、団地に住む三人の住民が隣人を訴えた裁判の控訴審で、東京高裁は十月二十九日、一審原告らの控訴を棄却する判決を下した。原告らが上告しなかったため、「冤罪」を主張していた一審被告の藤井将登さんの勝訴が確定した。
しかし、「終わりは始まり」である。

原告に診断書を交付したり、五通もの意見書を裁判所に提出するなど、裁判に深く関わった日本禁煙学会理事長の作田学医師に対して、将登さんは、被告にされたことで受けた被害の賠償を求める「反訴」の準備に取り掛かった。

将登さん個人に対する四五〇〇万円(控訴審は約二三〇〇万円)の請求は、常道を逸していた。高額請求に加え後述するように請求の根拠にも乏しかった。「反訴」は、訴権の濫用に対する警鐘である。今度は、禁煙外来の生みの親が、法廷に立たされることになったのである。

これまで将登さんは本人訴訟で対処してきたが、「反訴」では弁護士を立てる。すでに弁護士も内定している。

この裁判には原告を支援するために、著名な医師や科学者らが次々と関与した。そのうち中心的な役割を果たしたのが、作田医師ら日本禁煙学会の関係者だった。

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2021年01月07日 (木曜日)

朝霞市の公有地への通信基地局設置事件、賃借料360円、設置計画を市に打診したのはKDDI、時系列ノート㉙

KDDIが埼玉県朝霞市岡3丁目の市営・城山公園内に通信基地局を設置した問題で、いくつかの新事実が明らかになった。既報してきたように、KDDIが朝霞市に支払う土地の賃借料は、月額で約360円である。朝霞市は基地局を「電柱」と解釈した上で、条例に従ってこの価格を設定したとしている。しかし、相場とはかけはなれている。

この基地局の設置計画は、KDDIが打診したのか、それとも朝霞市が打診したのか、朝霞市へ問い合わせたところ、「基地局の設置については、市から事業者へ打診はしておりません」との回答があった。つまりKDDIが朝霞市へこの計画を持ち掛け、両者が月額360円の賃借料で合意したことになる。

また筆者は、朝霞市が所有する公園に設置されているKDDI基地局の数と場所をすべて公開するように求めた。これに対して、次のような回答があった。

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読売の「押し紙」裁判、原告が準備書面を公開(全文を掲載)、「押し紙」の定義、残紙と渡邉恒雄の関係にも言及

YC大門駅前の元店主が読売新聞大阪本社に対して起こした「押し紙」裁判(大阪地裁)の審理が、12月17日、コロナウィルスの感染拡大をうけて、ウエブ会議のかたちで行われた。原告は準備書面(1)を提出(PDFで全文公開)した。次回期日は、3月16日に決まった。

準備書面の中で原告は、「押し紙」の定義を明らかにすると同時に、読売新聞に残紙が存在する背景を、渡邉恒雄会長による過去の発言などを引用しながら歴史的に分析している。

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千葉県の広報紙『ちば県民だより』、21万部水増しの疑惑、必要な予備部数は9000部、背景に新聞社のビジネスモデル

千葉県が税金で制作して、新聞折り込みで配布する広報紙『ちば県民だより』が、大幅に水増しされている疑惑が浮上した。

筆者ら取材チームが調査したところ、『ちば県民だより』の発行総数は、187万部(2020年6月時点)だった。このうち新聞折り込みで配布することを前提に、広告代理店が新聞販売店に卸している部数は、177万9000部(2020年6月)だった。

ところが千葉県下における新聞の総発行部数は、約156万8369部である。約21万部が過剰になっている。配布されずに廃棄されていることを意味する。

新聞発行部数の内訳は次の通りである。

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2021年01月04日 (月曜日)

楽天モバイルは回答せず、「電磁波からいのちを守る全国ネット」の公開質問状

昨年(2020)年の12月3日、「電磁波からいのちを守る全国ネット」は、楽天モバイルに対して、4項目からなる公開質問状を送付した。しかし、1ヶ月が経過した今年の1月4日の時点で、楽天からはなんの回答もない。回答期限は12月18日だったので、その後、「全国ネット」は回答を催促したがやはり回答はなかった。

4項目の質問は次の通りである。

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